第55号 PARTNERコラム 私のキャリアパスのターニングポイントを振り返る
私は、READYFOR株式会社というクラウドファンディングサービスの提供会社で働いています。振り返ると、国際協力と出会った2012年と、READYFORに関わり始めた2015年が私のターニングポイントでした。
2012年、私が大学2回生になる年に、JICA海外協力隊技術顧問を務める藤掛洋子教授が横浜国立大学に着任されました。そこで、途上国支援に対する教授のエネルギーに強く影響され、国際協力活動への関心が一気に高まりました。それから、教授が代表を務めるNPOが国際協力のサイトを提供していたこともあり、大学のショートビジットプログラムに参加し、国際協力を体感しました。また、海外協力隊(短期)派遣にも挑戦し、微力ながらも国際協力の現場で活動することができました。
私が途上国へもたらしたものより、自身が学ばせていただいたことの方が多かったのですが、今振り返っても、国際協力への取り組み方を形成してくれたのは、教授との出会いと、大学での国際協力活動だと思っています。
次のターニングポイントは、協力隊から帰国した翌年の2015年。「途上国の児童に対する表象の暴力」というテーマで研究するために大学院へ進学しました。「途上国の児童が写真を撮られ、その写真が貧困を助長するような活用をされることで肖像権が侵害されている」という仮説のもと、論文執筆に励んでいましたが自身の中で「正しい」答えが出せなくなり、この研究テーマを諦めることに。研究テーマで頭を悩ませていた頃に、ゼミの友人から誘ってもらって参加したのが、今のREADYFORでした。
当時は丁度、ODA大綱の見直しやSDGsなどさまざまなトピックが飛び交っていたことも相まって、「資金調達」が一種のホットイシューでした。草の根の国際協力活動団体に新たな形でお金が流れる仕組みであるクラウドファンディングも注目され始め、民から民への「意志のある選択」というスキームに、感銘を受けたのを覚えています。READYFORに関わり始めたのが、私にとっての2回目のターニングポイントでした。
それから結局仕事に熱中してしまい、研究テーマはクラウドファンディングに変わり、院の修了は、2019年の秋まで延びました(苦笑)。
今は、クラウドファンディングを通じ、国際協力の最前線で活躍するプロフェッショナルの方々と仕事をさせていただくようになり、日々やりがいに溢れています。ここまで自分に多くのものを教えてくれた国際協力の世界に恩返しがしたい、その秘めたる思いがモチベーションとなり、ハードな日もありますが、日々の業務に邁進しています。
この先も、国際協力の業界、草の根の団体に、よりたくさんの、温かい資金循環がなされていくよう、引き続き後押しできればと考えています。
READYFOR株式会社
キュレーター事業部 Social部門
徳永健人
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