農業(コメ振興)プロジェクトをロジスティック面でサポート。

酒井 雅義さん

国際協力機構(JICA) 独立行政法人 国際協力機構(JICA) 50代

  • JICA 技術協力プロジェクト専門家(業務調整)
  • 多岐にわたる分野
  • キャリア年表

    大学学部生

    1986~1992年

    同志社大学商学部で日本の先端企業について学ぶ。

    JICA海外協力隊

    1992~1995年

    最貧国ニジェールでアフリカ生活を体験する。緑の推進協力プロジェクト。ニジェール人の素朴さにふれる。

    専門調査員

    1997~2000年

    民間企業で3年働いた後、在マダガスカル日本大使館において、草の根無償、経済/技術協力、政務に関わる。

    専門家/業務調整

    2000~2006年

    マダガスカル(個別専門家)、セネガル(保健人材育成)でプロジェクト業務調整に携わる。

    主夫

    2007~2010年

    ブルキナファソで家事育児を担当する。

    企画調査員

    2010~2012年

    ベナンで教育・保健分野の企画調査員として働く。

    主夫/業務調整

    2013~2015年

    セネガルで家事育児を担当する。2014年よりプロジェクト(教育環境改善)の業務調整に携わる。

    主夫

    2015~2017年

    モロッコで家事を担当する。

    専門家/業務調整

    2017年~現在

    カメルーンでコメ振興プロジェクトの業務調整/モニタリングに従事する。

    プロジェクト現場を支える裏方の仕事。

    国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?

    小学生の頃から、漠然とした海外への憧れの気持ちがあり、いつか海外で生活をしてみたいと思っていました。もっとも、子どもの頃に憧れたのはカナダ、北欧、スイスといった自然豊かな国でしたが、二十歳で初めてヨーロッパを旅し、ひょんなことからジブラルタル海峡を渡り、アフリカ大陸のモロッコにも足を伸ばしました。80年代のことです。イスラム、香辛料、迷宮のようなカスバ…、途上国の不思議な魅力を感じました。その後、
    アジアやアフリカを旅し、持つものと持たざるものの格差、子どもたちが働いている姿、穴ぼこだらけの道路などが目につき始め、国際協力を考えるきっかけとなりました。

    これまでにどのようなキャリアを歩んでこられましたか?

    今振り返ると、協力隊に参加したことで「現場の面白さ」を知り、専門調査員として大使館勤務したことで「ODAの実際」を現場とは違った角度から学び、企画調査員としては、その国の担当分野の課題をじっくり考える機会を得ました。さらに、プロジェクト業務調整として保健(人材育成)、教育(教育環境改善)、農業(コメ振興)のプロジェクト運営のサポートにも携わってきました。最初から計画してこのようなキャリアを歩んできたわけではなく、目の前の仕事をこなしているうちに、あっという間に時間が過ぎていった感じです。また、私と妻とで交互に働く期間が10年ほどあり、途上国で育児をしながらの主夫業も経験しました。

    現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?

    カメルーン国コメ振興プロジェクトで業務調整として働いています。現在のプロジェクトでは予算案作成、予算管理などの会計業務、物品・車両の管理、研修・イベント・セミナーのロジ支援業務、運転手、秘書、圃場(ほじょう)アシスタント、ワーカーなどの労務管理を担当しています。主な役割は、プロジェクト運営をロジ面からサポートすること。現場を支える裏方の仕事です。年間の活動は農業暦にあわせて計画されているため、全体の流れを把握し、ヒト・モノ・カネの流れが滞ることがないよう心がけています。専門家の業務負荷を見ながら、田植えや収穫などの圃場作業や精米作業などを手伝うこともあります。

    現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?

    治安上の問題から国内移動が制限され、必要な部品が手に入らないといったコントロール出来ない難しさを抱えながら活動を行っています。とはいえ、どのプロジェクトでも制約はあるもので、現在あるリソースを有効活用し、工夫や臨機応変さを発揮しながらやり繰りをする...これがプロジェクト現場の面白さといえるでしょう。
    陸稲は主に自家消費に、水稲は販売目的に作られています。プロジェクトでは、展示即売会などに優良農家さんを招待する機会がありますが、自分で作ったお米を消費者が買ってくれた時に見せる農家さんの笑顔は、見ているこちらも嬉しくなります。

    今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。

    インターネット普及やAIの発展に加え、コロナの影響もあり仕事のあり方が変わりつつあります。国際協力の取り組み方も大きく変わってきています。20年前には考えられなかったクラウドファンディングを使って国際協力活動を支援したり、プロジェクトを立ち上げたりする団体がたくさんありますよね。国際協力をはじめるにあたり敷居のようなものは随分低くなったように感じています。具体的なことはまだ決まっていませんが、国際協力はライフワークとして続けていくつもりです。肩肘張らずに、関心のあることを可能な範囲で続けていきたいと考えています。

    国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。

    私はこれまでODAの現場、または現場に近いところで働いてきました。地域は仏語圏アフリカです。国際協力の仕事の魅力は、多様な文化や自然に触れながら、現地の人たちと共に働くことです。答えらしきものは手探りで見つけ出さなくてはなりません。また、この仕事を長く続けていくために仕事と生活、役割について家族で話し合い、子どもが小さいうちは片方がODAの仕事を、片方は家事育児を、それを交互にすることを選択しました。結局のところ、仕事、プライベートを含めてどのような人生を送りたいのか、国際協力を通して社会にどのような貢献をしたいのかを考えることが大切なのだと思います。あなたにとっての良い選択ができることをお祈りしています。

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