海外の現場から国内の現場へ。

本木 梨砂さん

民間企業 株式会社エックス都市研究所 40代

  • 民間企業
  • 環境管理
  • キャリア年表

    大学学部生

    2000~2004年

    国内の大学で経済学を専攻。

    大学院生

    2004~2005年

    英国の大学院で環境管理を専攻。

    環境NPO

    2005~2006年

    国内の環境NPOでインターン、アルバイト。

    JICA海外協力隊

    2007~2009年

    サモアの廃棄物管理部門に配属され、最終処分場の管理とごみの環境教育に従事。

    民間企業

    2009年~現在

    株式会社エックス都市研究所海外環境事業本部7年、その後国内の廃棄物管理のコンサルティング部門に異動。

    海外業務で自分の知識や技術不足を痛感、現在は国内業務を通じて技術を習得。

    国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?

    小学校の時に緒方貞子さんが作成された途上国の写真集を見て、こういう人たちの生活を改善する仕事ができないかなと漠然と思い始めました。その後も、その気持ちは常にどこかにあり、大学を選ぶ際も(色々あって経済学部に入学しましたが)、途上国の経済を学べる大学を選択しました。その後、大学の卒論研究で、たまたま目にしたツバルという島国が、気候変動で100年後に海に沈むと解説された写真集を目にし、環境問題の分野での国際協力(当時は気候変動)に興味を持ち、当時、気候変動の研究が進んでいた英国の大学院に進学することに決めました。(英語能力の問題で、入学できた大学院では環境科学という分野で、気候変動は学べませんでしたが)

    これまでにどのようなキャリアを歩んでこられましたか?

    大学院を卒業後、国内の環境NPOでインターンとして働き、その後、たまたま従妹が持っていたJICA海外協力隊の説明資料を読んで、太平洋島しょ国の募集もあり、単純に行ってみたいと思い応募しました。派遣されたのは太平洋島しょ国のサモアで、ごみの最終処分場の維持管理と環境教育を担当しました。はじめての「ごみの仕事」は分からないことばかりでしたが、面白いと感じ、帰国後もこの分野の仕事をしたいと思い、株式会社エックス都市研究所に就職することになりました。入社後7年間は主にJICAの廃棄物管理のプロジェクトに携わり、その後、国内の廃棄物管理のコンサルティング部門に異動しました。

    現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?

    海外の業務では、主にJICAの技術協力プロジェクトに携わり、ドミニカ共和国、ミクロネシア連邦、パラオなどで廃棄物管理の能力強化のプロジェクトに参加しました。そこでは、処分場の建設・改善、ごみ収集の改善、リサイクルの改善など現地のごみ処理の改善を現地のカウンターパートと進めました。現在は、国内の廃棄物管理のコンサルタントとして、環境省、県、市町村、民間など幅広いクライアントの廃棄物に係る仕事をしています。具体的には、廃棄物関連の調査、計画の策定、事業のモニタリングなどを行っています。

    現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?

    海外業務のやりがいは、現場での作業活動が多く、ごみ収集でも処分場の改善でも、あんなに汚かった処分場や町が、みんなで協力することでこんなにきれいになったという改善が目に見えて分かることです。あの達成感はなかなか国内では味わえないものだと思います。一方国内業務は、海外業務と違い、クライアントからの様々な要望や依頼、また技術的に高度な質問が常にきます。そうした対応や、国の法律などに遵守した対応が常に求められています。こうしたクライアントとのやり取りの中で、いろいろ勉強をして、回答を導き出し、クライアントが満足して、それが最終的にその土地のごみの改善につながることにやりがいを感じます。

    今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。

    国内部に異動したのは、知識経験を付けたいということが一番大きな理由ですが、家族との時間ということもありました。現在、まだ子どもが小さいこともあり、海外業務にはすぐには戻れないと思っていますが、もう少し大きくなり、海外出張にもいけるようになったら、海外の業務に戻りたいという思いがあります。正直、海外業務やっぱり楽しいよな、と思うところもあります。それは、日本にはない考え方や価値観に触れることや、現地のカウンターパートと人間関係を作り上げることなどが、自分の人生において刺激でもあり、宝物になる経験だと思うからです。

    国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。

    私は知識も技術も経験もなく、海外業務からキャリアをはじめました。その中で自分の知識・技術不足を痛感し、日本の技術をしっかり習得してからまた海外業務に携わろうと思い、国内の事業部に異動しました。現在、もちろん指導を受けながらですが、ようやく自分で進められる仕事もできてきたかなという感じです。海外業務からはじめてそのまま海外業務に携わる人、国内から海外の業務に変更する人、様々でどれがよいかはその人によると思います。ただ、もし海外業務からはじめてその後ずっとそれに携わる場合、国内の情報や知識が欠如することがありますので、自分でそれを補う努力は必要にはなるかと思います。ぜひ、自分のやり方を見つけていただければと思います。

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