アソシエイト専門員とは
概要
国際協力の現場での実務経験を複数積んだ中堅人材が、JICA本部の様々な分野の開発課題の解決を担う部署において、援助方針立案等の国際協力の現場とは異なった業務経験を通じて、効果的な国際協力をJICA内外関係者と共創し、牽引する経験を積むことが出来るポストです。
JICAの各分野の協力方針を定めた課題別事業戦略「グローバル・アジェンダ」の取りまとめや開発途上国が抱える課題・解決方法等について、国際協力専門員、JICA職員とともに知見の蓄積・共有・発信を行ったり、 JICAが実施する各種事業において、幅広い知見をもって相手国関係者・国内関係者へ指導、助言などを行うことが期待されています。また、さまざまな機会において国際協力専門員等とともに日本の開発経験・援助経験を国際潮流に 反映させたり、他の国際機関等との連携を促進する役割も期待されています。
大学、研究機関、シンクタンクなどさまざまな業界で活躍してきた人材や、医師・弁護士など高い専門性を有する人材で活躍をしてきた人材が、国際協力の協力方針立案に今までの経験を生かすことも期待されています。
契約終了後の活躍
アソシエイト専門員は、2023年度に導入されたため、まだ契約終了となった人材はいませんが、アソシエイト専門員の仕事を通じて、専門分野における国際協力手法・潮流などの知識の更新や、国際協力の現場と援助方針の結節点としての役割経験、また、JICA勤務を通じて広がるネットワークも活用して、JICA事業(専門家、開発コンサルタント)、国際機関、研究機関などで継続的に国際協力の分野で活躍することが期待されます。
将来的には、様々な経験を経た後に、国際協力専門員として活躍する方が輩出されることも期待しています。
求められる資質と能力
求められる資質と能力は個々の案件により異なりますが、一般的にアソシエイト専門員において必要とされるレベルは以下のとおりです。
(「国際協力人材に求められる6つの資質と能力」も併せてご参照下さい。)
アソシエイト専門員は、6つ資質・能力がある程度備わっていることが望まれますが、分野・課題力については、実務を通じての知見を含め高いものが望まれます。
分野・課題専門力
アソシエイト専門員は、援助方針の立案などの場面で専門力に裏付けされた貢献が求められるため、分野・課題専門力についての十分な知識と経験が不可欠です。このため、応募資格の中に「応募分野における10年以上の業務経験を有する方」という条件が挙げられています。また、技術協力専門家又は企画調査員等としての派遣又はこれと同等の見なされる実務経験を3年以上有していることが求められます。
アソシエイト専門員は、専門分野の知識を活用しつつ、常に新しい知識やその分野の新しい傾向を知るために、関連分野の学会や研究会の動向を把握することが求められます。また、技術・経済の発展に応じて、適切な技術・手法を導入することも重要であることから、過去の技術・制度の発展の歴史などについても知っていることが望ましいです。
総合マネジメント力
アソシエイト専門員は様々な関係者との連携と協力が必要なケースが多くあり、一定程度の総合マネジメント力が求められます。このため、プロジェクトマネジメント経験などを有していることが望ましいです。
問題発見・調査分析力
アソシエイト専門員は、JICAの分野ごとの協力方針の立案や、(場合によっては)個別のプロジェクトでの課題解決への助言が求められています。このため、様々な場を通じて発表される情報を収集し、分析を深めることを通じて、JICAとしてどのような支援を行うことが出来るかを多角的に検討することが求められています。また、新たな情報ソースを開拓したり、新しい視点で分析をしたりすることが求められています。
コミュニケーション力
様々な経験・背景を有する関係者との連携と協力が必要なことから、状況や相手の背景を踏まえた適切な表現を用いるとともに、行間を読むことが出来るコミュニケーション力が必要です。また、ご自身がこれまで構築してきたネットワークのJICA業務での活用とあわせて、JICAが有するネットワーク、更には新たなネットワーク形成・維持・拡大にも意欲的に取り組んで頂くことが期待されています。
語学面では、英語の資料を読みこなすことが必要であるため、アソシエイト専門員の募集ではTOEICの860点以上のスコアを有していることが期待されています。
地域関連知識・経験
支援対象国の状況を踏まえた援助方針を立案するために、複数の国の事情についての知識を有していることが期待されます。
アソシエイト専門員の場合、いままで経験をしたことがない国について対応を求められることが想定されるため、それぞれの国が置かれた状況を理解するための枠組みを持ち、言語化・整理できていることが期待されます。