第71号 PARTNERコラムJICAインターン インタビュー①「社会基盤部編」

*本コラムは、社会基盤部 都市・地域開発グループ第一チームのインターン髙橋奈菜さん(北海道大学工学院)へのインタビューをまとめたものです。

1. 国際協力に関心を持ったきっかけは何ですか?

高校生の時にカンボジアの山村部を訪れた際、大勢の参加者に対して「一軒の住宅に入っていいよ」と言われた場面がありました。現地の人々をまるで見せ物のように扱っているように感じてしまい、現地と「共に進む」という姿勢が必要だと考えたことが一つ目のきっかけです。
二つ目は大学の卒業設計で「冬季オリンピック」というテーマに取り組み、その過程で世界の不寛容さや、未だに残る先進国と途上国との様々な格差に気付いたことです。そして世界が抱える大きな問題を解決する方法を問い続け、一つの答えを作品として示しました。その後、実際に自分が出来ることを考え、国際協力という分野を見つけました。

卒業設計発表にて
卒業設計発表にて
カンボジア訪問後、ベトナムで現地の高校生と交流(左端が髙橋さん)
カンボジア訪問後、ベトナムで現地の高校生と交流(左端が髙橋さん)

2. JICAインターンに応募したきっかけと、インターンを通じて学んだことを教えてください。

国際協力に興味を持ったものの、業務の流れや、自分がどの段階に関われるのかを理解していませんでした。そこで実務経験を通して理解するべく、日本の開発協力で中心的な役割を担うJICAに応募しました。
インターン期間中はアフリカ地域の開発プロジェクトの会議や業務に参加し、事業への提案や別部署との合同勉強会の企画なども行いました。業務を通じて、国際協力分野の理解が深まったのは勿論、職員の皆様が持つ熱意・向上心と視点の多様さを実感しました。また、恥ずかしながら今まで考えてこなかったJICA という組織の独自性や日本の強みについて多くの示唆を得ました。更に、自身の視野の狭さを痛感したり、課題であった「積極的に人と繋がること」を克服ができたりと、人としての成長もできました。

都市・地域開発グループの皆様と(前列左から三番目が髙橋さん)
都市・地域開発グループの皆様と(前列左から三番目が髙橋さん)

3. 今後はどのようなキャリアを考えていますか?

期間中は、「自分の専門性をどう活かすか」、「今後の世界の潮流にどう対応するか」について考える機会を多く頂きました。それぞれ視点は違いますが、自分と世界の今後を複合的に捉えることができました。結果、ジェネラリストとして国際協力に携わり、様々な経験を通じて活躍できる領域を広げたいと思うようになりました。
今後は、まず自分の専門と関連分野の知見を深めることに努めます。そして、就職後は実務を通じて見たこと・感じたことに対して思考を止めず自分の中で消化していき、次のステップを見つけようと考えています。
最終的には多角的な視点から物事を検討し、自分にしか出せない答えをもって課題解決できる人間を目指します。

4. 国際協力を志す学生や同世代の方へのアドバイスをお願いします。

私は修士1年で国際協力分野を知ったばかりで何かを言える立場ではないですが、インターン最終日に課長が仰っていた「点・線・面で広げる」ことが大事だと思います。自分の興味や学びを繋げ、いずれは自分にしか持ち得ない考えを持つことと解釈しています。
学部時代は目の前の課題や部活動、卒業論文・卒業設計に精一杯でしたが、4年間を振り返るとその一つ一つが繋がり、国際協力へと結びつきました。国際協力に限らず、様々な興味を持ち考え続ける事が自分の道を切り拓くのだと思います。反対に現在、国際協力に興味がある方が学びを深めた結果、別の分野へ進まれることもあるのかもしれません。
今後は学問や職種がより領域横断的になり、国際協力への関わり方も多様になるのではないでしょうか。世界のどこかで皆様とお会いするのが楽しみです。

JICA人事部開発協力人材室 インターン
田島智佳

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