それぞれの国際協力④ JICAインターンインタビュー

内藤 彩香さん (人間開発部 高等教育・社会保障グループ)

1.国際協力に関心を持ったきっかけは何ですか?

「私はこれまで、紛争や貧困など世界の様々な問題を目にする度に、“どうしたら平和をもたらすことができるのか”と考えてきました。そこで、多くの人々が教育を通じ歴史や多様な価値観を学び、暴力ではない解決策にアプローチするための思考や知識を養うことは、平和的解決の糸口になるのではないかと思い至りました。そこから、“教育”が平和の手段になると考えるようになりました。私は、教育が十分に行きわたっていないとされる途上国に対する教育支援を通じて、平和構築に貢献していきたいと考えています。教育の中でも、私は特に高等教育(いわゆる後期中等課程の「高校」ではなく、大学)に関心を持っています。現在途上国では、数々の国際協力により基礎教育が普及しつつあります。しかし途上国がより発展していくためには、基礎教育だけではなく高等教育にも力を入れる必要があると私は考えています。高等教育は途上国のみならず先進国でも十分に普及しているとは言えない現状があるので、今後は高等教育の普及や重要性に対する認知に幅広くアプローチしていきたいと考えています」

2.JICAインターンに応募したきっかけと、インターンを通じて取り組みたいことについて教えてください。

「私は学習院大学国際社会科学部のゼミで途上国の高等教育について研究をしています。以前から学生のうちに国際協力に携わりたいと思っていたのですが、大学で履修した元JICA研究員の教授の授業がとても興味深く、そこでは途上国が多分野で抱える問題について学ぶことはもちろんJICAの取り組みについてもたびたびお話を伺うことができました。その際“JICAで学びたい!”と強く思い、インターンに応募しました。
インターンは2021年2月から開始しましたが、取り組みたいことは主に2つあります。1つ目は高等教育に関するプロジェクトの現状把握、2つ目は広報活動です。途上国の教育というとどうしても基礎教育に目が行きがちですが、途上国の工業化といった経済発展に寄与する高等教育の分野を取り巻くプロジェクトは将来的に大きな可能性を含んでいると考えます。そしてその高等教育の必要性・重要性を周知すべく、効果的な広報の在り方を検討したいと考えています」

3.今後はどのようなキャリアを考えていますか?

「高等教育の普及に加え、子どもたちを取り巻く環境整備にも取り組んでいきたいと考えています。具体的には、人間関係の構築を含むサポート体制の確立を考えています。この背景には私の学生時代の実体験が関係しています。私は中学生時代、周りの環境やサポート体制が十分整っていなかったためにとても苦しい思いをしたことがありました。その時に子どもを取り巻く環境の重要性に気づき、何か困ったことがあったらいつでもサポートできる体制を作りたいと思うようになりました。環境の整備は、途上国に限らず日本でも大きな課題だと考えています。金銭面や勉強面でのサポートだけではなく、精神面でも子どもたちが安心して生活できるような環境を作っていきたいと思っています」

4.国際協力を志す同世代の方へのメッセージをお願いします。

「国際協力といっても、関わり方は多種多様だと思います。今や企業がSDGsを掲げる時代であり、民間企業においても社会に貢献できることはあります。そこで、自分はどのように関わっていきたいのかを考え、自分が最も納得できる国際協力の在り方を模索することが重要であると感じました。自分が国際協力を志すようになったきっかけに立ち返り、将来自分は何がしたいのかを自問自答し続けることでその道は開けると思います。自分が学べる環境にいることへの感謝を忘れずに、興味のある分野や関心を持った社会問題への探求心を持ち目標に突き進んでほしいと思います」

(2021年2月現在)

人間開発部でのインターンシップ活動の様子
人間開発部でのインターンシップ活動の様子
アメリカ・サンディエゴにある日本庭園でインターンシップ
アメリカ・サンディエゴにある日本庭園でインターンシップ。事務員として庭園案内や展示物の説明、月に1度開催される子ども向けワークショップの企画提案や企画書をまとめました。(右が内藤さん)
アメリカに2週間の語学留学
アメリカに2週間の語学留学。グループディスカッションやエッセイの執筆に取り組みました。

JICA人事部
開発協力人材室 元インターン
深澤智子

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