感染症流行への対応能力強化を、現地の疫学技官と共に実践する。
今村 忠嗣さん
国際協力機構(JICA) / 独立行政法人 国際協力機構(JICA) / 30代
キャリア年表
大学学部生
2007~2011年/2014~2016年
東北大学医学部医学科で学士(医学)を取得 /*研究医コース(MD-PhDコース)に在籍
大学院生
2011~2014年
東北大学医学系研究科微生物学分野でウイルス学を専攻。
初期研修医
2016~2018年
仙台市立病院に初期研修医として勤務。
小児科専攻医
2018~2020年
国立成育医療研究センターに小児科専攻医として勤務。
JICA感染症対策アドバイザー
2020~2022年
ザンビア国立衛生研究所で感染症流行に対するサーベイランス・アウトブレイク対応能力の強化に従事。
小児科専攻医
2022~2023年
国立成育医療研究センターに小児科専攻医として勤務。*4月~ザンビアでJICAの感染症対策案件に従事する予定。
現場に出向き、そこでしか学べない知識と経験を積む。
国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?
幼い頃から、両親の影響で外国の映画や雑誌に触れる機会が多く、海外で働いてみたいと漠然と思っていました。高校生の時、世界を飛び回って活躍する日本人の感染症専門家に密着したドキュメンタリー番組を見ました。医師になりたいという希望と、異国の地で働いてみたいという思いが両立できると知り、強く心を揺さぶられたのを覚えています。大学院生のとき、フィリピンで小児感染症の研究に携わる機会を持ちました。実際に現地に足を運び、こどもたちの呼吸器感染症の原因となる病原体や、重症化する要因について調査を行う中で、将来、感染症対応能力が脆弱な国や地域の役に立つような仕事をしてみたいと思うようになりました。
これまでにどのようなキャリアを歩んでこられましたか?
初期研修医・小児科専攻医として臨床現場で4年間働いた後、JICA感染症対策アドバイザーとしてザンビア国立衛生研究所で2年間活動しました。着任直後にザンビア国内の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が始まったため、派遣中はCOVID-19を主対象とした感染症流行への対応能力強化に取り組みました。現地の疫学技官と一緒に、医療施設・スラム・国境検疫所など、様々な場所でアウトブレイク調査・疫学情報分析を行いました。感染症流行地で働く緊張感や、限られた医療資源しかない中で感染症対策をする難しさなど多くの学びを得ました。帰国後は、小児科研修を継続しながら、国際緊急援助隊感染症対策チームや国際機関の研修に参加し、感染症対策に関する勉強を続けています。
現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?
現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?
臨床研修の中で学んだ知識や技術を用いて診療を行い、それが患者さんの体調の回復や不安の軽減につながった時には、大きなやりがいを感じます。病態や治療方法に関して時間をかけて調べたり、検査や処置の手技を繰り返し訓練することが、患者さんのよりよい臨床経過や負担の軽減に直結すると考えています。日々の診療の中で得た知識や経験は、海外の感染症対策の現場でも役に立っています。ザンビアでCOVID-19対策に従事していた際には、日本の医療を学んでいたからこそ、現地の医療背景や医療資源の限界を考慮し、実現可能性のある支援策の立案・検討を行うことができたと感じています。
今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。
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