JICA事業と関係者の安全を確保。

生田 卓也さん

国際協力機構(JICA) 安全管理部 30代

  • JICA 職員
  • 安全管理
  • キャリア年表

    大学学部生

    2006~2010年

    政治経済学部で経済学を専攻。

    民間企業

    2010~2016年

    学習塾で小中学生の教育に携わる。授業だけでなく、マネジメント業務も行う。

    JICA海外協力隊(現職参加)

    2016~2018年

    ベナンで小学校教育隊員として活動。教員向けの研修会などを実施。

    民間企業

    2018~2020年

    学習塾で小中学生の教育に携わる(現職復帰)。

    委嘱員

    2020~2021年

    在コートジボワール日本大使館にて、草の根・人間の安全保障無償資金協力業務に従事。

    JICA専門嘱託

    2021~2022年

    安全管理部で仏語圏アフリカを担当。

    JICA職員

    2023年~現在

    安全管理部で仏語圏アフリカを担当。

    教育、安全管理の仕事で培った経験をアフリカ諸国の課題解決に活かす。

    国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?

    20代は日本で小中学生の教育に携わってきました。次第に、日本のことしか知らないことに漠然と違和感を感じるようになり、日本だけでなく、一度海外でも教育に携わってみたいと考え、JICA海外協力隊に応募しました。協力隊の活動で自分の価値観は大きく変わり、途上国での生活の楽しさも大変さも味わいました。協力隊への参加をきっかけに、途上国の人々のために働きたいという気持ちが高まり、国際協力の分野で活動したいと思うようになりました。

    これまでにどのようなキャリアを歩んでこられましたか?

    大学卒業後、学習塾に就職しました。自分の指導によって子どもたちが意欲的に勉強に取り組むなどの変化を与えられること、受験までの楽しさも苦しさも共有できること、直接ありがとうと言ってもらえることなど、非常にやりがいがありました。JICA海外協力隊では西アフリカのベナンに派遣され、小学校教育で活動しました。現地では教員向けの研修や子どもたちへの授業を行いました。在コートジボワール日本大使館の業務はコロナ禍の初めで現地に渡航できなかったため、日本から遠隔で業務を行いました。西アフリカ、仏語圏アフリカの国に関わりたいという思いから、現在はJICA安全管理部で仏語圏アフリカの国を担当しています。

    現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?

    仏語圏アフリカの国を担当しています。自分の担当する国や地域のニュースやレポートなどから治安という観点で情報収集を行います。そのように、収集した情報をもとに安全対策を行います。1つの国の中でも地域によって脅威やリスクは異なりますので、地域ごとに守るべき安全対策を分けて設定することもあります。実際に関係者がリスクのある地域へ渡航する場合は、渡航先の治安情勢や経路、宿泊先、人数などを確認し、リスクを最小限に抑える方法を検討します。またそのような日々の業務以外に、過去にJICA関係者が遭遇した事件を振り返る活動も行っています。過去の事案を整理し、教訓を導き出し、JICA関係者の安全意識を高める目的です。

    現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?

    安全は目に見えないという難しさがあります。そのため、できる限りの情報収集から治安を分析し、安全対策を行い、渡航者の安全を確保します。その過程は簡単ではありませんが、関係者の安全確保は何よりも優先されるべきことであり、それだけにやりがいを強く感じます。また、担当する国や地域のコンテクストを理解する必要があり、歴史、社会、経済など幅広い視野を身につけることができました。また、ニュースやレポートは英語やフランス語で読んでいます。このように仕事で英語やフランス語を使用することで、語学力を高めることにもつながりました。

    今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。

    総合職登用制度を通じて、2023年1月より
    JICA職員として勤務しています。様々な部署での勤務を通じて、これまでのキャリアで培った全ての経験を生かして、途上国支援に従事したいと思います。その中でも、私にはこれまで長く教育業界で培った経験、強みがあります。サブサハラ・アフリカ諸国は教育の課題が多いのが現状で、そのような課題解決に貢献したいと考えています。

    国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。

    まず、私のページに少しでも興味をもっていただき、ここまで読んでいただきありがとうございました。私自身は、JICA海外協力隊に参加する少し前まで、JICAという名前は知っているくらい、海外協力隊のことは知らないという、国際協力には縁遠い生活を送っていました。私の場合は、協力隊の参加をきっかけに国際協力の分野に進むことに決めましたが、そんなに深くは考えず、とりあえずやってみようという気持ちからのスタートでした。今後皆さんと様々な形でコラボレーションができるのを楽しみにしています。

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