技術研修の現場で知識とアイディアの共創を支援。
前山 真吾さん
その他 / 研修監理員 / 50代
キャリア年表
大学学部生
1987~1992年
外国語学部でスペイン語、スペイン語圏地域、学芸員課程を専攻。
現地職員
1994~1995年
国際協力事業団(現:JICA)アルゼンチン事務所で現地職員として情報収集・報告書作成などの業務を担当。
大学院生
1998~2000年
大学院(修士課程)で地域研究を専攻。
研修監理員
1998~2011年
一般財団法人日本国際協力センター(JICE)研修監理員。
JICA研修監理員
2012年~現在
研修監理員として研修監理業務担当。
文化的な背景を踏まえて相互理解を促進する。
国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?
これまでにどのようなキャリアを歩んでこられましたか?
現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?
JICAの技術協力の一環として実施される課題別研修、国別研修、青年研修の中でスペイン語で実施される研修プログラムの研修監理業務を担当しています。具体的にはJICA(受入国内拠点・本部担当課)、研修実施機関・団体、来日研修員の三者間の調整業務、担当言語でのコミュニケーション支援業務(通訳など)、理解促進ファシリテーション、研修行程進捗管理業務、講義資料の確認、研修実施機関や視察先への同行業務を研修監理員(研修コーディネーター)として行っています。状況に応じて、業務の中にアクションプラン作成ファシリテーションや日本文化理解促進の活動が含まれることもあります。また、研修員の体調が優れない場合や怪我の際には病院に同行することもあります。実際に研修員が診断を受けた後、急遽、緊急手術に立ち会ったこともありました。JICAが実施している技術協力の分野や課題は多岐にわたっているため、研修プログラムも様々な性格のものがあり、各研修監理員はある程度対応可能な分野を持っています。私の場合は、これまで自然環境・生物多様性、民間部門支援(生産性・品質向上、中小企業支援)、教育・人材育成の主に三つの分野の研修を担当することが多くありました。
現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?
スペイン語で実施される研修プログラムでは、英語の場合と違い、スペイン語での講義や視察案内がまだ少ないため、研修監理員が通訳(逐次)する割合は高くなり、そのため必然的に研修内容に深く関与した業務内容となります。研修監理員が研修実施機関、また講師、視察先担当者の方々と良好なコミュニケーションを取り、研修の意図するところをよく理解した上で業務をすることで、最終的には研修員が達成感を得て、輝いた表情になるのを見ることがやりがいであると感じます。また研修監理員として、研修プログラムを通じて、様々な人と様々な場所で様々なテーマや課題について話し合うことで生まれてくる「知的共創の場面」に立ち会えることが仕事の魅力です。研修員や被招聘者が日本滞在中、研修先への移動中や自由時間に、日本側の設定した目標や意図とは別のところで、大きな気づきや発見を得ることも多く、私も別の視点から見た日本の文化や社会の一面を学ぶことがあります。技術研修という国際協力の現場においては、日本側も研修員も相互に学び合うことが多いと思います。
今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。
国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。
ラテンアメリカ各国の出身者と接することで、国際協力について考える際に、三つの視点が大事だと感じるようになりました。一つ目は「地域性」。国際協力は二国間協力がまだ主ですが、広域での協力プロジェクトも増えてきており、地域を単位として分析し、国民国家をより広い文脈で考察することで近接する諸国との共通点や対比点が明確になると思います。二つ目は「歴史性」。現在の状況を理解し、将来の展望を考える上で現代史はもちろん、遥か遠い過去でさえも重みを持っていることに気づかされます。三つ目は「多様性」。同じ国であっても内部には条件の違う様々な世界や人々が存在していることは理解しているつもりでも、忘れがちになってしまい、気をつけるべき点だと自戒しています。技術研修の現場では日本の経験から学ぶことに加え、世界的な課題を共に解決していくという意識がこれからますます重要になってきているように感じます。
キャリア相談
実際に国際協力でのキャリアを始めるにあたり、不安なことや、キャリア形成についてのご相談に対して相談員がアドバイスをします。
無料でご相談いただけます
- キャリア相談を受けるには、人材登録が必要となります。