民間で鍛えた問題解決能力を民間セクター開発に活かす。

企画調査員 Uさん

国際協力機構(JICA) JICAザンビア事務所 30代

  • 企画調査員(企画)
  • 民間セクター開発
  • キャリア年表

    民間企業

    2009~2016年

    メーカーの事業部経営企画で事業投資や事業計画に関する業務を担当。

    海外協力隊

    2012~2014年

    ケニア大統領府で政府が保有する食糧備蓄の見える化に取り組む。

    大学院

    2016~2018年

    マクロ経済について研究。

    企画調査員(企画)

    2019~2020年

    JICAザンビア事務所で民間セクター開発や海外投融資、マクロ経済、援助協調を担当。

    様々な人を巻き込んで、一緒に知恵を出し合う。

    国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?

    昔から海外で働きたいという思いがあり、グローバルに事業を展開している製造業の会社に7年勤務しました。そこで海外での事業展開や投資をする際の実行可能性調査、各国の事業環境の変化や財務分析を元に投資のタイミングを見極める仕事をしていました。そんなある日、東アフリカで「50年に一度」の規模の干ばつが発生し、多くの人が亡くなっているというニュースを見て衝撃を受けました。気になって海外協力隊のポストを見てみると、ちょうど支援物資供給に携われるものを発見。「こんな活動もあるんだ」「自分にも何かできるかもしれない」と思い、協力隊への応募を決めました。

    これまでにどのようなキャリアを歩んでこられましたか?

    私は「やりたい仕事ができるのか」と同じくらい、「どんな人と一緒に働けるのか」を重視しています。企画調査員を志した理由も、協力隊時代に刺激を受け「いつかこの人と一緒に働きたい」と思った方が、当時ザンビア事務所で働かれていたことが大きかったです。民間セクター開発とマクロ経済に携わるポストは、民間企業での実務経験やスキル、大学院で学んだマクロ経済の知識を活かせるとも感じました。当時はJICAの民間セクター開発の取り組みや企画調査員の役割もよく分かっていなかったのですが、ザンビア事務所のとても優秀な同僚たちと仕事をする中で理解を深めていくことができました。素敵な巡り合わせに感謝しています。

    現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?

    現在の担当分野は多岐にわたります。民間セクター開発分野においては技術協力プロジェクトの監理や、新事業の形成と実施。海外投融資のための新規案件の発掘も行っています。その他にも、各機関のエコノミストとの情報交換を元にした定期的なマクロ経済分析、援助協調担当として、各機関長が出席する会議やザンビア政府との会談への同行、他の開発援助機関と協力して活動できる分野の検討なども行っています。

    現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?

    自分の力を最大限発揮できたのは、民間セクター開発の新事業の一つであるビジネスコンテストの企画・運営です。投資家やアクセラレーター(※)をはじめとする様々なステークホルダー(利害関係者)を評価委員に巻き込むと共に、個別企業に対しては寄り添う形でフィードバックするなど技術協力の側面も盛り込みました。ある投資家からは「これまで見てきた中で最も効率が良く、かつザンビア企業のことを考えた、よく練られたビジネスコンテストだった」とのコメントをいただきました。民間企業での経験があったからこそ、民間の様々な関係者とネットワークを構築することができ、ビジネスコンテストをより良いものにできたのだと思います。

    ※若手起業家への資金投資や、ノウハウのサポートをする組織のこと。

    今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。

    企画調査員の後は、スタートアップ企業を支援する専門家としてガーナに赴任(※)します。2年間の企画調査員の業務を通じて、JICAのスキームや事業形成について学びました。この知見を生かし、ガーナではより市場や企業に近い目線で政府を含む様々な関係者を巻き込んで、事業効果が最大となる活動をしたいと考えています。
    ※2021年3月、JICA技術協力プロジェクト専門家(技術移転型)としてガーナに赴任。本記事は赴任前のもの。

    国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。

    国際協力といっても関わり方は様々で、キャリアパスも人によって全く異なります。これまでの経験やスキルが意外な場面で発揮されることもあるので、その意外性を楽しみながら、自分の国際協力の道を柔軟に見つけていただければと思います。

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