第75号 PARTNERコラムJICAインターン インタビュー③「経済開発部編」

*本コラムは、JICA経済開発部 農村開発第一グループ第二チーム インターン白川天悠さん(帯広畜産大学大学院 畜産学研究科 畜産科学専攻 家畜生産科学コース 修士1年)へのインタビューをまとめたものです。

1.国際協力に関心を持ったきっかけは何ですか?

私が高校生の時に、兄がJICA海外協力隊としてカメルーンで活動していました。その際に、兄が現地で暮らす子どもたちの写真を私に送ってくれました。そこに写る子どもたちの服装や環境から、彼らは決して裕福とは言えないように感じました。しかし、彼らが今でも頭に残るような素晴らしい笑顔だったことに衝撃を受けました。それ以降、「このような子どもの笑顔を絶やしてはいけない。私自身も途上国でこのような笑顔を生み出したい」と思うようになり、国際協力に興味を抱きました。

2.大学の学部及び専攻を選ぶ際に、どのような考えで選択されましたか。

「自分のやりたいことで途上国に貢献しよう」という思いをずっと持っていました。兄の影響で国際協力への興味を抱く以前に、私はもともと理系学部を志望しており、中でも動物を扱う研究がしたいと考えていました。同時に途上国では農業のような一次産業に従事する人が多く、国の発展に寄与するためには一次産業の発達が重要であると考えました。そこで自分のやりたい研究と、その専門性を極めた上で、何かしら途上国に貢献できる道を模索した結果、現在所属する大学と学部に出逢い、農業分野でも特に動物を専門に扱うことができる畜産を学んでいます。

3.JICAインターンシップに応募したきっかけとインターンを通じて今後のキャリア形成に役立ったことを教えてください。

2020年2月末から約1ヶ月間、私は所属大学とJICAの連携事業の一環で、海外協力隊短期隊員としてパラグアイでボランティア活動を行いました。活動中は小規模酪農家への訪問調査やそのフィードバックなどを行い、「現場での国際協力」を経験しました。そこで今度は現場での活動に繋がる「JICA本部での国際協力」に携わることで、途上国が抱える課題を幅広い視点で見つめ、現場経験を活かして現地の人のニーズや生活環境に適した持続可能な開発を考察したいと考え、インターンに応募しました。
このインターンを通して、国際協力は現場で活動する人以外にも多くの人が携わり成り立っていること、現場目線でプロジェクトを包括的に管理することの重要性、国際協力のあり方などを学び、幅広い視点で国際協力を考えることができました。また、改めて国際協力のやりがいを感じたことで、「子どもたちの笑顔を絶やさない」という自身が国際協力に携わる当初の意義と目的を再確認することができました。

インターン中、経済開発部農業農村第一グループ第二チームのメンバーと
インターン中、経済開発部農業農村第一グループ第二チームのメンバーと

4.国際協力を志す学生や同世代の方へのアドバイスをお願いします。

まずは気軽に海外へ足を運んでみて、「日本との違い」を肌で感じてみてください。言葉や文化や服装が、日本とはまったく違うことに驚くと思います。そしてそうした「違い」が面白いと感じたならば、現地で暮らす人の声に耳を傾けてみてください。途上国での暮らしでどんな苦労や不安があるのかを知って、「自分もそのような国の人たちのために何かしたい」と思ったなら、その思いを形にする手段として国際協力に携わる職がたくさんあります。そして途上国を知るための1歩目として、ぜひJICA海外協力隊に応募してみてください。

JICA海外協力隊短期隊員としてパラグアイに派遣された際の写真
JICA海外協力隊短期隊員としてパラグアイに派遣された際の写真

JICA人事部開発協力人材室 インターン
若山空也

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