国際キャリアフォーラム(オンライン開催)

イベントレポート

セッション「広報・マーケティングスキルを活かした国際協力業界での活躍」

18:35~19:45
吉田 幸治特定非営利活動法人 国境なき医師団日本
ファンドレイジング部
ディレクター


国境なき医師団(MSF)は、1971年にフランスの医師とジャーナリストによって設立されました。アフリカ、中東など医療ニーズが満たされない地域を中心に世界72の国と地域で、戦争、貧困、自然災害などで命の危機に瀕した人たちに無償の緊急医療援助活動を行い、その活動資金を調達するための広報、アドボカシー活動にも取り組まれています。


吉田氏:

「ファンドレイジングとはNPOが個人、法人、政府などから活動資金を集める行為の総称です。単に資金を集めるだけではなく、人々の共感、納得、信頼感を得て理解を広げていくことが重要です。そのためには、人々の苦境を伝え、団体の医療活動の内容を紹介し、寄付や周知、参加を促せるプロセスを重視しています。資金を集めることが重要ですが、どんな資金でも集めれば良いというわけではなく、武器を作っている企業や団体イメージに悪影響を及ぼす恐れがある場合には寄付を辞退するなど、資金元や集め方に拘ることがMSFのファンドレイジングの特徴です。

私は大学卒業後、興味を持っていた経営や英語に関わる企業に漠然とした気持ちで就職し、その後IT業界やコンサルティング業界で転職をしてマーケティングなどの経験を積んできました。仕事が落ち着いていく一方で、『自分は何のために仕事をしているのだろう?』、『誰に何を提供しているのだろう?』ということを悶々と考えていましたね。30歳過ぎから、キャリアパス構築において『生活の糧(経済的な報酬)』、『成長の機会』、『他者への還元』という3つの軸を意識するようになり、青い鳥(自分の理想)を探していたこの時期には、『他者への還元』をどうやったら充実させることができるのか模索していました。そんな時に目にしたのが自分の経験が活かせるMSFの求人でした。

私がこの仕事をしていて良かったと思うことは、命が助かり、その命を助けているのが私たちの仲間だということです。寄付者の方から『良い寄付先が見つかってよかった。』と言われることにも喜びを感じますね。一方で、私が『助けたい』と思う気持ちは自己実現欲求でもあるので、上から目線にならずに“援助させていただく”という視点を大事にしています。仕事をする上では、“なぜ?”と問を立てる習慣は大事ですし、英語が使えるということ、分析力、今後はプログラミングやITなどのスキルがあると役立つと思います。私の未来のキャリアプランとしては、海外派遣スタッフ、MSF以外でファンドレイジング・コンサルタント、他企業でCSRやアドボカシー活動をするなど様々な選択肢があると考えています。」



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