ソフト系コンサルタントとして携わる農業・農村開発。

志賀 あゆみさん

開発コンサルティング企業 株式会社三祐コンサルタンツ 30代

  • 開発コンサルティング企業 コンサルタント
  • 農業開発/農村開発
  • キャリア年表

    大学学部生

    2008~2012年

    国際学を専攻。

    大学院生

    2012~2014年

    農学研究科で国際開発学を専攻。

    開発コンサルタント

    2014~現在

    株式会社三祐コンサルタンツ国内事業本部において、日本における農業・農村整備事業の事業効果算定などの業務を担当。その後、海外事業本部に異動し、JICA有償・無償資金協力事業の協力準備調査などで主に環境社会配慮分野を担当。

    自分のやりたいこと、できることを仕事に活かす。

    国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?

    今から30年近く前になりますが、小学1年生で家族と初めて海外旅行でタイを訪れた時のことです。バンコクのマーケットを歩いていたところ、同年代の男の子が突然無言で私に向かって手を差し出してきました。身なりは綺麗とは言えず、また、彼の後ろには赤ちゃんを抱いた女性が疲れた様子で地べたに座っていました。その瞬間は差し出された手の意味を理解できませんでしたが、後に親から食べ物やお金を恵んでほしいという意味だったと聞き、彼のような生活をしている人たちがいることに大きな衝撃を受けました。それをきっかけに、国際協力という世界に徐々に興味を持つようになりました。

    これまでにどのようなキャリアを歩んでこられましたか?

    国際学部に進学後は開発経済学ゼミに所属し、大学が主催するバングラデシュでの海外研修や、ある財団が実施したバングラデシュのインフォーマル・セクターを対象とした社会経済調査にインターンとして参加しました。国際協力業界のなかでも特に開発コンサルタントを志望するようになりましたが、それには専門性を深めることが必要だと思うようになり、大学院へ進むことにしました。学部から農業・農村をフィールドにしていたため、大学院は農学研究科(国際開発学専攻)で、バングラデシュ南西部のエビ養殖農家に関する研究を行いました。その後、現在の株式会社三祐コンサルタンツに入社し国内事業本部に勤務、2年目で海外事業本部へ異動し現職に至ります。

    現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?

    主に、農業・農村開発に係るインフラ整備事業で環境社会配慮分野を担当しています。例えば灌漑開発事業の場合、農業用水路などのインフラを整備することで水源から安定的に灌漑用水を利用出来るようになり、生産性が向上するといった効果が見込まれます。しかし、それと同時に事業が環境や社会に負の影響を与えてしまう可能性も否定できません。負の影響を回避・最小化することを前提としつつ、事業特性や地域状況を踏まえて想定される影響の内容を調査・予測し、どのような緩和策が必要かを検討して事業のなかで適切に配慮がなされるよう計画に反映しています。私自身は特に、社会的な課題に取り組むことが多いです。

    現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?

    昔から大きな施設の設計を行うエンジニアの仕事に憧れを抱いていました。ただ、理系科目が苦手だったため私自身がエンジニアになることは難しいと早々に思ってしまっていたのですが、それならそういう人たちと一緒にできるソフト系の仕事をすれば良いということに気づき、現在の会社を選びました。今ではエンジニアの横で、計画した事業コンポーネントを実現するために必要な用地取得や住民移転、補償など、現場で起きる様々な社会的な課題に対応しています。相手国政府や地元住民の方々との議論・交渉では困難な場面も多くありますが、無事に事業化されたときに事業に関わる様々な人たちと喜びを共有できることにやりがいを感じています。

    今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。

    これまでは大・中規模の灌漑開発案件における環境社会配慮分野を中心とした業務経験を積んできましたが、直近では小規模灌漑開発案件に携わる機会を得て、事業の規模感、求められる成果・対応も全く異なることに同時に取り組んでいます。それぞれに異なる現場の面白さ、やりがいを感じていて、目まぐるしくも充実した日々を過ごしています。今後も様々な事業のスキームを通して自分自身の専門分野の大きな軸を確立していくとともに、派生して様々な分野、例えば農家の経営や組織化に直接関わるようなことにも挑戦したいと考えています。

    国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。

    私が学生として会社説明会に参加した際、先輩社員との懇談会で「仕事は大変だけど楽しいよ」と語っていた大先輩の姿がとても印象的でした。「実際には楽しさより大変なことが多いのでは…?」と思うことも正直ありますが、どの案件も最終的には大きな達成感をもって締めくくることができているので、大先輩の言っていたことは正しいと感じています。きっとどの業界にも通じることなのかもしれませんが、大変であっても自分が楽しめる仕事と思えるかどうかが大切なのではないでしょうか。PARTNERのようなWebサイトや業界情報誌、会社説明会などを通じて実際に働く人たちの声を聞き、ご自身にあてはめて事前にイメージしておくことをオススメします。

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