第17号 連載コラム キャリアプランはいらない!?

「はてさて・・・、困った。」

これは一般社団法人海外コンサルタンツ協会(ECFA)のご担当者から本コラムの執筆依頼があったときの正直な感想です。というのも、私は開発コンサルティング企業に在籍していますが、開発コンサルタントではないからです。従って、このサイトに訪れる人に対して、キャリアについて言えることはほとんどない、と言っても過言ではありません。
しかし、別の人に執筆を振ることもできたのに、こうして書いているのは、キャリアの作られ方について少し考えてみたいと思ったからです。

私自身いくつかの転職を経て現在に至っていますが、経営企画や財務経理などの管理部門の職務を長くやっている内に、いつのまにか人事や採用にも携わるようになってきています。その中で、将来のキャリアに悩んでいる人や実際に就職・転職活動をしている20代、30代のビジネスパーソンにたくさん出会ってきました。そんな彼らやこれまでの自分自身を振り返って考えてみると、次のようなことが言えるのではないかと思います。

自分の興味を惹かれることに素直になりつつ、固執せず、気楽にオープンでいること。

実は、これはスタンフォード大学のジョン・クランボルツ教授が提唱した「計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」を自分が理解し易いように言い換えてみたものです。「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。その偶然を計画的に設計して自分のキャリアをよりよくする」というのがその趣旨だそうです。
ここではこの理論について詳しく説明しませんが、初めてこの理論に接したとき、キャリアプランというものを相当の幅と気持ちの余裕を持って見ることができ、一種の清々しさを覚えたものです。
時代は変わるし、世の中が求めるスキルや知識も変わります。国際協力の分野でもこの流れは同じでしょう。また、仕事ができるようになるとその人自身も変わるし、新たな出会いや、機会が全く別のステージの扉を開くこともあります。

その時その時の興味関心に従ってプランを立て、行動しつつ、とはいえこだわり過ぎずに、目の前に回ってきた仕事を丁寧にやり、(企図していてもいつ訪れるか分からないという意味で)不意に訪れるチャンスに備え、失敗しても気楽に次の準備をする。分野を問わず、このようにしてキャリアは築かれて行くように思えてなりません。

※本コラムは、一般社団法人海外コンサルタンツ協会(ECFA)の協力をいただき、掲載しております。
一般社団法人海外コンサルタンツ協会(ECFA): http://www.ecfa.or.jp/japanese/index.html

某開発コンサルティング企業所属
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