国際キャリアフォーラム （オンライン開催）

株式会社シェリーココは、ベナンで「パーニュ」と呼ばれる色鮮やかなアフリカ布を使った商品を製作し、日本で販売を行っています。浴衣、アパレル、キッチン用品、インテリア雑貨など日本人に馴染みのあるアイテムを展開し、ベナンの女性たちの雇用をサポートしています。

川口氏：

「高校生の頃、母の勧めで、視野を広げるために１年間タイへ留学していました。現地で貧富の格差に衝撃を受けて、将来は開発途上国の人たちのために仕事をしたいと強く思いました。大学時代には、カンボジアのスタディツアーや、東日本大震災のボランティアに5回参加しました。就職活動では第一志望のJICAを受けるも叶わなかったのですが、アルバイトをしながら、青年海外協力隊には合格することができました。元々行こうと考えていた留学と迷いましたが、現場を経験できる協力隊の道を選び、ベナン共和国の青少年活動に参加しました。

ベナンの青少年活動では、学校保健と衛生問題に取り組み、手洗い指導やマラリアの啓発活動を行っていました。その時に出会った当時16歳の女性が、今ではビジネスパートナーでもあるベルアンジュです。ベルアンジュと共に、パーニュを使用した商品制作を行い、クラウドファンディングで集めた資金で現地にアトリエを建てることができました。シェリーココのものづくりは、『日本のマーケットで売れる』、『アフリカ布に関心の無い人にも興味を持ってもらえる』、『技術レベルの高くないベナン人でも製作可能』という３点を大切にしています。

コロナ禍で輸送がストップし、渡航もできなくなってしまいましたが、現地と遠隔で製作活動を行う中で、『ベナン教育支援プロジェクト』をスタートさせました。このプロジェクトは、お客様からリクエストをいただいたスマートフォンケースやマグカップなどにオリジナル柄をプリントし、売り上げの一部をベナンの教育支援活動に寄付するというものです。私は『解決したい課題』が存在して初めて『ソーシャルビジネス』として成り立つと思っています。現地の人々との信頼関係を築き、自分ではなく『彼らが主役』という視点を持って、活動を続けられる起業家になりたいです。」