第153号 PARTNERコラム
会社を休職してザンビアへ!JICA海外協力隊として過ごした半年間(前編)

2025年5月、私は長年の目標、そして憧れだったJICA海外協力隊としてアフリカ・ザンビアに出発しました。
派遣期間は半年間。短期隊員としての参加です。

協力隊参加前はITコンサルティング企業で仕事をしていました。
派遣される半年間は、会社のボランティア休職制度を利用し、退職せずに協力隊に参加しました。
私自身、協力隊への参加を決めるまでは会社にボランティア休職の制度があることも知らず、退職することも考えていました。
しかし、会社に籍を置いたまま参加ができたことで、帰国後も働き先があるという安心感の中で協力隊に参加することができました。

ザンビアで過ごした半年間は、これ以上ない!と自信を持って言える、とても貴重な時間になりました。
今回のコラムでは、ザンビアでの活動と、ザンビアでの日常をコラム形式でお伝えしたいと思います!


ザンビアの名所ビクトリアフォールズ。乾季のため水が少ないです

ザンビアの名所ビクトリアフォールズ。乾季のため水が少ないです

活動先は首都からバスで8時間、800人を超える生徒が通う学校

私の活動先は、ザンビアの首都・ルサカからバスで8時間ほどのキトウェという街。
バスでの移動時間を聞くと、どんな場所なのかと驚かれることも多いですが、キトウェはザンビアで人口が2番目に多い都市です。
大きなマーケットやショッピングモールもあり、生活に不便はありませんでした。

そんなキトウェにある、800人以上の小中学生が通う、地域に寄り添った学校が私の活動先です。
ほとんどの生徒は学校近くのコンパウンド(日本語訳すると、「未計画居住地域」。都市計画がされておらず、空いている土地に家が建てられている貧困層が暮らすエリア)から通っており、貧しい家庭で育つ生徒が多い学校でした。

学校は、現地NGOのプロジェクトの1つとして運営されており、イギリスやアメリカ等キリスト教のコミュニティから寄付によって運営費を賄っています。学校の教育の中でもキリスト教が取り入れられており、生徒たちは毎日お祈りしてから授業を受けていました。


活動先の学校の外観

活動先の学校の外観


小学校から制服があり、赤を基調としたデザインです。
私は近隣のどの学校の制服よりも活動先の学校の制服が一番可愛い!と思っていました。
ただ、生徒の中には貧しい家庭で育つ子どもたちもいるため、サイズアウトしているシャツを着ていたり、破れたスボンを履いている生徒がいたり…ということを見かけることも少なくありませんでした。

学校では生徒一人ひとりの家庭状況にも目を向けており、家庭の状況を見て、支援が必要な生徒には個別のサポートを行っているようでした。


ギンガムチェックのシャツが可愛い制服

ギンガムチェックのシャツが可愛い制服

教育現場で感じた課題ー進学を左右する英語力の壁

私が活動の中で感じたザンビアの教育課題の一つが、英語教育です。

ザンビアでは、小学校、中学校、高校を卒業するタイミングで国家試験があり、その国家試験に合格しなければ進学することができません。
さらに、この試験は全て英語で実施されます。
ザンビアの公用語は英語ですが、英語の他に多くの現地語も使用されています。ザンビアには76もの民族があり、その民族の数だけ言語が存在します。
私が暮らしたキトウェでは「ベンバ語」が広く使われていました。


教室の様子

教室の様子


​​活動先の学校に通う生徒は前述の通り、貧しい家庭で育つ生徒が多く、親が十分な教育を受けていないことも多いです。
そのため、親は英語を話せないことが多く、ほとんどの生徒は家庭ではベンバ語で家族とコミュニケーションを取っています。
また、就学前教育も整備されていないため、生徒たちは小学校に入学して初めて英語を学び始めます。

アルファベットも分からない状態から、週に数回の授業で英語を習得することは難しいと想像できるのではないでしょうか…。
進級しても読み書きに苦労する生徒は少なくなく、その結果、小学校卒業時の試験に合格できないこともあります。
試験に不合格だった場合は、翌年に再挑戦できますが、何度も不合格が続くと諦めて学校からドロップアウトするケースも起きてしまうようです。

将来、高等教育を受けたり、より多くの進路を選択したりするためにも、英語力は重要な鍵となります。
そのため学校でも、「子どもたちが早い段階で英語の基礎を身につけられるようにしたい」という思いを強く持っていました。

「英語が読めた!」生徒たちの変化が見えた瞬間!英語学習プログラム

オンライン教材を利用した英語学習プログラムを整備することが、私の活動の中でも重要なプロジェクトの1つでした。

ザンビア人の同僚と協力しながら、学習プログラムを一から設計しました。
パソコンを活用することで、音声や視覚的情報を取り入れながら、まずはアルファベットの音や発音などの土台を身につけてもらいます。
その後、徐々に簡単な文章や本を読んだりと、ステップアップしていく内容です。


使用していた「STARFALL」というオンライン教材

使用していた「STARFALL」というオンライン教材


また、英語の音楽に合わせて体を動かすアクティビティも取り入れました。
楽しみながら英語に触れてもらうことで、歌を通じて自然に単語や表現を覚えられるよう工夫していました。
集中が切れてくる頃に音楽をかけると生徒の気分転換にもなり、最後まで楽しみながら授業に参加してくれる様子が印象的でした。


歌に合わせて踊る生徒たち

歌に合わせて踊る生徒たち


プログラムを始めてから私が生徒たちと過ごした時間は決して長くありませんでしたが、3か月ほどの活動でも、生徒たちの英語力は伸びたと感じました。
当初は新しい授業スタイルに戸惑い、不安そうに遠慮がちに参加していた生徒たちも、だんだん元気よく声を出して英文を読むようになりました。 このプログラムは、もともと小学校2・3年生向けの夏休みの特別プログラムとして試験的に実施していました。
しかし、その効果が認められ、新学期からは通常授業として時間が確保されるようになり、対象学年も拡大されていきました。


授業の様子

授業の様子


私の任期は半年間と短く、このプロジェクトの成長を長く見守ることはできませんでした。
試行錯誤しながら共にプログラムを作り上げたザンビア人の同僚にその後を託して帰国しました。
仕事に対する価値観の違いを感じることもありましたが、同僚たちは教育に対して強い熱意を持っていました。
だからこそ、私の帰国後もプロジェクトを推進してくれると信じています!
そして、いつかまた学校を訪れることができた時に、成長した生徒たちと会うことが楽しみです!

おまけ:主食は「シマ」!ザンビアの学校給食とは?

私の活動先には、家に帰っても十分な食事をとれない生徒が少なくありませんでした。
よく生徒に「Hungry」と言われ、何もできないことにもどかしさを感じることもありました。
そんな生徒たちのために、学校では毎日無料の給食を提供していました。メニューは、ザンビアの主食である「シマ」と簡単なおかず。
日本の学校給食のように栄養バランスが考えられたメニューではありませんが、貧しい生徒にとってはとても重要な食事です。


この日の給食メニューは、シマと大豆ミートのスープ

この日の給食メニューは、シマと大豆ミートのスープ


授業の後、給食の時間になると配膳場所の前で列を作り、自分の番になるとお皿に給食を配膳してもらいます。
貴重な食事のはずなのに、ランチタイムに外を歩いていると「Yuka!」と名前を呼ばれてシェアしようとしてくれるんです。
そんな生徒の優しい心に何度も感動しました。


 給食の時間、列を作る生徒たち

給食の時間、列を作る生徒たち


そして、800人以上の生徒の給食を作るのも大変です。
後半でも紹介しますが、シマを作るのにはかなりの力仕事!私も配膳を手伝ったことがありますが、これもまた大変なんです…。
800人の配膳をするので、作業が終わる頃には腕も腰もヘトヘトになっていたことを覚えています (笑)
毎日給食を作ってくれていた給食担当のマダムたちには、本当にすごい!と日々尊敬の気持ちを抱いていました。


校舎裏で給食を食べる生徒たち

校舎裏で給食を食べる生徒たち


前編では私のザンビアでの活動先、また、活動先で新たな取り組みとして生徒たちに提供した学習プログラムについてお伝えしてみました。
後編では、ザンビアの文化や日常生活を取り上げようと思います。お楽しみに!


 給食配膳の様子

給食配膳の様子


アクセンチュア株式会社
多田 有花

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