臨床経験を生かし、海外のJICA関係者の健康と命を守る。
中曽根 香織さん
国際協力機構(JICA) / JICAミクロネシア支所 / 50代
キャリア年表
大学病院
1989〜1996年
脳神経外科病棟、高度救命救急センターに勤務。
緊急医療アシスタンス会社
1998〜2000年
緊急移送アレンジ、エスコートナースとして勤務。
医療機器会社
2000〜2005年
患者情報システム開発を担当。
クリニック
2006〜2009年
外来診療、健康診断業務を担当。JCI※取得のために米国・ジョンズホプキンス大学病院で研修。※JointComissionInternational(国際的な医療機能評価)
JICA
2009年〜現在
国内健康管理員2回、タイ健康管理員、ミクロネシア健康管理員として従事。
医療現場に従事してきた私にもできる国際協力。
国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?
大学病院に勤務しているとき、同僚医師や先輩看護師がJICAの緊急援助隊として被災地へ行くことが度々ありました。そこで初めて国際協力の仕事を知りましたが、当時は「私もいつか挑戦したいな」という漠然とした思いだけでした。その後、緊急医療アシスタンス会社に転職。緊急移送のアレンジやエスコートナースとして様々な国へ行く中で、海外で治療を受ける大変さや、途上国の医療事情を目の当たりにしました。そんな中、当時の同僚を通じてJICAの存在を再び知ることに。「私にもできる国際協力があるのでは」と思い、健康管理員への挑戦を決めました。
これまでにどのようなキャリアを歩んでこられましたか?
現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?
ミクロネシア国の在外健康管理員として、主に関係者の健康管理、傷病対応を担当しています。ミクロネシアの他に、パラオ、マーシャルの2カ国も兼轄しています。ミクロネシアは4つの島(州)からなっており、兼轄国も島なので「1つの島を拠点に、6つの島を担当している」と言った方がわかりやすいでしょうか。定期的に各島に出張して医療機関調査をしたり、関係者の皆さんへ健康講話を行うことも。その他、予防接種や健康診断のアレンジ、支所のスタッフと緊急事態に備えた準備もしています。
健康あっての国際協力です。命を守るために、時には心を鬼にして闘うこともありますが、とてもやりがいのある仕事だと感じています。
現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?
在外で傷病が発生した時は、基本的に現地の医療機関を受診してもらうのですが、途上国の多くの病院では日本のような検査や治療が受けられません。治療が受けられても適切でないことも多く、その場合はJICAの顧問医に相談します。しかし、JICA顧問医は国内にいるため、直接患者さんを診察することができません。患者さんが、より早く適切な治療を受けるためには、私たち健康管理員からの情報が重要となります。現地医師→健康管理員→JICA顧問医と連携して傷病対応を行うのですが、傷病を未然に防ぐことができたり、軽い症状で抑えられたり、無事に治療に繋げられたりした時にこの仕事をしていて良かったと感じます。
今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。
国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。
※本記事は、2021年2月時点での情報です。
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