海外協力隊の経験を、地元・釜石の復興まちづくりに活かす。
常陸 奈緒子さん
その他 / 釜石リージョナルコーディネーター協議会 / 30代
キャリア年表
大学学部生
2003~2008年
国際協力(教育分野)を専攻。
民間企業
2008~2010年
広告代理店の企画営業職として、家電メーカーや飲料メーカーのプロモーション・購買時点広告制作に関わる。
海外協力隊
2011~2013年
村落開発普及員としてセネガルに派遣。漁村集落の女性と子どもの生活向上支援に関わる。
釜石リージョナルコーディネーター(釜援隊)
2013~現在
NPOの連携強化・仮設住宅のコミュニティ支援などを経て、現在は高校生のキャリア教育や地域活動伴走に従事。
「正解のない課題に現地の人と向き合う」国際協力との共通点。
国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?
国際協力の最初のステップは何でしたか?
大学卒業後は一度日本で社会人経験を積もうと、東京にある民間企業で2年半ほど企画営業の仕事をしましたが、やはり国際協力の分野で働きたいと思いました。大学時代に教授の研究旅行に伴ってザンビアに行き、そこで出会った海外協力隊員の姿が忘れられませんでした。大学の仲間も参加しており、私も挑戦を決めました。派遣されたセネガルでは、漁村集落の女性組合の活性化や子どもの生活向上支援をしました。近隣の地区でも、寄付で本を集め小さな図書館を設立し、現地の協力者と共に識字や衛生教育に取り組みました。そこで「○○がないから出来ない」ではなく、あるものでなんとかする、ないなら作ってみる、セネガル人の姿勢やマインドを学びました。
現在の復興まちづくりの仕事に就かれたきっかけは何ですか?
現在はどのような業務をされていますか? また、やりがいや魅力を教えてください。
着任して約7年、NPOの連携強化や仮設住宅のコミュニティづくり、情報発信事業など様々な業務を担当してきましたが、現在は主に、釜石市のオープンシティ推進室と協働し、地元の高校生を対象としたキャリア教育事業の企画運営や、高校生の放課後の活動拠点・居場所づくり、地域の課題解決やボランティア活動に取り組む高校生の支援をしています。復興支援のために釜石に足繁く通ってくれるボランティアの方々や地域の方々など、多くの人との出会いに恵まれています。共に活動している高校生たちから得るものは本当に多いです。私と同じく釜石で生まれ育った彼らが、釜石を想い、まちの課題を見つけ、それに向かって取り組む姿勢や視点から、釜石の課題やすばらしさに気づくことがあります。
現在の仕事で、これまでのご経験が活かされている面などお聞かせください。また復興まちづくりと国際協力の共通点とは、どのようなものでしょうか?
協力隊時代、価値基準や考え方の違いから、活動を進めていくのにとても苦労しました。「復興」も人によって異なりますし、答え自体ないのではないかと思います。自分の考えや信念を通しつつ、関わる人々の価値観と合わせていく必要がありますが、協力隊での経験が、他者と自分の違いを受け入れ調整することにとても役立っています。復興まちづくりと国際協力は、課題の原因や解決の目標値は異なりますが、「目の前の暮らしやまちの課題を、今より良くするために地域の人と共に取り組む」点では全て共通しています。答えのない物事に対し、置かれた環境や活用可能な資源を使い試行錯誤を繰り返す点も同じで、“現場合わせ”が上手なセネガル人から学んだことも役立っています。
復興まちづくりと国際協力は繋がりますか?
国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージ、今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。
振り返ってみて、長期的/短期的プランのバランスが大事だと感じます。私自身、国際協力の道を目指していたところから地元での仕事を選び今に至るプロセスで、色々なことが大きく変化してきました。国際協力に直接関係があってもなくても、「最終的にはこうしたい」という長期的なプランを持ちつつ、目の前の状況に合わせて色々な道を選べば、納得でき、ゆくゆくはその経験が活きていくと思います。現在の仕事は、今年度で任期が終了します。しかし高校生のキャリア教育や伴走活動は、今後も継続していく必要がありますし、私自身もそれに関わっていきたいと考えています。そして、私が興味を持っていた国際協力に、釜石の人を繋げることができたら幸せです。
※本記事は、2020年12月時点での情報となります。
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