興味×社会人経験×修士×語学、一歩ずつ開発業界へ。

盛田 詩子さん

開発コンサルティング企業 (株)コーエイリサーチ&コンサルティング 40代

  • 開発コンサルティング企業 コンサルタント
  • 教育
  • キャリア年表

    大学学部生

    1995~1999年

    外国語学部の東南アジア課程でタイ語を専攻。

    民間企業

    1999~2004年

    英会話学校のマネージャーとして、生徒数約600名、講師数約10名の学校の運営管理、人材育成、授業改善を行う。

    日本語教師のボランティア

    2004年

    タイの専門学校で、日本語教師のボランティアとして日本語や日本文化を教える。

    大学院生

    2004~2005年

    英国で開発学(教育と開発)の修士号取得。教育開発、ジェンダー、社会開発、調査・評価手法などを学ぶ。

    開発コンサルタント

    2005~現在

    開発途上国における教育、平和構築、ジェンダー分野における調査・技術協力業務に従事。
    2012-13年(1年間)産休・育休。

    渡航期間を分割調整、子育てしながら海外出張も。

    国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?

    小学生の頃から途上国の話や映像を新聞や本、テレビで見て、世の中には大変な状況にいる人がたくさんいると知り、何か役に立ちたい、と思ったことがきっかけです。小学生から高校生くらいまでの時期に、1980年代のエチオピアの大飢饉や1992~95年のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、1994年のルワンダ大虐殺など、大変なことが起きて多くの人の命が失われました。なぜこのような不条理なことが起こるのか、何か自分にできることはないかと考えるようになりました。

    現在の業務を、どのように選ばれましたか?

    大卒ストレートでの開発業界への就職は難しいと思ったこと、大卒時点では途上国で役に立てる技術や経験もなかったことから、社会人経験を積み、修士号を取得したうえで挑戦しようと考えました。どの分野で開発業界に関わりたいかと考えた時に、大学(学部)で教員免許を取得するなど教育分野に興味があったので、教育分野の社会人経験を積もうと考えました。また英語力もつけたいと思ったので、就職先として英会話学校を選択し、修士号も英国の大学院で取得することにしました。修士号は開発学(教育と開発)で取りましたが、ジェンダー、社会開発、調査・評価手法など関連の幅広い知識を学ぶことができて後の開発コンサルタント業務にも役立ちました。

    現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?

    現在業務主任として、「ルワンダ国高等技術教育に係る情報収集・確認調査」を実施中です。この調査は、ルワンダのTVETセクター※で高度スキル人材育成を進めるために必要な、TVET機関におけるICT利活用の促進やイノベーション機能強化に係る課題と方策の整理を行うほか、ルワンダにおけるTVETの成果を東アフリカ共同体の域内へ展開するための情報収集を行うことを目的としています。新型コロナウイルスの影響で現地調査時期が秋頃になる見込みですが、それまでに現地スタッフによる基礎調査を実施すべく、準備、調整を進めているところです。具体的には、現在、文献調査を進めたり、団内及びJICAルワンダ事務所と、調査方針や調査項目の検討を重ねながら、質問票作成などの調査準備を行っています。

    ※Technical and Vocational Education and Training(技術教育及び訓練並びに職業教育及び訓練)。

    現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?

    現地でアクターとして、生徒や先生などの受益者から、政府の高官まで幅広い立場の人と一緒に仕事ができるのが、開発コンサルタントの魅力です。また、政策や制度の策定など上流の活動にも関わることができるので、広い範囲に働きかけができるという点も魅力です。紛争続きで教育を受ける機会もなかった技能訓練修了生が、人生で初めて得た資格証書だと言って喜んでくれた時や、当初は予算もないし・・・などと消極的だったカウンターパートが、一緒に仕事をするうちに、自らアイデアを出したり、積極的にモニタリングなどの活動を始めたりと、行動に変化が現れた時などに、特にやりがいを感じます。

    ワークライフバランスをどのように実現されていますか?

    海外への長期出張も多い開発コンサルタントの仕事は、女性にとってはライフイベントとの両立が困難なこともありますが、私自身も育休取得後に復帰し、上司や同僚、家族のサポートを得て仕事と子育てを両立しています。例えば、出産前は1回の渡航期間が2~3ヵ月の出張も多かったのですが、子どもが生まれてからは、出張期間を分割して、1回の渡航が短くなるように調整しています。また国内業務が中心の案件に応札したりもしています。出張中は夫や双方の親に協力してもらっています。今は子育てをしながら働き続けている女性コンサルタントも多いですし、育休取得する男性コンサルタントもいるので、今後さらに両立しやすくなっていくと良いなと思っています。

    今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。

    今年初めて海外調査業務での総括を務めることになったので、この仕事を確実に実施するとともに、今後も総括として競争力を持ってほかの仕事も受注できるようにしたいと思っています。また現在、教育一般、TVET、ジェンダー分野の仕事を中心に行っていますが、勉強して専門性を高め、現地の人々のニーズに応えられるコンサルタントになりたいと考えています。自分自身、まだまだ発展途上のため、先輩コンサルタントから今後も多くのことを学んで、後輩に伝えていけるようになりたいと思います。

    国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。

    自分が誰のために、どういう分野で働きたいと思っているかを振り返り、自分の興味関心のある分野で、キャリアや勉強を進めていったらよいと思います。その時々の援助の潮流や、重点分野はありますが、時代や状況の変化で移り変わるものでもあるので、やはり初心や自分自身の興味、解決したいと思う課題に立ち返り、まずはその専門性を身につけていただいたらよいのではないかと思います。社会人経験や海外での仕事・生活体験、大学院経験などどんな体験でも役に立たないものはないと思うので、その時々を楽しみながら精一杯取り組んでください。

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