国際キャリアフォーラム in 福岡

PROGRAM

プログラム

イベントスペース | セッション 14:30~15:30

アクターたちの目線・ホンネ

朽木 恵子
株式会社IMPAKT 代表取締役
吉房 純輝
Doreming LTD. (London, UK)
代表取締役CEO

朽木 恵子 株式会社IMPAKT 代表取締役

「アクターたちの目線・ホンネ」と題したセッションの前半に登壇したのは、株式会社IMPAKT代表取締役朽木恵子氏。
”アクターたちの”と銘打っているが、自身は、サポートする立場である事を伝えた上で、現在・過去・未来の流れで話をしていただきました。


まずは、現在の話として株式会社IMPAKTの事業概要を説明されました。
IMPAKTとは、途上国・新興国でビジネスを始めたいが「ナレッジ・ノウハウの不足」と「実行する人材がいない」などの障壁を抱える企業と、グローバルビジネスの分野で自身の経験を活かしたい個人をマッチングさせるプラットフォームであることを、事例を基に参加者に分かり易く説明いただきました。
IMPAKTの“途上国情報を持っている270万人のグローバル人材を循環させる時代を創っていきたい”との考えは、たくさんの方のサポートや共感を得ているとの事です。


続いて過去の話として、青年海外協力隊、東日本大震災、JICA広報室での勤務経験の3つのターニングポイントでの体験を通して感じたことと、起業という道を選んだ経緯を話し、最後に、未来の話として、途上国支援は、魅力的だからこそ中小企業には頑張っていただきたいのだが、ほとんどの企業がプロダクトアウト的に海外展開してしまっている事が課題だと感じていること、その課題を解決する為に、潜在的なマーケットを可視化しサポートする人材を生み出して企業の海外での事業展開を後押ししていきたいと話していただきました。


朽木:

「途上国ビジネスは、継続することがとても難しい。
この難しい挑戦で必要とされている事は、語学力でもノウハウでも無く、最後は想いが強いか。
強い想いは、その人の限界点でしか生まれないと、私は思っています。」


吉房 純輝 Doreming LTD. (London, UK) 代表取締役CEO

セッション後半では、Doreming LTD. (London, UK)代表取締役CEO吉房純輝氏に登壇いただきました。


幼少のシンガポールでの生活と、大学生の時にバックパッカーで開発途上国を回った経験を通して、途上国や新興国が放つエネルギーが好きになったそうです。
大学時代に、インドの無電化村でのプロジェクトや日本での地域おこし、震災ボランティア等の経験を積んだ事で、ソーシャルビジネスを興したい気持ちを持つようになりましたが、「知識や経験が足りていない」事と「一生の仕事になるとは思えない」事から、すぐにソーシャルビジネスには飛び込まず、金融系の仕事でキャリアを積む事を選択されました。


しかし、ソーシャルビジネスという人生の宿題に取り組まずには終われない事、2020年までに日本を出ると考えていた事、途上国での金融問題が「自分事」になった事で、ソーシャルビジネスの分野に改めて飛び込まれたそうです。


続いてDoreming Londonがカバーするマーケット(欧州・アフリカ・中南米)での事業面の課題や将来の目標についてをお話されました。
Doremingは、銀行口座を持っていない世界で20億人といわれる人々に金融インフラを提供し、 貧困と格差という社会課題の解決を目指す事業です。
決済時の手数料で収益を得るビジネスモデルで、利用者(企業、従業員)は無料でシステムを利用する事ができます。


最後に途上国関連ビジネスを起業して感じた点として、「社会貢献・国際協力とビジネスを始めることとは結構違うこと」「どれだけ自分事化しているかが、問題に直面した際にどれだけ粘れるかに直結していること」「実際の選択肢はそれほど多くないので、情報を調べ・人に相談し・充分に検討し尽くすことが重要」との3点を挙げていただきました。


吉房:

「実際にやってみると、世界はとても広くて、辛いことも多いけれど、やはりすごく楽しいと思いますので、本日お話した事が少しでも皆さまが今後のキャリアを考えるにあたってお役に立てばと思っています。」