第17号 PARTNER便り 国際協力キャリアに向かって ~2つのインターンで学んだこと~(下)

こんにちは。JICA国際協力人材部でインターンをしていた久留島愛です。

前回に引き続き、今回はJICA本部でのインターンシップの経験と、今後の展望についてお話ししたいと思います。

インターンシップ応募者説明会での発表の様子

インターンをしたのは、このコラムが掲載されている国際キャリアの総合情報サイト「PARTNER」を運営管理する班です。大学生をはじめとした若年層に国際協力業界に関心を持ってもらい、将来業界で活躍する人材の育成に取り組んでいます。

私が主に取り組んだのは、大学生のPARTNERユーザー増加のための施策の検討です。国際協力に関心のある大学生を対象に調査を行い、それを基としてPARTNERホームページの新コンテンツやSNSの活用方法を考えました。最終日には職員の皆さまの前で提言を発表する機会も頂きました。

その他にも、会議の設営準備や議事録作成など、社会人としての基本的な業務にも挑戦させて頂き、オフィスでのインターンシップが初めてだった私には学びの多い日々でした。

国際協力人材部での業務の様子

1か月間で得た最大の収穫は、JICAへの理解が深まったということです。インターン開始前は、JICAの組織としての特徴や、JICAでの働き方について、漠然とした様々な印象を持っていました。私は本部でのインターンだったため毎日ランチの時間に他部署の職員の方々とお話させて頂く機会に恵まれましたが、これらの印象が現役職員の方々の生の声を通してアップデートされ、JICAで働くイメージが、100倍解像度を増してできるようになりました。

また「就活で結局最後に大事なのは、どんな人と働きたいか?どんな社会人になりたいか?ということ」と、どこかの就活イベントで耳にしたことがありますが、お世話になった職員の皆さんは、自分のためではなく人のために、あるいは大義のために、熱い信念を持ちつつもしなやかに仕事に励まれる、まさに私にとってロールモデルとなるような方々ばかりでした。このような方々のもとで1か月間仕事が出来たことは、私にとっての財産です。

心トキメクものを見つけたい

ケニアのソーシャルベンチャーとJICA本部、性質が大きく違う2つの組織での経験は、自分がどのようなアクターとして国際協力に携わりたいかを考えるための良い判断材料となりました。

しかしこの1か月、多くのJICA職員の方々のお話を聞く中で感じたことは、「どのような課題に、あるいはどの地域に携わりたいのか」という軸でキャリアを築くことが、より本質的で重要だということです。どのアクターに属するかというのはきっと、その課題なり地域に一番納得のいく形で携わる“手段”に過ぎないのだと思います。

「国際協力に関わるとは、“社会に自分がどう関っていくか”ということとほとんど同義なのであって、何か特別なことに携わると誤解したり、どこか“国際協力”の会社や団体に“就職”すること、と早合点しないこと。まずは自分の心がトキメクものを見つけることが大事」。
キャリア相談員を長年務める、ある職員の方から頂いたアドバイスです。

1年ぶりに日本に帰国して1か月が経ち、周囲に溢れる大量の就活情報に飲み込まれてしまいそうな恐怖を時折感じますが、そんな「社会の声」とは上手に折り合いをつけ、残りの学生生活では会いたい人に会いに行ったり、気になる問題の現場に足を運んでみたり、自分と落ち着いて向き合ったりすることで、“自分の関心の軸”を見出し深めることに、多くの時間を費やしたいと思います。

そして、今はまだ「キャリア形成」という人生における長い道のりの一歩目を踏み出そうとしているところですが、アンテナを張り戦略的になることと、静かに自分と対峙し「心の声」に素直になること、この両方のバランスを上手くとることを何歳になっても大事にしていきたいです。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとございました。

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