第124号 PARTNERコラム
国際協力のプレイヤーになる第一歩~専門分野「統計学」を活かした国際協力~(JICAインターン)
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国際協力に関心を持ったきっかけは何ですか?
私が中学生の時、JICA海外協力隊の経験がある先生にお世話になりました。この先生との出会いをきっかけに、自分から貧困などのテーマに意識的に触れるようになった記憶があります。
ただ、高校生の頃まで、「貧困は無くしたいが、それは夢物語だ」という感覚がどこかにありました。今思えば、国際協力の傍観者のような立場だったと思います。
しかし、大学に入学し、実際に途上国でプロジェクトを行う教授から開発経済学を学んだことで、途上国での課題解決に可能性を感じました。
また、自分の人生をかけて取り組みたい課題だ、という想いも生まれ、現在は「国際協力のプレイヤーになりたい」という軸で就職活動をしています。
現在の大学の学部及び専攻を選ぶ際に、どのような考えで選択されましたか?
現在学んでいるのは主に統計学と開発経済学です。もともと、数学好きの文系だったこともあり、人の社会活動を数的に理解したいと考え、経済学部を志望していました。
入学後は、まさに社会現象を数字で解き明かす手段の一つである統計学に面白さを感じ、統計学のゼミに所属しました。
一方、開発経済学との出会いは偶然でした。私の大学では、1年次に学部に関係なく興味のある科目を幅広く履修する制度があります。そこで、途上国の課題についてロジカルに研究する開発経済学という学問の存在を知りました。
開発「経済」学という名前ですが、私の大学では農学部に開発経済学の専門学科があるため、他学部履修制度を使って受講しています。
JICAインターンシップに応募したきっかけと実際に参加して心に残った出来事は何ですか?
インターンシップでは、JICA関係者の健康管理データの分析に従事しました。応募のきっかけは二つありました。
一点目は、就職活動をする中で、国際協力を仕事にすることの解像度を高めたいと考えたからです。二点目は、ゼミでは統計学の理論的な学習が主であるため、データ分析の実務経験を積みたいと考えたからです。
実際の業務では、分析結果について職員の方々と意見交換をさせていただいた際、健康面だけでない深く幅広い知識に圧倒され、国際協力というフィールドの多様さを強く実感しました。
また、限られたデータや時間の中で、いかに成果を上げるかということを試行錯誤できたのも非常に良い経験だったと感じています。
今後のキャリアを考える上でインターンの経験をどのように活かせそうですか?
インターンシップでの経験を通して、どのような形で国際協力に携わるのか、選択肢が増えたと感じています。
今回の活動内容が、データ分析というJICAのバックオフィス的な業務であったように、途上国で活動することだけが国際協力ではありません。
また、活動期間中は、キャリアに関して他部署の方と面談の機会を設けていただき、自分の関心がある地域・事業について理解を深めることもできました。
私は現在就職活動中なので、JICAの一員として活動した経験や、それを経て考えること・将来のイメージなどは、自分だけの武器になるのではと思います。
国際協力を志す学生や同世代の方へメッセージをお願いします!
私は、大学生になるまで開発経済学を知りませんでしたし、途上国経験があるわけでもありませんでした。
また、今回のインターンシップの本ポストの募集には「理系の方におすすめ」と記載があり、私は文系なので不安を感じながら選考を受けたことを覚えています。
何かを始めるとき、不安はつきものなのだと思います。でも、なぜそのことに興味があるのか?やりたいと思うのか?を自分に問うてみると、その答えは自分の中にあるのではないかと思います。
最初は小さなきっかけに思えるかもしれませんが、一歩踏み出してみてください。行動するうちに自信がつき、小さな一歩も、気づくと自分を支えてくれる行動指針になってくれると思います。
私もまだまだ模索中です。一緒に頑張りましょう!
北海道大学 経済学部経済学科
竹内 凜
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