50年後、100年後を考える、気候変動という国際問題。

弥富 圭介さん

国際機関 世界銀行グループ 40代

  • 国際機関 職員
  • 多岐にわたる分野
  • キャリア年表

    大学学部生

    1998~2002年

    名古屋工業大学工学部で資源環境マネジメントを専攻。

    大学院学院生

    2002~2004年

    米国モントレー国際大学院で国際環境政策修士を専攻。

    研究職員

    2004~2010年

    地球環境戦略研究機関にて主に気候変動分野における政策研究及びアジア地域の人材育成支援事業に従事。

    国際機関コンサルタント

    2010~2011年

    アジア開発銀行にてカーボンファイナンスの組成及び技術支援業務を担当。

    国際機関職員

    2012年~現在

    世界銀行グループに入行。南アジア地域総局に勤務後、気候変動グループへ異動、現職に至る。

    キャリアの長期目標を掲げ、キャリアを通じて自分の専門性を磨く。

    国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?

    私が高校生の時に、気候変動問題に関する国際会議が京都で開催されました。温暖化問題への懸念が社会的に高まる中で、グローバルな問題への取り組みに興味を持ち始めたことが、私が国際協力へ興味を持ったきっかけです。大学進学後、京都議定書という形での国際合意の締結・発効に至るまでの各国の動き、国際協力の不可欠性とその難しさをニュースなどで目の当たりにするうちに、「自分がどのような形で複雑な国際問題の解決に貢献できるのか」、そして「気候変動問題の解決に資する仕事に就けないか」ということを考えるようになりました。

    これまでにどのようなキャリアを歩んでこられましたか?

    学生時代は、具体的な職種やキャリア形成方法を模索し色々悩んだことを今でも覚えています。その過程で、国際機関で働くという選択肢があることを知り、自分の専門性を磨くことの大切さを知りました。気候変動問題は、何世代にも渡る問題であるため、長期的な政策立案や提言に関われる仕事に着目しました。その後、大学院生の時に政策研究機関でインターンシップをする機会があり、卒業後同じ機関で職員として働き始めることが出来ました。専門家としては未熟ながらも、当初から気候変動に関わる各国の政府、国連機関、企業など多岐に渡る関係者と仕事をする機会に恵まれたことは、現在のキャリアに至る大変貴重な財産となっています。

    現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?

    現在は、世界銀行の気候変動グループに在籍しており、東アジア・太平洋地域担当コーディネーターとして、アジア・太平洋地域総局のオペレーション・チームを側面的にサポートしています。世界銀行グループでは、
    2021~25年を対象とする新たな気候変動行動計画を立ち上げています。この計画には、気候変動対策資金の割合を支援全体の平均
    35%まで引き上げることや、新たな国際枠組みであるパリ協定下の各国の目標達成に必要な支援の拡大など、かなり踏み込んだ内容が盛り込まれています。同地域の各国における開発支援に融合させながら、気候変動問題への解決に資するファイナンス、技術支援や投資計画などの作成をサポートしています。

    現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?

    私が世界銀行に入行した10年間で、世界の社会経済状況や気候変動による影響、各国の取り組みなど様々な変化がありました。その中で、世界銀行の中でも気候変動に対する体制や行動も大きく変わりました。キャリアを通じて気候変動問題に携わってきた私としては、一専門家としてこの重要な局面で引き続きこの問題への取り組みに関われることの嬉しさと、その一方で責任の重大さを感じつつ業務を行うことができることに最大のやりがいを感じています。

    今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。

    私は、気候変動の専門家として、「世界の気温上昇を1.5度未満に抑え、温暖化の影響を最小限に食い止めるという目標を達成したい」という思いがあります。そのため、今後も世界銀行で途上国の政策実施や資金の提供へ最大限貢献していきたいと考えています。世界銀行では、職員の専門性やキャリアデベロップメントを促進するため、定期的な行内異動があります。数年後の異動の際は、クライントである途上国政府や受益者に近い地域総局のオペレーション・チームに戻り、引き続き気候変動対策支援に資する業務に携わることが出来ればと考えています。

    国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。

    国際問題は、今後も複雑に多様化し、更に高い専門性が要求されます。そのため、自分の興味や強みを活かしながら、どんな分野でも意識的に専門性を積み上げることが重要です。一方、国際協力は、ひとえに人と人の繋がりでもあります。多くの人との協力によってより大きな問題へ立ち向かえること、一緒にやり遂げた時にその達成感を共有できる醍醐味をぜひ感じてほしいです。また、自分の専門性に見合う職種や国際機関の職員のポストが必ずしも自分のタイミングで見つかるとは限りません。あきらめず、自分の専門性を磨くこと、専門分野のネットワークを作り上げながら、来たるべきチャンスに最大限備えることが大事なのではないかと思います。

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