アフリカへの強い思い。やっぱり国際協力がしたい。

三木 将さん

国際協力NGO/NPO 難民を助ける会(AAR Japan) 30代

  • NPO/NGO スタッフ
  • 社会保障
  • キャリア年表

    大学学部生

    -

    外国語学部でスワヒリ語を専攻。在学中に1年間、ケニア・ナイロビの孤児院でボランティア活動に従事。

    民間企業

    4年間

    国際物流企業で海上輸出を担当。

    ボランティア

    約3ヵ月間

    ケニアのNGOで子どもの医療支援に関わるボランティア活動に従事。

    NGO職員

    3年間

    AAR Japanに入職。広報を担当。

    -

    1年間

    ザンビア・ルサカ事務所に駐在(母子保健)

    -

    ~現在

    東京事務局。現在はラオス、ミャンマーの事業に従事(障がい者支援)。

    「どうしてもここで働きたい」諦めず転進。力は後からついてくる。

    国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?

    大学時代、外国語学部でスワヒリ語を専攻し、アフリカに興味を持ちました。語学に興味はありましたが、当時からアフリカに興味があったというより、スワヒリ語専攻がその大学にしかなく、マイナーな面に惹かれてスワヒリ語を選択しました。スワヒリ語をさらに習得するため留学を考えましたが、スワヒリ語圏の高等教育は英語ですので、ボランティアという形で現地に滞在してスワヒリ語を習得することとし、1年間大学を休学してケニア・ナイロビの孤児院でボランティア活動に従事した結果、国際協力への関心が深まりました。

    現在の業務を、どのように選ばれましたか?

    大学時代にケニアでボランティア活動を行い国際協力の道を考えましたが、まずケニア西部の語学の知識を深めたいと思い大学院への進学を考えていました。しかしスワヒリ語専攻の仲間はほとんどが一般企業へ就職する道を選んでおり、自分の進路を改めて考えたときに、国際協力の業界の知識があまり無かったこともあり、「生活が不安定になるのでは」という不安が生じました。その結果、一般企業に就職することとし、海外と繋がりの深い国際物流と商社に絞って就職活動を始め、一番初めに内定が出た国際物流の企業に就職しました。
    海外出張の多い部署ではありましたが、出張でマレーシアに行った際、海外での仕事の中でも対企業ではなく対地域住民のものを、そして地域に根差した国際協力がしたい、と改めて強く思いました。受身的な仕事ではなく、もっと課題解決に取り組む能動的な仕事がしたいと思ったのも一因です。ただその段階では漠然と「国際協力」とだけ考えていてどういった分野があるかもわかっていませんでした。何も決まっていない状況でしたが前職の企業を退職し、知人のつてでケニアで子どもの医療支援を行っているNGOでボランティアを行い、改めて自分はどの分野に興味があるのかを考えることとしました。そこで国際協力業界の様々な人とお話しするなかで、緊急支援の分野への関心を深め、帰国後国際協力業界での就職活動を開始し、様々な団体の活動について調べる中で幅広い活動を行っているAARで活動したいと思い、入職しました。

    現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?

    入職当時は広報に所属しホームページの管理やSNSなど、ウェブの管理を担当していました。そのほか緊急支援チームにも所属し、熊本地震などの災害時の緊急支援に広報として携わりました。その後より深く一つの事業に携わりたいという思いから海外での事業実施を担当する部署に異動し、丁度ポストの空いたザンビア・ルサカ事務所に駐在員として赴任し、母子保健事業に従事しました。事務所閉鎖後2019年5月に帰国し、現在は東京事務局にてラオス、ミャンマーの事業に従事しています。本部では主に助成金などへの申請書や報告書、その他会計の確認など後方支援を行っています。本部での勤務のため現地への出張の機会は限られていますが、日々駐在員を通じて事業の進捗を確認し、チームで協力して事業目標の達成のために取り組んでいます。また何か問題が生じた際や新しい課題やニーズが確認された際にも、課題解決のために本部からサポートしています。

    現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?

    一番やりがいを感じるのは、受身では成り立たない仕事だということです。前職では一日のやることが決まっていて、何かを変える、改善するということは難しい環境でした。今の業務では、事業において常に新しい課題やニーズがあり、それを解決していくためには能動的でないと成り立ちません。また、そのためには海外事務所を含めた連携が必要となり、課題解決のためにともに取り組む連帯感というのもやりがいの一つです。現在担当しているラオス、ミャンマーの事業はともに障がい分野の活動なのですが、家にこもりがちであった障がい者が積極的に活動に参加するようになるなど、駐在員を通じて活動の成果を知ると嬉しく思います。
    国際協力業界は、何かしら強い思いがあって様々な業界から転職してきている人がほとんどで、個人的には気が合う人が多いと感じており、楽しく仕事をすることができています。やりがいを感じながら仕事ができているので、忙しい時期もありますがストレスになることはありません。

    今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。

    直近の目標は現在抱えているラオス、ミャンマー両事業のそれぞれの事業目標の達成です。新型コロナウイルスの影響により事業に遅れが生じていますが、この状況下で目標を下げずに実施できるよう、東京からしっかりとサポートしていくことが必要です。途上国での障がい分野の活動は、根強い差別意識もあるため、啓発も含め継続した支援が必要となります。その先の環境が少しでも改善されるよう、東京からの後方支援を着実に進めていきたいと思っています。また、国際協力に関心を持つきっかけとなったケニアでの活動にも関わることができればとも思っています。さらに、現在の障がい分野だけでなく、緊急支援など他分野での知識も深めていきたいと思っています。

    国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。

    国際協力の道を目指している方の多くが、必要な語学や資格などを気にしていると思います。一方で、私が昔そうであったように、国際協力といっても漠然としていて、その中で何をしたいのかが自分でもはっきりしていない方も多いかと思います。国際協力は様々な分野があり、数多くの団体があり、活動国も多岐に渡ります。まずは自分がどういった分野に関心があるのか、一度自分と向き合ってみるのも大事です。分野だけでなく興味のある国や地域から入ってみるのもいいのではと思います。私は修士号も持っていませんし、業務内容は前職と全く繋がりもありません。実はAARは一度不採用になっていますが、どうしてもAARで働きたいという思いからその後改めて履歴書を送り、入職に至りました。就職・転職するにあたり、一般企業のように窓口は広くはなく、タイミングが大事ですが、そのためにもまず自分の強い思いと粘り強さも重要になるかと思います。
    出身の熊本では国際協力に関するイベントなどはなく、大学時代を過ごした大阪でも少なく、特に地方にいると国際協力の業界に触れることは難しいですが、今はオンラインでのイベントなども多いですし、ぜひ多くの活動に触れて、知識を深めて、どういった分野で貢献していきたいのかを考えてみてください。

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