JICA職員
概要
JICA職員の仕事は、開発途上国を舞台とした「国創り」です。
相手国が抱える目の前の課題を解決するだけでなく、その国の10年20年先を見据え、国家・地域レベルでの協力戦略の策定、相手国政府や様々な関係者との協議や各種調査、具体的なプロジェクトの形成・実施、評価まで、様々な業務に携わっていきます。
現地調査、関係機関との協議を行い、対象国の開発の現状やニーズを把握・分析し、協力の方向性を取りまとめる、いわば「プロデューサー」の役割を担います。
2~4年毎に人事ローテーションがあり、本部(東京)、国内拠点(15ヶ所)、海外拠点(約90ヶ所)いずれの拠点にも異動の可能性があります。海外赴任は必須です。
新卒採用の他、社会人採用も行っています。
求められる資質と能力
JICA職員に求められる一般的な資質と能力は以下のとおりです。
(「国際協力人材に求められる6つの資質と能力」も併せてご参照下さい。)
総合マネジメント力
JICAの事業内容は、途上国の人材育成や制度構築のための技術協力、空港や鉄道、橋梁等の大規模なインフラ整備のための投融資(円借款)、学校・病院・給水設備など基礎インフラ整備等のための無償資金協力、災害発生時の国際緊急援助、海外協力隊等の市民参加事業など、多岐に渡ります。相手国のニーズを捉え、日本国政府はもちろん、民間企業や地方自治体、大学・NGO等とも連携しつつ、政策から現場レベルまで様々な角度から課題解決に取り組んでいます。
JICA職員は、国際協力の現場で、途上国の人々に対して直接技術指導等を行う専門家、コンサルタントからアドバイスを得たり、他の援助機関など多様な関係者と十分に議論・調整を行いながら、プロジェクトの実施を支援し、公的機関・政府系機関として短期的な利益に左右されず、真に求められる国の基盤づくりを実現するマネジメント力が求められます。
コミュニケーション力
JICA職員には、開発途上国や日本国内の様々な人・機関・リソースを繋ぎ動員し、円滑にプロジェクトを進めていくためのコミュニケーション能力、人間関係構築力が必要不可欠です。
想像・創造力を持ち多様な価値観に共感すること、そして相手の立場を理解しつつ、win-winの関係を追及する姿勢が求められます。
また、JICAの業務に携わるうえで、英語によるコミュニケーションが行えることは最低限必要な条件であると言えます。しかし、選考において、一定水準の語学力を必須条件にすることはしていません。入構後に業務やプログラムを通して、業務遂行に必要な語学力を身に付けていきます。入構後に獲得すべき語学力の最低限の目安としては、1年以内にTOEIC800点、3年以内に同860点です。
社会人採用は、英語で実務遂行が可能であることが求められ、原則TOEIC860点相当以上またはTOEFLiBT100点・PBT600点以上を有していることが条件となります。
問題発見・課題分析力
JICA職員は、多様化・複雑化・広範化する開発課題に対して、問題の本質をきちんと把握し、前例にとらわれず新たな解決策を打ち出すことが求められます。そのために、論理的な思考能力に加えて、柔軟な発想とチャレンジ精神も必要です。
また、JICA職員には「国際協力のプロフェッショナル」として求められるマネジメント能力とともに、課題を適切に分析し解決策を検討するための専門性を磨いていくことが求められます。
JICA職員は総合職としてさまざまな業務に携わり、幅広い経験を持つことが期待されています。国際協力の現場で、途上国の人々に対して直接技術指導等を行うのは、外部人材である専門家、コンサルタント、ボランティア等の方々であり、JICA職員の役割は、マネジメント能力や自身の専門性も元にしながら、途上国の「国創り」を支援するために国家・地域レベルで援助方針を策定し、具体的なプロジェクトを形成するとともに、そうした外部人材の方々の協力を得ながら、援助方針や個々のプロジェクトを実行に移していくことです。そのためには、マネージャーとしての能力とあわせて、プレーヤーとしての能力も重要となります。最初から高いレベルの専門性を身に付けている必要はありませんが、仕事を通じて一定の専門性を磨き、得意分野を持つことが大切です。
忍耐力・実現力
JICA職員は、様々なアクターや状況を調整し、たとえ困難な状況にあっても、人を巻き込んで粘り強く取り組み、結果を出す忍耐力や実現力が求められます。