第2号 連載コラム 国際協力をライフワークに
私は、大学3年次終了後に1年間メキシコへ留学し、3月に日本に帰国してから就職活動に臨んだ。留学期間中に、国際協力を通じて開発途上国の貧困削減に貢献したいという気持ちが強まり、そのような仕事ができる場所を探した。
当時は国際協力に携わる非政府組織(NGO)は数えるほどで、組織の活動はたいてい無給のボランティアに支えられていたため、限られた選択肢の中から、日本の政府開発援助(ODA)実施機関を目指すことにした。
結果、残念ながら採用には至らず、就職先は、外資系の金融機関になった。外資系金融機関に就職した理由は、将来、国際機関で国際協力に携わる可能性を考え、英語力を向上させたいと思ったことと、金融の知識があれば、国際開発金融機関へのキャリアも開けるかも知れない、と考えたことによる。
就職後には、新人研修や実務指導の他、ビジネス英語や英文会計など、様々な学びの機会をいただき、就職後3年目には、社内の英文会計研修の講師を務められるほどになっていた。仕事が充実していた一方、終業後や休日には、学生時代から携わっていた国際協力NGOでボランティアを続けていた。特に就職後は、本業の知識を生かして会計を担当しており、このような「二足のわらじ」を続けていくのもいいかな、と考えていた。
しかしながら、このままではどちらも中途半端になってしまいそうな気がして、もう一度、国際協力のキャリアに挑戦したいと思い始めた。
そこで、国際協力について学べる大学院への進学を目指し、国際開発高等教育機構(FASID)の奨学金を得て大学院に進学し、修士号を取得した。そして、在学中に、国際公務員の登竜門とも言える、ジュニア・プロフェショナル・オフィサー(JPO)試験に合格し、現在まで、国際公務員として国際協力に携わっている。
今は、日々、開発課題に取り組みつつ、「今の職場を離れることになったら、どんな人生を送るだろう」と考えている。具体的なことはその状況に置かれてみないと分からないが、ひとつだけ確実に言えることは、「どこで、どのような人生を送ることになっても、これからも国際協力に携わっていきたい」ということである。
国連開発計画(UNDP) C.M
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