今、できること
世界各国に派遣されていた全てのJICA海外協力隊員が新型コロナの影響で日本に一時帰国して、4ヵ月以上が経ちました。任地への思いを胸に、「今、日本でできること」に取り組んでいる隊員たちがいます。
9月6日にテレビ東京系列で放送された「世界は待っている はばたけニッポン人」では、NGOや民間企業の方々と共に、3名の協力隊員の活動が紹介されました。
JICA海外協力隊のアーティスティックスイミングコーチとしてインドネシアの州代表チームを指導していた女性。国最大のスポーツイベントへの出場切符を手にし、新たな強化策を始動した矢先の帰国でした。現在は日本からオンラインで指導を続けています。意思疎通の難しさを感じながらも、「直接指導よりも集中して聞いてくれる」と前向きです。日本国内でも指導しながらコーチとしてのスキルアップを図っています。インドネシアの生徒たちは「コーチからはいつも楽観的であるべきだと学んだ。私たちが『できない』ということも、コーチは『できる』と言ってくれる」と語っていました。
「将来は教員になりたい。いろいろな経験をして、子どもたちの世界を広げられるようになりたい」群馬県嬬恋村のキャベツ農家で活動するプロジェクトに参加する男性隊員。全く知らなかった農業に携わり、「いまとても楽しい」と前向きな気持ちを取り戻しました。フットサルチームにも参加して在住外国人の方々と交流しています。任地のカメルーンで言葉が分からず積極的になれなかった自身の経験が背景にあります。
「帰国して数日は放心状態だった」という女性隊員。同じく嬬恋のキャベツ農家で活動する中で「日本について知らないことがたくさんあった。日本にも貢献していきたい」という気持ちに気付きました。任地のザンビアを思い「あれもできた、これもしたかったと思うことがいっぱいある。だから、今を大切に生きたい」と、日々の活動と自分の気持ちに向き合っています。
現地と繋がりながら自身のスキルアップを図る人。途上国で活動した日々の経験と思いを、日本の地域貢献に活かす人。
現場に戻れる日を信じて、今できることをしながら、この先を見つめている人たちがいます。国際協力を取り巻く状況は変わったかもしれませんが、国際協力は止まっていません。
国際協力に携わる方々にお話を伺うと、ほとんどの方が言われる言葉があります。
「どんな経験も無駄にはならない。今、目の前にあることをひとつずつやっていくと必ず繋がる」
私もそう信じています。
JICA人事部
開発協力人材室
砂子知香
※一時帰国中のJICA海外協力隊員の活動はJICAホームページでもご紹介しています。
・【今、日本からできることを!一時帰国中の海外協力隊員が活躍 その1】赴任国に向け、リモートで支援
https://www.jica.go.jp/topics/2020/20200812_01.html
・【今、日本からできることを!一時帰国中の海外協力隊員が活躍 その2】赴任国の経験を日本で活かす
https://www.jica.go.jp/topics/2020/20200817_01.html
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