第41号 PARTNERコラム「国際機関で働く」という選択肢~ケニアのJPOから~(その1)

【銀行・会計事務所の経験を活かして国際機関へ】

“アフリカで国際機関の職員として食料支援の仕事をする。”
東京で銀行員として働いていた頃は想像していなかった未来です。

大学時代から国際協力への関心が強かったものの、新卒では国際協力業界との縁はありませんでした。就職したのは都市銀行。国際協力業界から遠ざかったと当時は感じていましたが、結果的に財務の専門性を磨くことができました。その後、インドの地場会計事務所への転職、米国公認会計士試験合格、アメリカで国際ビジネスの修士号取得、JICA勤務を経てJPO試験に合格し、現在、国連WFP在ケニア東アフリカ地域事務所で予算担当官として勤務しています。

「遠回り道が結果的に近道になる。」
就職活動で悩んでいる大学生・大学院生の方々に送りたい言葉です。国際協力という大きな目標と情熱さえ失わなければ、あらゆる経験が糧となると強く感じています。

【WFPの食料支援@ケニアのダダーブ難民キャンプ】

今年、ケニア北東部にあるダダーブ難民キャンプでWFPの食料支援の現場視察の機会をいただきました。

難民向け食料現物支援、学校給食支援、職業訓練校や病院での食料支援など様々な現場を拝見させていただきましたが、一番印象に残っているのはモバイルマネーを通じた食料支援です。難民の方一人一人にSIMカードが渡され、WFPが毎月モバイルマネーを支給。難民の方々はマーケットに行き、野菜の店・キオスクなどで買いたい食料を購入します。お店で働いているのは難民の方々です。現地の雇用を産み、地域内経済を活性化させ、難民の方々が食べたい食料を購入できるこの新しい食料支援方法に非常に感銘を受けました。

このモバイルマネーを通じた食料支援は、新型コロナウィルスで多大な影響を受けています。国境封鎖などサプライチェーンに影響が出て、食料価格も高騰。同じ支援額で少ない食料しか入手できなくなる恐れがあります。そのほかにもコロナ禍の様々な影響に対してWFPは多くの対策を実施し、命を救う活動を続けています。(「その2」に続く)

ケニア・ダダーブ難民キャンプのマーケットにある野菜のお店。
ケニア・ダダーブ難民キャンプのマーケットにある野菜のお店。

【参考】

・国連WFP協会インタビュー記事・前編「数字に命を吹き込め~日本人職員に聞く~」
https://ja.news.wfp.org/20-16-c8d7f000432

・国連WFP協会インタビュー記事・後編「データ・ヒーローの喜び~日本人職員に聞く~」
https://ja.news.wfp.org/20-21-268ea2ebbecd

・「新型コロナと闘うWFP~ケニアでの視点」
https://ja.news.wfp.org/20-28-a8edede081c1

国連WFP在ケニア東アフリカ地域事務所
予算担当官(JPO)
田島大基

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