国際キャリアフォーラム in 京都

イベントレポート

PROGRAM

プログラム

イベントスペース | セッション 14:20~15:20

セッション「グローバルキャリアの作り方」

深堀 勝謙
株式会社わだまんサイエンス 代表取締役・一般社団法人 日本胡麻協会 理事長
吉井 由美子
BASEY 代表

深堀 勝謙 株式会社わだまんサイエンス 代表取締役・一般社団法人 日本胡麻協会 理事長

「グローバルキャリアの作り方」と題したセッションの前半に登壇したのは、株式会社わだまんサイエンス 代表取締役・一般社団法人 日本胡麻協会 理事長 深堀 勝謙氏。 「ゴマで世界平和」をテーマに会社を設立した深堀氏。理念は、ゴマというテーマで新しいビジネスを作ろうということだとお話しされました。


深堀氏は、製薬会社に勤めているなかでゴマと出会い、その後、会社を辞めて起業しました。 ゴマには長い歴史があるのに、どのように育てられているか多くの人は知りません。 そもそもアフリカのサバンナ生まれのゴマは開発途上国で多く作られています。それは、米や小麦と違い機械化できず手作業でしか作れない作物だからです。換金作物として栽培されていたゴマの食べ方や商品作りの方法を、自立支援のためパラグアイの農家に教えることから、深堀氏たちの活動はスタートしました。


深堀氏は2006年12月25日に京都で「わだまんサイエンス」を創業。また、「わだまんサイエンス」が考える「ひらけごま持続可能サイクル」というノウハウで人を助け、ビジネスを広げるため、「一般社団法人日本胡麻協会」を設立し、セサミマイスターの育成をスタートしました。


さらに、京都商工会議所からクリエイティブ産業モデル企業に認定され、JICAの支援を通して外国の方々にノウハウを伝授。パラグアイでは国立アスンシオン大学で学会発表も行ったとのことです。


深堀氏:

「人生一度きり。夢は行動して夢となる。ゴマで世界平和は僕の人生そのものです! ぜひ皆さんにも第一歩を踏み出して欲しい、自分を信じて欲しい。自分がこういうのが得意だ、というのが何かあるはずです。」

吉井 由美子 BASEY 代表

セッション後半では、BASEY代表の吉井氏に登壇いただきました。吉井氏は「支援する側・支援を受ける側という立場ではない、対等なパートナーシップ」を目指していること、国際協力・開発の中で特に大切なことについてお話しくださいました。


BASEYは、ルワンダ、タンザニア、ケニア、ベリーズの4ヶ国のパートナーと共に、アクセサリーやデイリーアイテムの企画・制作、販売を行なっています。吉井氏は、2012年にJICAを退職後、2013年に名古屋でアクセサリーブランドである「BASEY」を設立しました。コンセプトは「Accessories with Familia/世界中のFamilia(家族)と共に」。現地パートナーたちは家族同然の存在。家族と共に提供するアクセサリーという意味を込めているそうです。


現在ルワンダで作っているのは牛の角などを使ったアクセサリー。このほか、伝統工芸品「ルワンダバスケット」も扱っています。
キレイな色合いでクオリティも良いのですが、吉井氏がはじめて現地でそのバスケットを見た時、商品には「現地の女性の支援に繋がる」と同情を買うような説明がつけられていたそうです。そんな説明をつけなくても、もっと色やデザインなどを工夫すれば、より売れるモノになると思った吉井氏は現地の女性たちと相談。BASEY側が色のコンビネーションやデザインを提供することになりました。その結果、良いバスケットができ、百貨店で商品展開し、アクセサリーと並ぶほどの人気商品となったのです。


BASEYが目指すことは、「支援する側・支援を受ける側という立場ではない、対等なパートナーシップ」。というのも、最初の3年くらいは現地から不良品が届くことや、納期が守られないことがあったそうです。そのため、吉井氏がパートナーたちに「我々は支援者でもボランティアでもない、ビジネスパートナーである」と真剣に想いを伝えたところ、徐々にパートナーたちも応えてくれるようになったそうです。そしてBASEYも百貨店での販路を確立して日本での基盤を築けたことで、現地パートナーとBASEYがWin-Winの関係になったと説明されました。


吉井氏:

「人生の中でいろんなスパイスポイントがあると思いますが、国際協力・開発の中で特に大切なのは『語学力(英語力)』『専門性』『人間力』だと思っています。語学力・専門性は勉強すれば身につけられるが、人間力に関しては日々どう生きるか、ということに影響されます。私自身は、これまでの一つひとつのスパイス(喜び・苦労・悲しみ)に真摯に向き合い、学び、それを力に変えて進んできたことが、JICAとの出会いやBASEYの起業に繋がっていると思います。困っている人に何かできるかな?と考えて行動することが、国際協力・開発・グローバル社会に繋がる一歩です。」