第40号 PARTNERコラム国際機関で働こう!~国際公務員として働く方法~
今回のコラムでは、国際協力に携わる一つの選択肢として、国際機関で働く方法について紹介します。
国際機関で働くことの魅力は、それまでの経験が様々な形で活かせるところです。国際機関は欧米型の転職市場なので、数ヶ月~数年の雇用契約を重ね、昇進を目指していくものになります。その際に問われるのは、高い英語力と専門性に裏打ちされたキャリア戦略です。
専門性のベースとして、まずは専門分野の修士号と職歴が必須となります。専門分野は開発、人権、人道、難民、教育、保健医療、平和構築、環境、農業、食料、水産、建築、防災、緊急援助、都市計画、水衛生、原子力などのフィールド業務から、人事、財務、会計、監査、総務、調達、広報、IT、統計分析、法務、危機管理、ファンドレイジングなど実に多岐にわたります。したがって、必要な職歴を積む場も民間企業や国際協力NGOなど多様にあります。
国際機関に入る方法としては、主に以下3通りあります。
① 空席から入る
国際機関の最も基本的な就職方法になります。ポストが空くとその情報が国際機関のHPに掲載され、全国からの応募者が書類選考にかけられます。選ばれた5~10人ほどが面接に進み、1名が選考に残ります。面接はほとんどの場合、オンラインで実施されます。
② 外務省の実施するJPO(Junior Professional Officer)制度から入る
35歳までの若手日本人が応募できる制度。40ほどの対象機関に2年間派遣され、その後の空席獲得に重要となる経験と人脈を築くことができます。若手の志望者にはこの方法がおすすめです。
③ 各国際機関の若手登用制度から入る
国連事務局や世界銀行のヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)や、FAO駐日連絡事務所のジュニア・プロフェッショナル・プログラム(JPP)など各種あり、条件やハードルも機関によって異なります。詳しくは各機関のHPをご確認ください。
応募にあたっては、自分の専門性とポストのニーズが合致していること、これをアピールするための魅力的なカバーレターと履歴書(CV)が書けることが鍵となります。職歴の中で可能な限り数値化できる達成事項を書けることが望ましいです。面接の準備には、志望動機や職歴、自身のコンピテンシーを証明する達成事項などがアピールできるようメモを作り、友人・知人と練習するのも効果的ですね。
国際機関の仕事はタフですが、世界規模の課題に取り組むことへのやりがいや達成感を感じている職員はとても多いです。また、ワークライフバランスに配慮した柔軟な働き方ができるのも魅力の一つ。社会経験を積んでから初めて、国際機関を志したという方も多いので、ぜひそれぞれの立場から国際機関職員を目指していただきたいと思います。
外務省国際機関人事センターホームページ: https://www.mofa-irc.go.jp
外務省総合外交政策局人権人道課
課長補佐
中野美智子
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