第121号 PARTNERコラム
共創は国境を越えて~ドミニカ共和国で見た国際協力のリアル~(JICAインターン)

JICAインターン 畑中 遥さん 社会人修士1年生
・インターン活動先紹介
配属先: JICAドミニカ共和国事務所
活動期間:2024/8/3~9/17
テーマ: 新規事業「Artist in Project」、「環境KIDS Expert」に係る実施支援

国際協力に関心を持ったきっかけは何ですか?

2010年頃、教育大学で学んでいた時、卒業した先輩が海外協力隊としてエクアドルに派遣され、やや不安を感じながらも現地に活動を見に行きました。
日本に比べるとプリミティブな生活、言葉は分からなくても感じる人の優しさ、何もかもが衝撃でした。
スペイン語を操り、自分の持つスキルを用いてエクアドルの子ども達に慕われる先輩の姿と、滞在中に知り合った他の協力隊の方々との交流を通して「JICAに関わる人は、面白いなぁ」と感じたことが国際協力に興味を持ったきっかけです。
大学を出て働きながらも「JICA」の名を追って、時々協力隊の応募説明会に参加していました。そして社会人7年目で自分も挑戦してみようと協力隊に応募し、2018年にパラグアイに行くことになったのです。


学生時代、JICA海外協力隊となった先輩を訪ねてエクアドルへ

学生時代、JICA海外協力隊となった先輩を訪ねてエクアドルへ

現在の大学の学部及び専攻を選ぶ際に、どのような考えで選択されましたか?

コロナ禍の影響で、協力隊として活動していたパラグアイから緊急帰国となりました。
国内で活動終了を迎えて「次はどうしようか」と考えていた時、「体験談をオンラインで話してみないか」とJICA関西にオファーをいただきました。
それがきっかけで、自分の体験を活かしてもっと社会還元していきたいという思いが芽生え、JICA国際協力推進員になりました。
推進員として多くの国内で活躍する協力隊経験者と知り合い、中には起業して派遣国に貢献し続けている人もいて、憧れを抱きました。
そんな時、JICAからのメールで「社会起業家プログラム」があることを知りました。英語で学べる環境にも興味を持ち、現在所属する国際大学の国際経営学部・国際社会起業家プログラムへの入学を決めました。


世界中からの留学生とグループワークで宿題に取り組む様子

世界中からの留学生とグループワークで宿題に取り組む様子

JICAインターンシップに応募したきっかけと実際に参加して心に残った出来事は何ですか?

海外から日本に学びにやってくる「研修員」の存在は知っていましたが、インターンシップの中で彼らが自国に帰ってからの活躍を見られたことが嬉しかったです。
「日本で、こんなことに感動した」、「日本で先生が教えてくれたことを地元の人にも伝えたい」と言う熱い思いや、彼らの活動を実際に見ることができ、「研修員さんの経験は国を超え、時を超えて国造りに繋がっていく」と感動しました。
もう一つ、JICA職員などの日本人スタッフと、ドミニカ共和国人のスタッフとが、綿密なコミュニケーションで互いを支え合って事業を進めていたことに感動しました。


帰国研修員の方がリーダーとなって企画したセミナーを視察に

帰国研修員の方がリーダーとなって企画したセミナーを視察に

インターン活動の中で動画を作成されたと聞きました。どのような動画なのでしょうか?

ドミニカ共和国事務所で過ごす中で「みんな、カッコいいなぁ!」と思ったことが動画作成に至ったきっかけです。
英語とスペイン語が飛び交う場面、組織外の関係者とも、和気あいあいと関係性を築いているかと思えば会議などでは、鋭い視点で協議事項に切り込みを入れる場面もあり、日本から遠く離れた地で、知力・体力・人間力を駆使して働く皆さんの姿を、日本の人たちにも知ってほしい!と思ったんです。
撮り始めると、カメラワークの技術と経験、思い切って被写体に近づく勇気等、自分の至らない点を思い知らされ、落ち込みました。ですが、「この動画で何を伝えたいのか」という原点に戻り、周りの人からのアドバイスもたくさん受けて、愛を込めた動画ができました。

■作成した動画はこちらからご覧ください!


ドミニカ共和国における廃棄物の最終処理場を見学に

ドミニカ共和国における廃棄物の最終処理場を見学に

今後のキャリアを考える上でインターンの経験をどのように活かせそうですか?

JICA事務所の中でも職員、企画調査員、ボランティア調整員など、立場によって多様な役割と動き方があるということをインターンを通して感じました。
また、その国のプロジェクトが国別開発方針による統一性の中で進められていること、世界の潮流を現場に反映させる具体的な取組みなどを、スタッフの皆さんに直接話を聞いたり資料を参照させていただいたりして、全体的なイメージを自分なりに掴むことができました。
今後は、他言語を使って、文化の狭間という刺激的な環境に身を置き続け、若い人が生きやすい社会をつくるために貢献したいといった自分の願いと特性を踏まえ、マッチするポジションを探していきたいです。


動画づくりを口実に、皆さんに仕事のお話を聞けたことが一番の収穫

動画づくりを口実に、皆さんに仕事のお話を聞けたことが一番の収穫


国際協力を志す学生や同世代の方へメッセージをお願いします!

高校卒業後は、教育大学に進学したことからも分かるように、特に「国際協力の道を目指そう」という考えはありませんでした。
しかし、進路選択の節目に直面する度、「人生で、本当にしたいことは?」と自分に問うて「若い人を支える働きをする」という軸、そして「ワクワクする方に進む」というモットーのようなものを選択基準にしてきました。後悔したくない、と言う思いから協力隊に応募し、それがきっかけで国際協力の世界にハマりました。
あなた自身の人生の「シンプルな軸」や「大切にしたい価値観」を徐々にハッキリさせていくことに加え、「何を信じて・何をして・誰と」生きるのかを考えていくと自分らしい道が開けるのではないでしょうか。


Artist in Projectの一環でダンスを披露。国際協力の楽しさも改めて実感。

Artist in Projectの一環でダンスを披露。
国際協力の楽しさも改めて実感


国際大学 国際経営学部・国際社会起業家プログラム
畑中 遥

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