第106号 PARTNERコラム飢餓・貧困削減に使命感を持って進んだ国際協力への道
私の国際協力への道は、小学校低学年の頃、父親と一緒にテレビでドキュメンタリー番組を観たことから始まりました。サハラ砂漠で4、5歳の少女が裸で食糧を求めて這いつくばっている場面が衝撃的で脳裏に焼き付きました。その映像を見た私は、「なぜ彼女はこんな状況にあるのだろうか?」「もし私が彼女と同じ環境に生まれていたら、私も同じ運命をたどっていただろうか?」という疑問と悲しみが深く心に広がりました。その衝撃的な映像は、私の生活とはかけ離れた現実でした。それ以来、私は「格差」と「南北問題」に興味を持つようになり、「経済的に豊かであること」と「選択肢があること」の関係に気づきました。そして、自分には選択肢があり、飢餓や貧困で苦しむ人々を支援する道を選び、使命感を持って進んできました。
途上国の開発や人道支援には多くの方法がありますが、私は体力があるうちは途上国の現場で活動し、その後は教育に関わり、私が経験し学んできたことをできるだけ多くの人に伝え、間接的に国際協力に貢献したいと考えています。
これまで、JICA海外協力隊やバックパッカーとして各国でボランティア活動を行い、大使館、一般企業、NGO、ソーシャルビジネスの起業などの経験を経て、現在は国連世界食糧計画(WFP)で働いています。国際協力は、国連のようにマクロな視点で大規模なプロジェクトを実施するのか、それともソーシャルビジネスのようにミクロな視点で、規模は小さいが、確実に貧困から脱出させるまでのプロジェクトを実施するのか、様々な関わり方があります。正解はなく、私の軸は飢餓と貧困の撲滅に貢献することであり、様々な場所に身を置きながら、より自分に適した方法を模索しています。
長い道のりである国際協力の旅は、私にとって使命感に満ちたものです。サハラ砂漠の少女のような存在を思い浮かべる度に、私の努力は彼女を含む多くの人々に希望をもたらす可能性があると信じています。今後も絶えず学び、経験を積み重ねて、より効果的な国際協力に取り組んでいきます。世界には、格差や不平等が依然として存在しています。また、飢餓・貧困の問題は複雑で根深いものです。私は自分ができる範囲で飢餓と貧困の撲滅に向けた取り組みを続け、少しでもこの差を縮めることに貢献したいと考えています。
国連世界食糧計画(WFP)
マルチカントリーオフィス・パシフィック事務所
三橋 利佳
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