専門嘱託とは

JICAの本部や国内及び在外の拠点において、JICA事業や組織運営にかかる特定の業務に従事します。
業務内容についての専門性を高めるとともに、国際協力の経験、キャリアを積むことができます。
一定条件を満たす方について正職員への登用制度もあります。
なお、所属や職制等はインタビュー当時のものです。

<キャリア紹介>

名前:
後藤 暁子
所属:
地球環境部 防災グループ防災第二チーム
現在の職制:
専門嘱託
キャリアパス:
組織系建築設計事務所(構造設計) 12年
 ↓
現職

現在の業務内容:

防災・復興分野のうち、地震災害に関する事業を担当しており、当該分野における関係機関と連携しながら、持続可能な開発目標(SDGs)や仙台防災枠組(SFDRR)の達成を念頭に、気候変動や都市化に伴い増大する開発途上国の災害リスク削減に貢献することを目指しています。具体的には、アジア、大洋州、中南米等における防災/災害復興・Build Back Better推進分野で、技術協力プロジェクト等の新規案件形成や既存案件の実施監理に携わっています。また、国内外の防災・復興に関する情報収集やその分析も行っています。

業務で感じるやりがい:

技術協力プロジェクトなどの案件をとおして、前職の経験を活かして国際協力の一端を担えることに大きなやりがいを感じます。相手国関係機関と直接コミュニケーションを取りながら、防災・復興分野の専門家と一体となって案件を進めることができるのも大きな魅力です。また、日本がこれまで蓄積してきた防災の知見や技術に加え、担当国や世界的な防災分野の潮流に関して理解を深める機会にもなっています。


名前:
髙井 枝里子
所属:
中部センター 企業連携課
現在の職制:
専門嘱託
キャリアパス:
国内中小メーカー(営業職) 4年5ヵ月
 ↓
外務省国際協力局国別開発協力第三課(期間業務職員) 1年1ヵ月
 ↓
外務省国際協力局事業管理室(経済協力専門員) 2年
 ↓
個人事業主(事務職) 2年8ヵ月
 ↓
現職

現在の業務内容:

中部センターで民間連携事業を担当しています。地域の企業の優れた技術や製品、アイディアを用いて、開発途上国が抱える課題を解決し、同時に企業の海外でのビジネス展開の実現を目指す「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に主に携わっています。具体的には企業の応募に向けたコンサルテーション対応、選考関連業務、契約交渉関連業務、案件監理、関係支援機関との連携業務等を行っています。また事業の広報活動(動画作成、セミナーの実施や関連展示会へのブース出展等)や企業の有望技術の情報収集も行っています。

業務で感じるやりがい:

途上国が抱える課題を解決すると共に、地域の企業様が海外展開するという2つの目的を進めていけることが民間連携事業の醍醐味であり、やりがいです。JICA内部の関連部署のみならず関係支援機関等、多くの方々と協力しながら業務を進めるのは、苦労はありますが得るものも多く、働く意欲に繋がっています。また、幅広い業種・国・課題に携わることができ、自身の知見不足を痛感しつつもその分スキル向上に繋がると感じており、それも魅力の1つです。


名前:
大野 沙織
所属:
審査部 マクロ経済審査課
現在の職制:
専門嘱託
キャリアパス:
外務省 国際協力局(経済協力専門員) 1年
 ↓
在ルワンダ日本国大使館(経済協力調整員) 9ヵ月
 ↓
世界銀行(インターン) 6ヵ月
 ↓
現職

現在の業務内容:

私が所属するマクロ経済審査課では、JICAのエコノミストとして、途上国の政治経済の情報収集やソブリン信用力の審査を行っています。また、年に数回、出張を伴うマクロ経済調査を実施し、現地で得た情報を基に分析レポートを作成しています。私は、東南アジア3ヵ国、中南米7ヵ国の合計10ヵ国を担当しており、それらの国々について日々情報収集を行っています。さらに、JICA内の他部署に向けて、政治経済に関する情報提供を行う役割も担っています。

業務で感じるやりがい:

担当国の政治経済に関する情報収集を続ける中で、その国への理解が深まっていくことや、情報提供という形でJICA全体への貢献を感じられることに、やりがいを感じています。また、プロ意識が高く、新しい挑戦を歓迎する職場環境に、いつも刺激をもらっています。IMF等の国際機関から学ぶ機会もあり、自分自身を成長させることができる場だと思っています。


※専門嘱託の契約終了後のキャリアは様々ですが、PARTNERでJICA内外の国際協力関連ポストを探してキャリアを形成するケースや、JICAの登用制度を利用して無期雇用職員になるケースなどもあります。

<キャリア紹介:専門嘱託から無期雇用職員へ>

名前:
村上 和永
所属:
中南米部 中米・カリブ課
キャリアパス:
公立高校教員(英語)3年
 ↓
JICA海外協力隊(小学校算数教育)2年
 ↓
英国大学院(開発教育学修士)1年
 ↓
国連児童基金(UNICEF)駐日事務所 (インターン)4ヵ月
 ↓
JICA中南米部中米・カリブ課 (専門嘱託)1年9ヵ月
 ↓
現職

登用制度に挑戦した理由:

専門嘱託として中南米部で経験を積む中で、これまで従事してきた教育セクターにおける課題だけでなく、様々な開発課題が複雑に絡み合った開発途上国の困難に直面し、1つのセクターに限らない幅広い視野を以て今後もJICA事業に関わりたいと思い、登用制度へ挑戦しました。実際に無期職員となったことで、より中長期的に自身のキャリアと向き合うことができ、おのずと多種多様なチャレンジをする機会があると感じます。また、上長やチームメンバーにも恵まれたことがより長くJICAに貢献したいという想いを後押ししました。

業務で感じるやりがい:

担当レベルであっても数百億円規模の裁量があり、各国の中央省庁や要人と直接コミュニケーションを取りながら案件形成やモニタリングに携われることは非常に大きなやりがいであると感じます。加えて、普段業務やルーティンワークだけに留まらず、組織の肩幅に収まらない革新的なアイデアを創出し、新規事業を創り上げるというスタートアップ精神をサポートしてもらえる雰囲気があり、常に新しいことに挑戦できることが大きな魅力です。