黒澤 かおりさん
国際協力NGO/NPO
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NPO法人 アクセプト・インターナショナル
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40代
NPO/NGO スタッフ
平和構築
キャリア年表
プロボノ
2020年〜現在
NPO法人 アクセプト・インターナショナルにプロボノとして。
私が見つけたプロボノのやりがいや魅力。
国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?
小さい頃から異文化に触れ、人と交流することが好きでした。英語を習い始めた中学生の頃には、当時まだメールはなかったため文通という形で色々な国の同世代の子供たちとやりとりをしていました。大学生になってからは、実際に日本以外の国を見てみたいと思うようになり、いろいろな国を旅行しました。当時の私の興味は海外という面が強く、それが国際協力に繋がったのはカンボジアを訪問したことがきっかけです。当時のカンボジアでは、大人の数が少なく、また腕や足の一部を失った人も多くいました。その横で子供たちが無邪気にお金や食事を観光客に求める姿はとても衝撃的で、当時の私はどうしたらいいのかわかりませんでした。
これまでにどのようなキャリアを歩んでこられましたか?
新卒でIT系の民間企業に就職し、システム構築の業務に携わってきました。現在も同じ企業に勤務していますが、数年前から会社以外の場で活動をしたいと考え、海外の社会課題解決に取り組むベンチャー企業を支援する短期プログラムに参加しました。この経験を通して、自分の持っているスキルや経験が役に立つということ、またそれを必要としてくれている人がいるということに気付かされました。プログラム終了後、より長期に渡って自分のスキルや経験を使って何か・誰かに貢献したいと考え、国内で本業の傍らでプロボノとして関わることができる団体を探していたところ、現在の団体に出会いました。
現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?
本業での経験やスキルを活かして、主にバックオフィス業務で、支援者の皆様とのコミュニケーションに関する業務設計や効率化、ITツールの導入などを推進しています。年を追うごとに支援者の数は増加しています。団体の活動を広げていくためにも、支援者の皆様の存在はなくてはならないものです。そうした支援者の皆様との円滑なコミュニケーションを図るため、また限られた人員でバックオフィス業務を行うために業務の見直しや効率化に取り組んでいます。
これ以外にも、プレゼンテーション資料のチェックやリサーチ、外部の団体等との渉外など、自分のスキルや経験を活かせることは何でも行っています。
現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?
現在の業務というよりプロボノに対してになりますが、これまで知ることのなかった情報や考え方に触れ、自分自身の視野が広がったと感じます。また、民間企業勤務の経験のみでは出会うことはできなかったであろう人々に出会えることもプロボノとして関わる魅力のひとつです。現在の団体には、職員の他にも多様なバックグラウンドを持ったインターン・プロボノが多数参画しており、いろいろな方とのディスカッションは大変有意義です。そして何より、これまで自分が培ってきた経験やスキルで、課題に真摯に向き合い、その解決に人生を捧げる人々の役に立てることは私にとって一番のやりがいです。
今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。
現在プロボノとして関わっている団体の活動規模や範囲の拡大に向けて、本業やプライベートとのバランスをとりながらできる限り長く裏方として引き続き貢献したいと思っています。これまでは現在保有する知識や経験を活かして活動してきましたが、これからは自身が貢献できる幅をより広げるために、専門的な知識を習得したり、NPOやNGO特有の業務などについても理解を深めていきたいと思っています。また、プロボノとしてソーシャルセクター*に関わることのおもしろさや有意義さももっといろいろな方に伝えられたらいいなと思っています。
*ソーシャルセクターとは社会課題解決を目的とした組織・団体の総称であり、非営利のみならず営利団体も含まれます。
国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。
国際協力と聞くと、現場で活動することを思い浮かべる人が多いですが、実際には国際協力への関わり方はいろいろな方法があります。フルタイムでなくとも、現場で活動しなくとも国際協力は可能です。そして、国際協力に取り組む団体の多くは民間企業などで培ったスキルや経験を持った人材を求めています。自分には貢献できるスキルがないと躊躇する方も多いですが、思いもよらぬ形で自分のスキルや経験が活かせる場があります。それは、自分自身のスキルの棚卸にもつながり、新たな気づきや自信を与えてくれます。国際協力に関わりたいという思いを持っている方には、自分なりの関わり方を模索し、その思いを実現してほしいと思います。
〈同団体が登壇したキャリアセミナーのイベントレポートも合わせてご覧ください〉
2023年度国際キャリアフォーラム「『SDGsを仕事にする』とは? ~全3回シリーズで考える~」
第3回「多様な働き方」
https://partner.jica.go.jp/Contents/staticContents?htmlName=career_forum_report_20240130