団体からのお知らせ 詳細
- 掲載日
- 2021/02/25
- タイトル
- 2021年1月15日(金)国際協力JOBセミナー「国際機関で働く」オンライン開催報告
- お知らせ種別
- イベント
- 本文
1月15日にオンライン開催された第3回JICA国際協力JOBセミナー「国際機関で働く」では、243名の方にご参加いただきました。
はじめにJICA人事部開発協力人材室の吉田より、国際協力業界全体のアクターについてご紹介した後、外務省国際機関人事センター課長補佐の中野美智子氏より国際機関での働き方とJPO制度についてお話いただきました。
続いて、現役国際機関職員として活躍するUNDPヨルダン事務所 プログラム専門官 工藤香奈氏、そしてWFPミャンマー事務所 パートナーシップ・コミュニケーション・レポートユニット長 藤原実紀氏より、仕事内容や業務に必要な資質についてお話いただきました。
各登壇者からのメッセージの概要は以下の通りです。
■国際機関での働き方とJPO制度について
外務省国際機関人事センター 課長補佐 中野美智子氏
国際機関での働き方は基本的にポストごとの任期付きの採用となっており、即戦力が求められる為、専門性が非常に重要になってきます。また、国際機関における業務は大きく分けてフィールド業務と管理部門の業務があり、選択肢も実に様々なので、自分の専門性を極めた上でそれに合ったポストを国際機関の中から探していくということが重要になります。若手の日本人が国際機関に就職する方法には主に、空席公募・JPO派遣制度・YPPの3種類があり、特に、国際機関人事センターの実施するJPOは、空席公募に比べると比較的倍率が低く、国際機関職員としての実績を積み、人脈を形成する最初のステップを経験できる制度になっています。国際機関を目指すために、今すぐにできることは情報収集です。空席情報にある職務記述書を読むことで、ポストごとに異なる具体的な職務内容や求められる資質、学歴・職歴の必要条件が確認できます。また、職歴にはカウントされないもののインターンシップに参加してみることも貴重な経験になってきます。さらに、国際機関に就職した先輩たちの体験談が外務省国際機関人事センターや国連フォーラム等に掲載されているので是非参考にしてみてください。関心のある分野で実際に働く先輩の経歴を辿ることでヒントが見えてくることもあります。世界中の国連関連機関で働く約900人の日本人職員に続いて、皆さんも自身のスキルを活かしながら国際社会に貢献していただけることを願っています。
■現役国際機関職員としての仕事内容と業務に必要な資質について
UNDPヨルダン事務所 プログラム専門官 工藤香奈氏
高校生のときフィリピンのマニラに短期留学をした際に、東京とマニラとでは大きく状況が異なると感じたことをきっかけに、世界の都市を研究することに関心を持ちました。それ以来、米国大学卒業から現在まで、一貫して都市計画・都市開発という自身の専門性に沿ったキャリアを構築してきました。特に、国際機関へのキャリアチェンジのきっかけとなったのは、JICA青年海外協力隊でザンビアの地方自治住宅省に都市計画プランナーとして派遣されたことです。開発へのネガティブなイメージが現地の人々の間で浸透している中、開発とは本来誰のためなのか、を考えながら主体性のある持続可能な開発プロジェクトの推進に努めました。その時の経験が、その後も都市開発を仕事にしたいという思いにつながりました。他にも、JICA本部でのインターンシップや開発コンサルティング企業での勤務などを通して国連以外の開発援助機関の働き方を知る事ができ、その経験は国連で働く上でも活きていると感じます。
国際機関を目指す皆さんにお伝えしたいのは、国際機関に入ることをゴールとするのではなく、そこからがスタートであることを心に留めておいてほしい、ということです。専門性や本当に好きなことを強く持ち、国際機関で実際に何をしたいのか具体的なイメージを持つことがとても大切だと思います。
WFPミャンマー事務所 パートナーシップ・コミュニケーション・レポートユニット長 藤原実紀氏
大学卒業後、航空会社での勤務を通して約30ヵ国ほどの途上国を訪れた際に、基本的ニーズが満たされていない最貧困層に出会い、飢餓撲滅や最貧困層の自立支援に携わりたいと思ったことが国際機関へのキャリアチェンジのきっかけです。JPOに合格してWFPミャンマー事務所に勤務するまでに、国連ボランティアや青年海外協力隊として国際機関で働いた経験、外務省の経済協力専門員としてドナー側の視点を学べたことが、現在の業務に活かされていると思います。
即戦力が求められる厳しい場で、時には困難に直面することもありますが、それ以上に、同じ「飢餓撲滅」という目標に向けて一致団結して活動することや、様々な価値観を持った同僚と働ける楽しさ、発見や挑戦の多い環境など、やり甲斐の多い仕事です。モチベーションが強ければ強いほど、努力するためのエネルギーの源となるので、具体的なイメージを持ってモチベーションを維持する事が大切です。そして英語力に関しては、人と上手くやっていくことや人脈形成に必要なコミュニケーションツールとしてだけではなく、ライティングのレベルも高ければ国際機関での現場で重宝されるので、今から英語力の向上にも努めてください。そして、何よりも、現地の文化を理解し、何事にもポジティブに向き合える適応力は国際機関で働く際に欠かせません。
※セミナーの詳細は動画でご覧ください。
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