第53号 PARTNERコラム 連載コラムJICA Innovation Quest~共創から生まれる新しい国際協力~ 「ジャイクエ2020、はじまりました」(第3回)
「世界を知ることはできても、世界を変えることができない」
小学生のころテレビで見た途上国の子どもが忘れられず、大学時代は開発関係の勉強をしたり、現地を訪れたりしている中でふと思った言葉です。色々勉強をして現地を知ることはできても、変えることはできない。私一人の力では世界の課題は大きすぎて、何も変えられないのでは、と思いました。
「いつか、世界を変える力になる」
就職活動の時に、JICAの新卒採用ページに載っていた言葉です。そうだ、日本のODAという大きな資金を利用して、セクター横断的かつ現地に寄り添った協力ができれば、世界を変えることができるかもしれない。政策部分から途上国と共に協議し、より良い未来の実現に向けて走っていけるJICAに入構すれば、私もいつか世界を変える力になれるかもしれない、と思いました。
「ODAの力で、世界を変える」
JICAで行った案件が、実際に様々な人の生活を変えていくのを目の当たりにしました。研修で3ヵ月赴任したインドでは、ODAによるメトロ整備によって、今まで貧困により行動範囲や就業機会が狭められていた人々が、安価なメトロに乗って通勤することができるようになった事例を見て感動しました。現在担当しているザンビアでは、長年の教育分野での協力により先生たちの授業に臨む様子が変わり、それに伴い生徒の学習への姿勢も変わっていきました。
「ODAだけでは、世界を変えることはできない」
一方で、疑問も絶えませんでした。どうして、こんなに良い協力をたくさんしているのに、世界から貧困は消えないのだろう?どうして、JICAはこんなに長い間あり続けるのだろう?ある日「SDGsの達成には年間7兆ドルかかる」という推計を目にして、日本のODAでどの程度カバーできるのだろう、と円グラフを書いてみました。世界を変えるために必要となる膨大な資金ニーズの前では、あれほど大きいと思っていた日本のODAでも賄えるのは本当に、本当にごくわずかでした。
「みんなで、世界を変える力になる」
入構した当時の自分に言いたいことは、「世界を変える力になるのは、JICAだけの特権じゃない」ということです。むしろ、それだけでは巨大で、複雑で、途方に暮れるような世界の課題には太刀打ちできません。必要なのは「みんなで、世界を変える力になる」ということ。強い情熱や素晴らしい技術を持つ人々と共に、今までのやり方では解決できなかった課題を解決していくために、ワクワクしながら立ち上がる。そんなことができれば、世界も変えられるのではないでしょうか。
私にとって、その疑問の解の一つが、JICA Innovation Questです。国際協力において、共創と革新を目指した取り組み。是非、以下のリンクからチェックしてみてください。3月7日(日)のファイナルプレゼンテーションは一般公開も予定しています!
JICA Innovation Quest ホームページ: https://www.jica.go.jp/aboutoda/sdgs/jiq/index.html
国際協力機構
アフリカ部アフリカ第三課/企画部イノベーション・SDGs推進室
JICA Innovation Quest運営事務局
金田瑞希
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