第150号 PARTNERコラム
国際協力のカタチは一つじゃない!日本発のスポーツ「スポGOMI」で世界を一つに (後編)
「スポGOMI」と出会うまでの経験をご紹介した前編はこちら
「ごみが宝物に見える」——私を変えた、日本発のスポーツ
3人1組のチームが、制限時間内に定められたエリアでごみを拾い、その質と量でポイントを競い合う。
このスポGOMIに出会った瞬間、私の中で革命が起きました。
それまでの人生で、普段から自主的にごみ拾いをするようなタイプでは決してありませんでした。
しかし、スポGOMIのルールに則って動き出した瞬間、視界が一変したのです。路地裏に落ちているペットボトルやタバコの吸い殻が、まるでゲームの「宝物」のように見えてくる。ごみを拾うのが、理屈抜きで楽しくて仕方がない。
渋谷駅前でごみを拾うチュニジアチーム
「ごみを拾うことで、自分自身の心がこんなにもワクワクして、変わっていくなんて……」
この心の変化こそが、スポGOMIの本質でした。自分自身の変化を体験して、これは絶対に世界に広めたい。
その熱意と、これまで積み上げてきた「コスプレ×ごみ拾い」の実績が、大きなチャンスを手繰り寄せます。
スポGOMIを発案し運営していたソーシャルスポーツイニシアチブ代表の馬見塚健一氏と、同氏の活動を支援していた日本財団から、「スポGOMIワールドカップを一緒に創らないか?」と声を掛けていただいたのです。
こうして私は、初開催のスポGOMIワールドカップの全体コーディネーターという大役を任せていただくことになりました。
21カ国の情熱が、日本の地で一つになった圧巻の景色
とはいえ、第1回スポGOMIワールドカップの舞台裏は、まさにカオスでした。
参加国は世界21カ国。そのほとんどが「スポGOMI」なんて聞いたことも見たこともない国々です。
「なぜごみを拾うのがスポーツなんだ?」というルールの説明から始まり、価値観も文化も違う国々の代表たちを巻き込み、一つの国際大会を創り上げるプロセスは、毎日がトラブルの連続でした。
しかし、大会当日。21カ国の代表が一堂に日本の会場に集まったあの光景を、私は一生忘れません。
言語も肌の色も違う人々がお揃いのユニフォームをまとい、真剣な眼差しで、日本の街のごみを血眼になって探している。
そして競技が終われば、お互いの健闘を称え合い、国境を越えて笑顔でハイタッチを交わしている。
その圧巻の景色を目の当たりにしたとき、全身に鳥肌が立ちました。
「ああ、私は今、あの悶々としていた会社員時代に夢見た『日本人だからこそできる、世界と繋がる仕事』の真ん中に立っている」 胸の奥から、言葉にならない感動が突き上げてきました。
2023年大会2位の雪辱を果たし優勝に輝いた日本チーム
2027年、さらなる熱狂へ。足元にある「日本のアタリマエ」を世界へ
現在、2027年に開催予定の「日本財団スポGOMIワールドカップ2027」に向けて、すでに次なる一歩を踏み出しています。参加国数は増えて30数カ国。
この日本発の美しいスポーツを、世界のスタンダードにするために、今まさに世界中とネゴシエーションを続けています。
かつて二十歳で世界を回り、自分の無知さに焦り、何がやりたいか分からずに悶々としていたあの頃の自分に、今なら大声で言ってあげたい。
世界と繋がる仕事、そして「国際協力」のカタチは、決して一つではありません。
最初は偶然任された「仕事」だったとしても、そこに本気で向き合った先で、自分自身が変わり、やがて世界をも変える大きなうねりになる。
もし今、何かに悶々としているなら、あなたの足元にある「日本のアタリマエ」を見つめ直してみてください。
そこにはきっと、世界を驚かせ、あなた自身の人生をも変えてしまう宝物が転がっているはずです。
日本財団スポGOMIワールドカップ2025 FINALの写真
株式会社EEYAN
武鑓 恭平