第140号 PARTNERコラム
農業の学びを国際協力の現場へ
~インドネシア洪水対策プロジェクトの経験~(JICAインターン)

JICAインターン 岩田 知起さん 修士1年生
・インターン活動先紹介
配属先:八千代エンジニヤリング(株)/インドネシア
活動期間:2025/8/20~9/19
テーマ:<インドネシア/東南アジア> 洪水制御セクター・ローン(フェーズ2)

国際協力に関心を持ったきっかけは何ですか?

大学3年生の時に、開発コンサルタントの方からお話を聞く機会がありました。自分の学習している内容が世界で必要とされていることに気付きとてもワクワクしたことを覚えています。
また、2025年3月にインドシナ半島にある6ヶ国を周遊しました。その際、インフラや防災施設の未整備、環境汚染の実態を目の当たりにしました。
特に、ミャンマーで地震が発生した際はタイに滞在しており、現地での動揺から防災への課題を強く感じました。
どこの国に住んでいても安心して暮らせるインフラや安定した食料生産を行うことのできる生産基盤を構築することが重要であり、そこに今まで学習してきたことを活かせることが魅力的に感じました。


ジャカルタのオフィスでローカルスタッフと昼食

ジャカルタのオフィスでローカルスタッフと昼食

大学の学部及び専攻を選ぶ際に、どのような考えで選択されましたか?

私は農学部に進学し、農地や環境、スマート農業などについて専門的に学習してきました。
受験の直前までは全く別の進路を考えていましたが、人間の生活に必要な衣食住すべてに関わる学びができると考えて農学部への進学を決めました。
結果的に非常に興味のある分野に出会うことができ、大学院に進学をして現在も研究を進めています。開発協力の現場では、それぞれの状況に合わせて柔軟に解決策を見つけることが必要だと考えます。
一見自分の関心と全く異なるようなことであったとしても後々役に立つことは多くあるので、分野にとらわれることなく学びを深めることで選択肢の幅を広げたいと考えています。

JICAインターンシップに応募したきっかけと実際に参加して心に残った出来事は何ですか?

今回、インドネシア西スマトラ州パダンでの洪水対策プロジェクトに参加させていただきました。
東南アジアの国々の大都市を訪問したことはあっても、地方へ行ったことはなく国際協力が最も必要とされるであろう場所を自分の目で確かめられることにとても興味を持ちました。
パダンの現地踏査では、河川の現在の災害状況やどのように改修していくのかを専門家の話を直接聞きながら学習し、教科書で習った国際協力の姿を実際に感じることができ、とても印象に残っています。
ジャカルタのオフィスでは、ローカルスタッフと昼食を一緒に食べながらおすすめの観光地やお土産を教えてもらい、国境を超えた人と人の交流の重要性も改めて感じました。


パダンでの現地踏査

パダンでの現地踏査

今後のキャリアを考える上でインターンの経験をどのように活かせそうですか?

国際協力について非常に高い解像度で理解できました。漠然と専門性を活かして世界で働きたいと考えていましたが、インターンを通して具体的にどのように関わりたいのかが明確になったと思います。
また、開発コンサルタントという仕事のおもしろさにもたくさん気づけました。業務の幅が広いことに加えて、行っている事業の規模や社会へのインパクトが非常に大きく、その公共性やスケール感に大変魅力を感じました。
またインターンで得た知識で、河川やダムを見学する際により深く理解できるようになり、専門性も高まりました。今回得られた知識や経験を糧に、世界の課題解決に貢献できる人材となれるよう努めていきたいと思います。


ジャカルタの地下排水路を視察

ジャカルタの地下排水路を視察

国際協力を志す学生や同世代の方へメッセージをお願いします!

開発途上国と聞いて思い浮かべる様子は様々だと思います。インフラが全く整っていない国もあれば、高速鉄道が走っている国もあります。
開発が進んだ国では、自国の負担でより大規模なインフラの構築を行っています。実際、今回は有償資金協力という形でインドネシア政府が発注したプロジェクトです。
国際協力は最低限の生活を支援する段階からより豊かで安全な生活を支える役割に変化し、求められるニーズも多様化しているのではないでしょうか。
国際協力に参加できる人は限られた人だけではなく、むしろそれぞれの経験や知識が大きく役立つと考えます。少しでも興味がある方には海外へ飛び出し、自分なりの関わり方を探してほしいと思います。


現地政府・JICA・開発コンサルの関係者との集合写真

現地政府・JICA・開発コンサルの関係者との集合写真


鹿児島大学大学院 農林水産学研究科環境フィールド科学専攻
岩田 知起

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