国際キャリアフォーラム (オンライン開催)
イベントレポート
2023年度は「SDGsへの貢献」という観点でキャリア形成を目指す方に向けて、全3回の国際キャリアフォーラムを開催しました。第3回では、「多様な関わり方」と題しまして、国内外の社会問題解決に取り組むNPO法人で活躍されている3名にご登壇いただき、さまざまな関わり方についてお話いただきました。
登壇者
NPO法人アクセプト・インターナショナル 事務局長 杉本優香氏
NPO法人ASHA 技術支援チームリーダー 河合桃子氏
認定NPO法人very50 フェロー 渡邊紗彩氏
◆「採用目線での多様な人材の活躍」編◆
NPO法人アクセプト・インターナショナル 事務局長 杉本優香氏
- 杉本氏:
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「当法人は、今まさに憎しみの連鎖に陥っている国や地域の人々と共に、その連鎖をほどいていくための活動をしているNPO法人です。私は、人事・総務・経理などを担当しており、いわゆるインターンやプロボノまで、広く採用関連に携わっています。インターンやプロボノは、活動にコアに参加している無給メンバーです。メンバーには問題解決の実務者であるという自覚と覚悟を持って参加いただきたいため、3つの条件に同意いただいています。この3つの条件とは、①問題解決にコミットすること、②稼働時間を原則週8時間以上確保すること、③任期中の1年間は継続して活動することです。実際の活動では、部署によってはKPIの達成やスピード感のある対応、戦略に基づいたアイデア出し等を求められることもあります。条件にとらわれないアンバサダーという関わり方もあります。いずれの方法でも参加することで、本業や学業を行いながらでもNPO活動や社会問題解決の経験を積むことが可能です。」
◆「プロボノ」編◆
NPO法人ASHA 技術支援チームリーダー 河合桃子氏
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「私は、普段は国際協力とは関係のないIT企業でエンジニアとして働いています。プロボノを始めたきっかけは、コロナ禍に時間に余裕が生まれ、学生時代のボランティア経験を思い出すようになったことです。学生時代に参加したボランティア活動は、カラコルム山脈の麓の村での植林活動でした。電気やガス、水道のない村で、テント泊をしながらの活動は大変でしたが、刺激的で楽しいものだったことを覚えています。オンラインでできる国際協力の活動がないか探していたところ、ネパールで医療支援の活動をしている当法人の求人を発見。ちょうどエンジニアが不足していたため、プロボノとしてスキルを活かした活動をすることになりました。忙しいときもありますが、本業にて扱っていない技術や、異なる分野のシステム開発にプロボノとして関わることで、仕事の幅が広がったように感じています。技術者として複数のキャリアの軸を持てることはありがたく、プロボノ活動はとても貴重な経験です。」
◆「副業」編◆
認定NPO法人very50 フェロー 渡邊紗彩氏
「当法人にて、大学時代にはインターンとして、現在は外部フェローとして、大学生や高校生に向けた教育事業に関わっています。私の本業は広告代理店での勤務です。就職後も国際協力活動を続けたかったため、当法人での外部フェローという関わり方を選択しています。就職活動では、いずれは国際協力の世界に行きたいと思うものの、自分の将来のビジョン、キャリアのため、まずは一般企業に就職し、マーケティングや広告運用のスキルを身に付けることを優先しました。当法人では、私のような外部フェローや業務委託など、多様な関わり方が可能です。当法人のミッションである『自立した優しい挑戦者を増やして、世界をもっとオモシロク』に強く共感した仲間が集まっており、国内外での「教育事業」と「ソーシャルビジネス支援」の二つの活動を行っています。自分たちが描くビジョンを必ず実現できると信じて活動する仲間の想いや熱量の高さに、私も大きな刺激を受ける日々です。」
◆質疑応答◆
参加者のみなさんから寄せられた質問に対して、杉本氏、河合氏、渡邊氏よりそれぞれの視点からご回答いただきました。
※以下、質問内容を一部抜粋して紹介します。
その他の質疑応答について気になる方は、「第3回のQ&Aはこちら」よりご覧ください。
質問1 副業・プロボノに向いている方は?
- 杉本氏:
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「関心のある団体のミッションやビジョンに共感し、一緒に達成したいという強い思いを持てるかどうかが重要だと思います。またある程度、副業やプロボノ活動の優先順位を上げて、時間が確保できる方だといいでしょう。」
- 河合氏:
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「『自分から動ける人』ですね。私たちは、ほぼ全員がプロボノですので、組織としてきっちり人に指示を出すようなことがありません。そのため、自分で考えて自分で動ける人でないと活動を続けていくのは難しいかなと思います。」
- 渡邊氏:
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「私は本業の有給休暇を使いながら、フェローとして働いていますが、スケジュール調整が大変なときもあります。活動を継続するには、目的を見失わず、モチベーションを保つことが重要です。『なぜ自分が副業やプロボノをやっているのか』を立ち戻って考え、しっかりと目的を持って動ける方が向いていると思います。」
質問2 本業と両立する上で大変だと感じるところ、工夫していることは?
- 河合氏:
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「時間が限られているので、優先順位をつけて仕事を回すことが大切です。業務で切り出せるところは、ほかのメンバーにお願いすることもあります。アウトプットの質は絶対に落としたくないので、質に影響しない作業に時間をかけず、本当にやらないといけないことを優先するように心がけています。」
- 渡邊氏:
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「本業と副業との両立で本当に手一杯になったときは、団体の担当者に直接相談して、調整をお願いすることもあります。また、私しか担当できないものは、休日を利用して作業することも。もちろん大変なときもありますが、やりがいや目的がモチベーションになっているので、少しくらい大変でも頑張ることができています。」
- 杉本氏:
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「当法人では、『業務の本質を見抜く』というキーワードがよく飛び交っています。一つのことをやるにしても、いろいろなやり方がありますが、目指したいゴールは何なのかを考え、そこから逆算し、最短かつ効率よく動ける方法を常に模索しています。」
質問3 入社前と入社後でギャップを感じたところは?
- 杉本氏:
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「代表との距離の近さです。学生時代は、雲の上のような存在だと思っていましたが、実際に中に入ってみると、学生でもけっこうカジュアルに話ができたり、自分の意見を直接伝えたりできることが分かりました。」
- 河合氏:
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「やはり、学生時代のボランティアと、プロボノとして参加する活動とは、全く違うものだな、と日々感じています。プロボノは自分で考え決めて動かないといけないことが思った以上に多く、それが大変でもあり、やりがいでもありますね。」
- 渡邊氏:
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「中にいるスタッフの方々の熱量の高さです。また、動かしているプロジェクトの多さにも驚きました。コアメンバーは9名いますが、本当にこの人数で回しているのかと驚くほどのプロジェクトがあり、皆が大きな裁量権を持ちながら仕事をしています。」
※当日いただいた質問から一部抜粋して回答しております。
〈登壇団体のキャリア図鑑記事も合わせてご覧ください〉
・キャリア図鑑:NPO法人アクセプト・インターナショナル 黒澤さん
https://partner.jica.go.jp/Contents/careerDetail?htmlName=NT-135
・キャリア図鑑:NPO法人ASHA 眞能さん
https://partner.jica.go.jp/Contents/careerDetail?htmlName=NT-134