ジェンダー平等達成のために国内外のアドボカシー活動に取り組む。

長島 千野さん

国際協力NGO/NPO 公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン 40代

  • NPO/NGO スタッフ
  • ジェンダーと開発
  • キャリア年表

    大学学部生

    2001~2003年

    アメリカの短大から学部へ編入。ビジネス経営学を専攻。

    民間企業

    2004~2009年

    日系、外資系の半導体・通信機器会社に勤務。

    NGO職員

    2009~2013年

    複数のNGOでプログラム担当としてカンボジア、ケニア、福島で開発、緊急人道支援に携わる。

    大学院

    2014~2015年

    イギリスの大学院でジェンダーと開発を学ぶ。

    NGO職員

    2015年~現在

    プラン・インターナショナルでインドネシア、ラオスに駐在。現在はアドボカシー担当。

    途上国の活動で得た経験や知見を日本でも生かしたい。

    国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?

    私は高校時代にアメリカにある姉妹校を短期訪問したことがきっかけで、「大学はアメリカに行きたい」と思い、高校を卒業してから働き、20代になってから留学しました。そのままアメリカで就職することが夢だったのですが、断念して帰国しました。民間企業に就職後、「お金のためだけに働くのではなく、社会貢献など何か人の役に立つことがしたい」という漠然な思いから、働きながらNGOに寄附をしたり、ボランティアをしたことがきっかけで国際協力に興味を持ちました。そして何年か働くうちに、「これは自分のやりたいことではない、このままではつまらない」と思ったことがNGOへの転職のきっかけでした。

    これまでにどのようなキャリアを歩んでこられましたか?

    半導体系の民間企業で5年程、海外拠点の人たちとやり取りをする仕事に携わり、その後NGOに転職しました。子どもの権利を推進する団体で、子どもの人身売買・児童労働防止プロジェクトに関わり、カンボジアで2年程働いた後、別のNGOでケニアにて東アフリカ干ばつ被災者緊急支援プログラムに従事しました。その後、また別のNGOで福島の復興支援に携わりました。それらの経験から、NGOで働くうえで自分の専門分野を持つ必要性を強く感じ、以前から興味のあった「ジェンダーと開発」の修士を取るためにイギリスに留学しました。その後、女の子・女性支援やジェンダーの取り組みをしている公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンに入りました。

    現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?

    今までは現地駐在でプログラムを行っていましたが、現在は国内外のジェンダー課題をテーマとしたアドボカシーを担当しています。ODAにおけるジェンダー主流化が主な担当で、啓発のためのイベントを開催したり、行政や議員への働きかけをしています。昨年からJANICのジェンダー平等推進ワーキンググループを立ち上げ、現在は国際協力分野でジェンダー主流化を促進するための活動を他のNGOと方たちと一緒に行っています。他には国内課題のアドボカシーのための調査研究や、講師派遣で開発教育やジェンダーワークショップ、団体内のジェンダー&インクルージョン担当もしています。途上国での経験を生かした活動を行っています。

    *JANIC:特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター

    現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?

    「日々、ジェンダー平等の課題をサポートする人が一人でも増えるように」との思いで活動をしています。ジェンダーは分野横断的に取り組まなければいけないテーマですが、どうしても優先順位が低かったり、扱いが悪かったりする課題です。その背景にはジェンダーやフェミニズムについての反発心が少なからずあると感じています。人々の意識や社会構造、制度が変わるにはとても時間がかかり、アドボカシーの成果はなかなか出ないものです。でも、ジェンダーの影響は男の子・男性にもあるので、「誰もが当事者で、みんなで取り組んでいかなければいけない」という意識が共有できた時と感じた時は嬉しく思います。

    今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。

    今まで留学したり、国際的な活動をしてきた経験から日本の状況をより俯瞰的に見るようになりました。日本のジェンダーの状況は世界的に見ても悪く、取り組みも遅れているので、日本のジェンダー平等達成に向けた活動は、ライフワークとしてずっと続けていきたいと思っています。

    国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。

    人のためになりたいと思って始めた国際協力ですが、現地駐在を経験する中で、日本人が駐在する意義や価値に疑問を抱いたり、自分が持つ権力や特権と向き合わなければいけないこともありました。やりがいもありますが、こうしたジレンマもある仕事だと思います。大学院の時、参加型開発の分野で有名なロバート・チェンバース博士のワークショップに参加し、その国の人であろうとなからろうと開発分野で働く人の心得というものを学び、非常にエンパワーされ、感銘を受けました。国際協力の道を目指す人には是非彼の本を読んでいただきたいと思います。

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