専門嘱託とは

JICA職員のうち、期限を定めた契約に基づき、JICA事業や組織運営にかかる特定の業務に従事します。
業務内容についての専門性を高めるとともに、国際協力の経験、キャリアを積むことができます。
一定条件を満たす方について正職員への登用制度もあります。

<キャリア紹介>

名前:岡山 仁美
所属:安全管理部 安全対策第一課
キャリアパス:
国立大学病院(病棟看護師)3年6ヵ月

イギリス National Health Service 看護助手 1年6ヵ月

国立大学病院(ICU看護師)2年6ヵ月

現職

現在の業務内容:

安全管理部では、JICA在外事務所と連携し、各国に展開する事業に従事している関係者の安全管理に取り組んでいます。在外事務所が地域密着型で治安情勢を確認する一方、本部では世界・地域情勢を横断的に確認し、それらがどうJICA事業や関係者の安全確保に影響を及ぼすかを検討し、組織的な安全対策を提案、実施しています。また、関係者の安全意識向上・行動変容を目指した研修の実施など、安全管理に関するスタッフ教育も担っています。私は中東・欧州班に所属し、担当地域の治安情勢をフォローしつつ、各部署との窓口の役割を担い、関係者の安全確保に努めています。

業務で感じるやりがい:

安全管理部は、私がいた医療現場とはかけ離れた部署と思われることが多いですが、リスクアセスメントや事故・人為的ミス防止を目的とした組織的な安全対策の構築、スタッフ教育への取り組みは通じるものがあり、やりがいがあります。「安全管理」は、どの業種においても土台であり、共通項です。治安情勢の収集・分析だけでなく、適時適切な安全対策や迅速な有事対応といった業務を通じ、国際協力人材が培うべき重要な視点を学べる仕事です。


名前:加藤 かをる
所属:北海道センター 市民参加協力課
キャリアパス:
インテリアメーカー(営業職) 2年

総合商社(事務職)1年6ヵ月

総合リース業(事務職)4年5ヵ月

独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)(海外展開支援)2年5ヵ月

現職

現在の業務内容:

北海道センターで民間連携事業を担当しています。地域の企業の優れた技術や製品、アイディアを用いて、SDGsの達成を通じ開発途上国が抱える課題を解決し、同時に企業の海外でのビジネス展開の実現を目指す「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に関わる業務を主に行っています。具体的には企業からの応募に向けたコンサルテーション対応、選考関連業務、契約交渉関連業務、案件監理、関係支援機関との連携業務等です。また事業の周知活動や、企業のもつ有望技術の情報収集にも務めています。

業務で感じるやりがい:

開発途上国が抱える課題解決に、「中小企業・SDGsビジネス支援事業」を通じて出身である北海道の企業の製品・技術が活かせる、その支援ができることにやりがいを感じます。企業が海外展開に夢をもって取り組んでいる様子を間近で見ることができ、自身ももっと多くの知見や経験を蓄積し、国際協力の業務に活かしたいというモチベーションになります。学ぶべきことは無限にあり、さらなるスキル向上を目指し、日々業務に臨んでいます。


名前:後藤 亜由美
所属:社会基盤部 都市・地域開発グループ第一チーム
キャリアパス:
市役所(窓口、市民活動支援)7年

JICA海外協力隊(ラオス/コミュニティ開発)2年

教育業界(経営企画・総務)1年

現職

現在の業務内容:

国内外の地方創生・多文化共生に関する事業の推進と、留学生事業を担当しています。前者では、日本と途上国の地方の相互発展を目指し、地方創生に資する技術協力プロジェクトの新規形成や既存案件を通して、日本と途上国における地方自治体等の連携促進を図っています。後者では、都市・交通分野の途上国の行政官を修士・博士留学生として日本の各大学で受け入れており、定期面談等での研究支援のほか、独自のプログラムを企画し、留学生の日本理解の深化や都市分野の関係者ネットワーク構築、日本関係機関の国際理解の深化や多文化共生を促進しています。

業務で感じるやりがい:

技術協力プロジェクトや留学生事業を通して、国際協力の一端を担えること、相手国政府や日本の関係機関との信頼関係を醸成していくことに、大きなやりがいを感じます。また、高い目標を掲げ、その実現に向けて、ある程度の裁量を持って業務を進めることができ、さらに新たな挑戦を歓迎する職場環境であることも、働く意欲に繋がっています。事業推進のための知識習得、企画提案や文化の異なる様々な関係者との調整など、一筋縄ではいかないことが多いものの、それらがクリアされて事業が成功した時には、大きな達成感を味わうことができます。


※専門嘱託の契約終了後のキャリアは様々ですが、PARTNERでJICA内外の国際協力関連ポストを探してキャリアを形成するケースや、JICAの登用制度を利用して無期雇用職員になるケースなどもあります。

<キャリア紹介:専門嘱託から無期雇用職員へ>

名前: 村上 和永
所属:中南米部 中米・カリブ課
キャリアパス:
公立高校教員(英語)3年

JICA海外協力隊(小学校算数教育)2年

英国大学院(開発教育学修士)1年

国連児童基金(UNICEF)駐日事務所 (インターン)4ヵ月

JICA中南米部中米・カリブ課 (専門嘱託)1年9ヵ月

現職

登用制度に挑戦した理由:

専門嘱託として中南米部で経験を積む中で、これまで従事してきた教育セクターにおける課題だけでなく、様々な開発課題が複雑に絡み合った開発途上国の困難に直面し、1つのセクターに限らない幅広い視野を以て今後もJICA事業に関わりたいと思い、登用制度へ挑戦しました。実際に無期職員となったことで、より中長期的に自身のキャリアと向き合うことができ、おのずと多種多様なチャレンジをする機会があると感じます。また、上長やチームメンバーにも恵まれたことがより長くJICAに貢献したいという想いを後押ししました。

業務で感じるやりがい:

担当レベルであっても数百億円規模の裁量があり、各国の中央省庁や要人と直接コミュニケーションを取りながら案件形成やモニタリングに携われることは非常に大きなやりがいであると感じます。加えて、普段業務やルーティンワークだけに留まらず、組織の肩幅に収まらない革新的なアイデアを創出し、新規事業を創り上げるというスタートアップ精神をサポートしてもらえる雰囲気があり、常に新しいことに挑戦できることが大きな魅力です。