文系学卒で開いた開発コンサルタントの扉。
松井 真由美さん
開発コンサルティング企業 / アイ・シー・ネット株式会社 / 30代
キャリア年表
大学学部生
2008~2012年
国際関係学を専攻。
開発コンサルタント(1社目)
2012~2015年
新卒で開発コンサルティング企業に入社。JICA無償資金協力、円借款事業に携わる。
中小企業診断士
2013年~
中小企業診断士試験に合格。ビジネス分野の案件に従事し始める。
開発コンサルタント(2社目)
2015~2017年
アイ・シー・ネット株式会社に転職。ジェンダー分野とビジネス分野のJICA技術協力、省庁事業に携わる。2017-19年(1年4か月)産休・育休。
開発コンサルタント(現職)
2019年~現在
復職。引き続き、ジェンダー分野とビジネス分野のJICA技術協力、省庁事業に携わる。
中小企業診断士、子育て…「女性の視点」で高める専門性とスキル。
国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?
ボランティアをした感想は、①自分の専門性の無さ、②無償ボランティアの限界、③英語ではない言語の壁、と反省三昧でした。これからも国際協力に携わりたいならば、ボランティアではなく仕事として携わるべきと考え、国際協力の専門家である開発コンサルタントを目指しました。
現在の業務を、どのように選ばれましたか?
http://www.ecfa.or.jp/japanese/kaiin/index.html
開発コンサルティング企業に就職したのはいいものの、これといった資格や専門性はなかったため、中長期的なキャリア形成に悩みました。そこで一念発起し、ビジネスコンサルタントの国家資格である中小企業診断士の資格を取ることにしました。難関資格であり、仕事と勉強の両立で大変な日々でしたが、何とか合格しました。そして、中小企業振興や海外展開支援の事業をもつアイ・シー・ネット株式会社に転職しました。
現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?
ジェンダー分野とビジネス分野のJICAや省庁案件に携わっています。中小企業診断士の資格を取ってから気づいたことですが、中小企業診断士の資格保有者で女性は5%強しかいません。ですが、女性活躍推進法や働き方改革など、ジェンダー平等に関する取り組みは追い風です。女性の中小企業診断士というマイノリティであることを活用し、JICAのアフリカの女性起業家に対する研修事業や、内閣府男女共同参画局の女性活躍の事業を担当しています。
現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?
日本に比べて、多くの国がジェンダー先進国です。開発コンサルタントとして外国の行政官やビジネスパートナーと仕事をする中で、ジェンダー・多様性に関する価値観や、女性のリーダーシップについてハッとすることが多くあります。一方で、日本は行政をはじめ女性活躍に関する取り組みが活発なので、日本の取り組みについて紹介することでお互いに切磋琢磨します。こういった瞬間が、業務でのやりがいと言えますね。
子どもに恵まれてから、子育て経験を仕事に活かすことができ、良いサイクルが生まれています。
中小企業診断士資格はMBAに匹敵するとよく言われますが、子育て経験もこれらに匹敵する経験でした。子育てはマネジメント、チームワーク、時間管理などの実務経験を毎日積むことになります。子どもを持つ前に比べ、スキルや生産性が高くなったように思います。
また、女性活躍の案件を担当していることから、子育ての視点は重要です。案件従事という点でも、専門性が高くなりました。
ワークライフバランスをどのように実現されていますか?
私の場合は変わらず仕事を続け、夫は私の育休復帰と共に休職と大学院進学をし、夫婦で協力してキャリアアップしています。夫はこの春(2020年)から復職しました。夫も同じ開発コンサルタントなので、お互いの出張がかぶらないように、出張が入る場合は事前相談しています。また、夫の会社はフレックス勤務制度があるので、夫は勤務時間を前倒しし、朝早く家を出て帰りに保育園へ子どもを迎えに行き、私も合流し、晩ごはんから寝るまで家族で過ごしています。私は朝が弱いので、そんな過ごし方はできませんが(笑)。私の勤務する会社は時間ではなく成果で評価する仕組みや風土があるので、自分の専門性に合った業務に従事し、成果を出せるよう努力しています。
今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。
国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。
女性はライフイベントに左右されることが多く、特に子どもをもつタイミングで今後のキャリアを考える人は多いと思います。また、女性であることを理由に、重要な仕事を任されにくかったり、「ガラスの天井」と呼ばれる昇進の頭打ちにあうケースも聞かれます。キャリア形成のアドバイスとして、①早めに経験を積み専門性を身につけること、②目の前の業務を丁寧に行い、次のチャンスにつなげること、③チャンスが来たら自信を持って手を挙げること、は女性に限らずどんな人にも当てはまる、中長期的なキャリア形成のポイントだと考えます。
キャリア相談
実際に国際協力でのキャリアを始めるにあたり、不安なことや、キャリア形成についてのご相談に対して相談員がアドバイスをします。
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