着て、知って、国際協力!
「世界の民族衣装展」から見える世界


皆さんが思い浮かべる国際協力とは少し違う、「ちょっと変わった国際協力」の事例をライターが取材して実際に体験!今回は、国際協力初心者であるライターYが、民族衣装に触れ・身にまとえるイベント「肌で感じる、世界の民族衣装展」を取材してきました。


イベント概要

  • 開催期間:2024年2月2日(金)〜3月3日(日)(※終了済みのイベントとなります)
  • 主催:独立行政法人国際協力機構(JICA)
  • 会場:ITOCHU SDGs STUDIO GALLERY(東京都港区北青山2-3-1 Itochu Garden B1)

着て、撮って、世界の魅力と課題を知れるイベント

“世界や世界の課題を知って、国際協力に参加するきっかけづくりの場”として開催された「肌で感じる、世界の民族衣装展ー着て、撮って、世界を学ぶ写真館ー」。
世界各地の伝統的な民族衣装をはじめとするさまざまな展示を通じて、来場者の皆さんに楽しい体験を提供しながら、それぞれの地域が持つ魅力や直面している課題に触れてもらうことを目指しているそうです。

「国際協力」と聞くと、未経験の私はつい身構えてしまうのですが……世界の衣装が見られて、さらに着て、写真まで撮れるなんて、とっても楽しみです!

本当に触ってOK! ブースで地域ごとの特徴を体験

早速、実際に展示会場に入場すると、左右の壁際には、アフリカ、中東、アジア、中南米と、エリアごとに分けて展示された世界の民族衣装と、各地域の民芸品や展示物がずらりと並んでいます。
現地で作られた本物の衣装は、どれも精巧で美しく、本当に触れても良いのかな? とドキドキするほど。

この企画展は既に終了していますが、実は、ここで展示されている衣装は市ヶ谷の「JICA地球ひろば」で実際に試着出来るものも多いそう。加えて、普段は倉庫の中で眠っていたような物まで発掘し、ここへ持ってきたのだとか。

「JICA地球ひろば」は、開発途上国の現状や課題、国際協力の実情などを体験型で学べる場所ですが、今回は、より多くの人に足を運んでもらいたいとの思いから、外苑前駅から徒歩数分という好立地の会場で出張展示することになったそうです。

勉強のために来た小中学生や、国際協力に興味を持って訪れた学生さんはもちろん、小さなお子様連れの方や、服飾関係に興味のある方、外国人観光客の方など幅広い客層の人たちが来場し、賑やかな雰囲気が漂っている会場。国際協力の視点を外しても、誰もが純粋に楽しめる場となっていることが感じられます。

また、衣装と一緒に各地域の説明が記載されたパネル、伝統食の食品模型、楽器などの小物が展示されています。それらもまた、すべて触れてOK。本物のアルパカの毛を使ったぬいぐるみは、空気のようにふわふわ! 「感覚から、知る」ことで、世界をより身近なものに感じられます。

衣装の他にも目を引かれるのが、アフリカ地域の伝統的な家のミニチュア模型。材質も違えば、土の中が住居になっていたり、家畜専用の部屋があったり、どの住居も日本の暮らしとは大きく異なる馴染みのないものばかりですが、こうして立体的に見ることで、ぐっと理解が深まりますね。

まるでファッションショー!? お気に入りの民族衣装で撮影体験

少し進むと、左右にフォトブースが設置されています。ラックには男性用、女性用、子ども用など、現地で購入したり、現地の方からもらった約50着の世界の民族衣装が。色鮮やかで、見ているだけでワクワクするようなデザインの衣装ばかりです。触れるだけでなく着用までできるとは、かなり貴重な体験!1日先着20名まではポラロイド写真を受け取れるとあり、特に人気のエリアになっていました。

そんな賑いの中、刺繍の繊細さに目を留め、立派な民族衣装の重みを体感すると「どんな人がどうやって刺繍を施したのかな?」「なぜこのようなデザインなのだろう!」と、遠い異国の地で生活を営む人たちのことが、自然と心に思い浮かんできます。 それに、近くで自分と同じ国の衣装を手に取る他の来場者を見ると、なんだか親近感も湧くような……。人と人との繋がりを改めて感じられる体験でした。

楽しさや魅力とともに、現実にある世界の「課題」も知れるように

展示会場奥の右手側には、大きな世界地図と、オリジナルストーリーの手作り絵本が並んでいて、世界地図には来場者が自分の手で書いた付箋が貼れるようになっています。

絵本の中身は、先程までの楽しい雰囲気とは少し異なり、世界の課題をリアルに伝える内容です。朝早くから夜遅くまで、学校にも通えずに過酷な環境のもと働いている少年の話や、まだ子どもなのに30歳も年上の男性と結婚しなければならないアフリカの女の子の話など、架空とはいえ、実際に存在している課題や事実に基づいたストーリーが胸に突き刺さります。

同じ地球で暮らし、素敵な文化を持った人々が、実は課題を抱えているということ。民族衣装や文化の面白さを入口に世界を知り、絵本を読んだあとには、気づけば『私にできることは何か無いだろうか?』と、思いを馳せていました。

絵本を読んで、世界をより良くするためにできることは何か? この会場に訪れて感じたこと、学んだこと、国際協力への考えーー。 世界地図には既に、たくさんの来場者の声が貼ってありました。小さな付箋に込められた大きな思いの数々。
情報を受け取るだけでなく、発信することもとても大切なことですが、こうして会場内でアウトプットを行うことで、国際協力への一歩を踏み出せたような気がします。

「肌で感じる、世界の民族衣装展」から見えた国際協力の景色

世界で起こっている「課題」を想像することは一見難しいことに感じますが、衣装を着てみる、文化の魅力を知るという入口から入ると、ごく自然に興味を持ち、考えることができました。
楽しいだけではない世界かもしれませんが、知る・興味を持つ・考えを発信する、といったことから広がる国際協力があります。 ハードルを上げすぎず、まずは興味を持てるイベントや展示会、勉強会などに参加してみるのも、国際協力の道へと足を踏み入れるための立派な一歩なのですね。
今後もいろいろなイベントに訪れて、国際社会を知るための体験をしてみたいと思います!

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