国際キャリアフォーラム (オンライン開催)

イベントレポート

本イベントは「withコロナ時代の多文化共生×国際協力キャリア」をテーマに、多文化共生分野で活躍しているアクター2組にご登壇いただきました。2日目は医療分野編です。
国立国際医療研究センター国際医療協力局は、「地球上すべての人々が健康的な生活を送ることが等しくできるような世界を目指し、低中所得国をはじめとする世界の保健向上のために専門性を提供し、また、わが国にその経験を還元する」というミッションに基づき、国内外で活動を展開しています。
今回は国際協力の現場経験等を経て、外国人への医療情報提供分野で活躍するまでのキャリアパスについて2022年8月9日にお話ししていただきました。

■国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 国際医療協力局 連携協力部 連携推進課 神田 未和 氏


♦講演:withコロナ時代の多文化共生×国際協力キャリア♦

神田氏:

「幼少期はシングルマザーの家庭で育ち、特になりたいものもなく過ごしていました。母が看護師だったこともあり、手に職をと勧められて私も看護師になりました。国際協力に進んだターニングポイントとしては、JICA海外協力隊での経験があります。


派遣国はドミニカ共和国。看護師として地域のヘルスポストに入り、診療所のサービスの質改善(特に妊婦健診)や予防接種普及活動など地域巡回活動を行いました。人生の中で最も多くの出会いがあり、日系移民や欧米への移民との出会いもここからでした。自分の価値観が180度変わった経験になりました。


協力隊派遣終了後は、特定非営利活動法人AMDA(通称アムダ)に勤務。岡山の本部に勤務しつつ、災害時に多国籍医師団のコーディネーターとして国内外の被災地へ派遣されました。ある被災地では、国際協力を目指して語学留学中だった看護師の方が被害を受け、そのご家族から『あなたの様になりたかったんだよね』と私の働いている姿と娘さんの未来を重ねられたことがありました。『これからどう生きていけば良いのだろう?』と深く考えさせられた経験でしたね。


その後は、京都大学大学院で女性の健康や、Sexual Reproductive Health and Rights(SRHR:性と生殖に関する健康と権利)などを学び、修士号だけでなく助産師資格も取ることにしました。助産師としてもう一度臨床現場へ戻った後、現在は国立国際医療研究センター 国際医療協力局(NCGM)にて勤務しています。


コロナ禍では、NCGMも構成メンバーであるみんなの外国人ネットワーク(MINNA)で、在住外国人の保健関連情報・サービスへのアクセスを支えるネットワークの強化を目的とした活動にも関わっています。日本在住の外国人に向けて必要な情報を届けるべく様々な取り組みに挑戦しました。YouTubeやFacebookに投稿しましたが、思うように閲覧数が伸びず試行錯誤しました。そのなかで、外国人コミュニティのキーパーソンや支援者と繋がった結果、多くの外国人へ情報を届けることが出来るようになりました。また、外国人支援をしている団体と期間限定で、外国人向けワクチン接種券取得支援のための電話相談センターの運営をしました。地域ごとに目まぐるしく状況が変わる中、全国の自治体やワンストップ支援センターへ情報提供や働きかけをみんなで行った経験は非常に学びになりました。


10年後は日本に拠点を置きつつ、SRHRに関する仕事をしながら、他分野と連携しつつ日本と海外を繋げる仕事を続けたいですね。20代は失敗の連続でしたが、その中で自分に合うことをコツコツと積み重ねて今のキャリアに行き着きました。自分に合うことを中心に仕事を組み立てていければ、きっと充実したキャリアを歩めるはずです。ずっと変わらない私のモットーは『幸せになるために働く』です。」


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