第495号 連載コラム「ぷろのぶ~国際協力を傍らに、本業に打ち込む若者たち~」(第2回)

「国際交流と国際協力って違うの?」

ちょっと違う。それは実際に「ぷろのぶ」に参加し始めて、やっと自分でも腑に落ちてきたことだ。 でも、国際交流なしに「ぷろのぶ」の国際協力は、あまり成り立たない。 なぜなら、国際交流とは、「国を越えて、異なる背景をもつ人たちと、あらゆる方法でコミュニケーションをとること(持論)」であり、 「ぷろのぶ」の国際協力プロジェクトを始めるにあたっては、そのコミュニケーションがあって初めて土台ができるということを体験してきたからだ。

何も英語がどうしても必要だ、なんて言っているわけではない。 国籍をこえて、相手をよく知りたいという気持ちと、お互いの困っている事を一緒に解決したいという気持ちがあれば、「ぷろのぶ」の国際協力に必要なコミュニケーションは始められる。 わたしは本職で、コミュニケーションズ(広報)という職種に就いている。

会社のことや、傘下にあるブランド、または商品のことを、メディアを含む社外の人々に正しく理解してもらえるようにコミュニケーションをとる仕事だ。 この仕事を15年以上続けている私の上司が断言しているように、コミュニケーションは「愛」があれば、できないなんて事はない。

「ぷろのぶ」の国際協力に参加するようになってから、それがきれいごとでないことを、より感じている。 たとえ国を隔てても、「あなたのことを知りたい」が国際交流で、「あなたに協力したい」という気持ちを行動におこすのが、国際協力だと思うようになった。そういう気持ちはいずれも一種の「愛」じゃないか?

わたしが「ぷろのぶ」の活動に参加しようと思ったのは、自分の中でまだ国際「交流」と「協力」がなんとなくしか、分けられていないときだった。 16歳からアメリカに留学していたこともあり、帰国後、国際交流活動は自らやっていた。

そこの友人に紹介されたのが、いつも「おもしろいことやっているおもしろい人」がメンバー募集をしている「国際協力ボランティアのプロジェクトをみんなで最初から創る勉強会」だった。 そのおもしろい人は「やんまー」(※)といって、本職でODA関連の経験があり、プライベートでもやりたいから同志を求めている、という内容だった。 わたし自身いくつかボランティア活動はやったことがあったし、国際協力も以前から耳馴染みがあり、関心のある分野だったので、とりあえず参加してみた。

結論として、私がそれ以降この「ぷろのぶ」の活動に参加している一番大きな理由は、今までやってきた多くのボランティア活動と違って、 メンバーがボランティアプロジェクトを発起し続けられるコミュニティができていることだ。 ボランティアというと高尚なことのように受け取ってしまう人もいるけれど、結局は、誰かの、そしてもしかしたら、いつか自分の事となる目の前の課題に対して、 自分が今できることをやっていくこと、だと思う。

「ぷろのぶ」にいると、行動を起こすことが普通だし、全体像を見ると大きな問題だったとしても、規模に関わらず自分たちができることは何だろう、と、考える習慣ができてくる。 そして、それを話すと、賛同して一緒に考えてくれるメンバーがいる。自分の関心だったものが、みんなの関心になる。 そういう課題が、たまたま日本ではないところで起こっている。だから「国際」協力になる。

プロジェクトは小さな規模のものが多いかもしれない。少なくとも最初は。
だから、別に本職をもっていても協力できる。 でも、きっとだからこそ、小さな課題があらゆる分野で見つかる。 話し合った結果、実際に「ぷろのぶ」としてできることが見つかると、メンバーのいろんなツテを使ったり、 もしくは真正面から、課題があるエリアとコミュニケーションを取ったりしていく。 ここで国際交流スキルは大活躍する。うまくいったらプロジェクトができあがって、協力活動が始まる。

未来の世界の平和を願ってとか、そういう気持ちがあっても良いかもしれない。
でもたとえ小さくても、目の前にある課題を、自らプロジェクトを作り出すぐらいパッションのあるメンバーとお互い力を出し合って解決する行為って楽しい。 課題解決なんて誰もが普段本職でもやっているかもしれないけど、ボランティアの環境だからこそ、また違った充実感がある。 あげられる課題が聞いたことさえない町で起こっていることだと思うと、強く関心が惹きつけられる。

プラスして、価値観が近い仲間にびっくりするぐらいの頻度で出会える。そんなメンバーといく視察旅行も忘れられない経験になった。 わたしはこういうプロセス全体が楽しいと思う。だから、週末1日返上したって活動に参加してしまう。 それが「ぷろのぶ」が発足当初から現在に至るまで続いている理由だと思う。
(中川千比呂)

※「ぷろのぶ」facebook : https://ja-jp.facebook.com/pronobu/

※山本陽平さん(やんまー)
(第1回コラム執筆者/ news_494.html )

中川千比呂

■■「ぷろのぶ」最近の取り組み■■
社会貢献活動に興味ある方々をゆるくつなぐ
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