第4号 連載コラム 私のターニングポイント②「可能性が広がる海外協力隊」
私が、国際協力の道を歩む上でのターニングポイントの3つ目は海外協力隊への参加だ(※2つ目までは 前回のコラム を参照ください)。
大学2年次に初めてアフリカを訪れたことをきっかけに、「将来はアフリカで働く」と決意してからは、どうしたらアフリカで働けるか情報収集を行った。国際協力のキャリア情報誌である『国際協力ガイド(現・国際協力キャリアガイド)』を読んだり、アフリカを専門としている大学教授のもとを訪れるなどしたりした。
最終的には大学院進学をしようかと迷っていたのだが、大学教授から「田中くんは、まずは現場に行った方がいいよ」とのアドバイスをもらい、国際協力機構(JICA)が実施している海外協力隊(以下、協力隊)に挑戦することにした。
しかしながら、新卒で受験した結果は不合格。そこからは、社会で経験を積んでから再挑戦しようと決め、民間企業での営業や国連系NPOでのファンドレイジングの仕事に就き、社会人3年目で協力隊に合格することができた。
合格するまでは周囲に「国際協力」を志している友人がいなく、一人で目標に向かっていると心が折れそうなときもあったが、協力隊の募集説明会に行ったりしてモチベーションを維持していた。また、何より支えになったのはルワンダでの体験だった。
協力隊に合格するとそれぞれの国に派遣される前に、国内2か所にある訓練所のどちらかで、語学をはじめ開発途上国でボランティア活動するために必要なさまざまなことを学ぶ。そして何より、そこで「国際協力」の志を持った多くの同期と出会う。今まで一人で挑戦をつづけていた私にとって同期との出会いはかけがえのないもので、お互いの「国際協力」に対する思いを語り合えた時の喜びはひとしおであった。同期とは今でもよく連絡を取り合う仲である。
協力隊員としての現地での活動の話は長くなるので別の機会にでもしたい。ただ、現地の人々と共に生活をしながら活動を行えた2年間は、とても貴重な自身の財産になっている。
また、赴任国で既に国際協力の仕事に従事している国際機関、JICA、開発コンサルタント、NGO/NPOなど多くの方々に出会えたことで、国際協力の道を歩む可能性が一気に開けた気がした。実際、今の国際協力専門の出版社での仕事においても協力隊時代のつながりが大変役に立っている。
18歳の時に国際協力に夢を抱き、協力隊の任期を終えて帰国する28歳までの10年間、遠回りをしているようだったが、今の自分があるのもこれまでの経験があったからだ。
「国際協力」を志す後輩の方々には、諦めずに目標と期限を決めて挑戦しつづけてもらいたい。私もまだまだ自身の目標に向かって挑戦しつづける。
(株)国際開発ジャーナル社 田中 信行
毎週金曜日に配信している“PARTNERニュース”では、新着の求人・インターン情報/研修・イベント情報の受け取りの他にも、コラム掲載のお知らせもお届けしています。このコーナーでは、コラムの全文と過去アーカイブをお読みいただけます。
個人登録(「参加レベル登録」または「人材登録」)をして、是非、PARTNERニュースの購読をお願いします。