第48号 PARTNERコラムクロスフィールズの国際協力①:日本企業と新興国のNGOをつなぐ仕事、とは?

現在、NPO法人クロスフィールズのプロジェクトマネージャーとして働いています。クロスフィールズは「留職」という、企業の人材が現地で社会課題解決に挑むプログラムを展開しています。これは寄付などの直接的な支援ではなく、新興国で社会課題に取り組む団体に人材を派遣する、中間支援型の国際協力です。

わたし自身、高校時代から国際協力に関心がありました。新卒で小売業に就職後、JICAに転職。本部とエジプト事務所にて計5年間勤務しました。帰国後は開発コンサルタントを経てクロスフィールズへ転職しました。ここで働きたいと思った理由は、持続的な国際協力のあり方を模索したかったからです。社会課題の解決には、どんな国や地域でも企業やNPOなどあらゆるセクターの「協働」が必要です。クロスフィールズにはこの協働の仕組みをつくる大きな可能性があると感じたんです。

クロスフィールズ プロジェクト・マネージャー 西川紗祐未
クロスフィールズ プロジェクト・マネージャー 西川紗祐未

クロスフィールズのプロジェクトマネージャーが留職事業で担う役割は、プログラム参加者(以下:留職者)を受け入れる新興国の団体とのコンタクトや、留職者と受け入れ団体のマッチング、プログラム開始後の現地同行などすべてです。
留職プログラムは、日本と新興国どちらにもメリットがある、双方向的な国際協力を目指しています。新興国の団体にとっては留職者が現地で貢献することが団体活動の加速につながる、というメリットがあります。一方、日本企業にとっては人材育成につながります。派遣社員が新興国で社会課題に向き合う経験を通じて、ビジネスで社会課題を解決する感覚をもったリーダーを育成できるからです。

現地貢献も人材育成も、留職者が最大限の力を発揮できなければ実現できません。そのため、カギとなるのは留職者がもつスキルや留職に参加する目的と、それを必要とする団体とをうまくつなぎ合わせること。わたしが特にこだわる仕事のひとつであり、双方にとって理想的なマッチングが成立したときは非常にやりがいを感じます。

ある案件では留職者のもつスキルが非常に特殊で、それを活かせる団体が既存の派遣先リストにありませんでした。そこで私は現地・ラオスへ飛び、ゼロから団体を探し出すことに。実際に会うまでどんな相手かわからないうえ、決まらないと予定通りの派遣に間に合わないというプレッシャーのなかでの出張でしたが、幸運にも留職者のスキルを必要としている団体に出会うことができました。そして派遣中は留職者が自らのスキルを存分に発揮し、受け入れ先団体は彼の貢献を高く評価してくれました。これが私たちの目指す国際協力の形であり、ひとつの理想型です。

ラオスのパートナー団体・Xao Ban(サオバン)の代表(写真右)と筆者(写真中央)
ラオスのパートナー団体・Xao Ban(サオバン)の代表(写真右)と筆者(写真中央)

クロスフィールズについてはこちら: http://crossfields.jp/

NPO法人 クロスフィールズ
西川紗祐未

毎週金曜日に配信している“PARTNERニュース”では、新着の求人・インターン情報/研修・イベント情報の受け取りの他にも、コラム掲載のお知らせもお届けしています。このコーナーでは、コラムの全文と過去アーカイブをお読みいただけます。

個人登録(「参加レベル登録」または「人材登録」)をして、是非、PARTNERニュースの購読をお願いします。