第12号 連載コラム JICA Innovation Quest ~国際協力の新しい形を創る~「ジャイクエ、はじめます」(第3回)
「国際協力ってなんだかハードルが高い。」
大学生当時の私は、国際協力に対して、そのようなぼんやりとしたイメージを持っていました。「生まれてこの方、大したボランティア経験もないし、国際協力の分野に関わるのは難しそう。」と思い込んでいたようです。
転機があったのは、交換留学先のアメリカでのこと。
難民や移民の二世・三世世代の学生たちに出会ったことがきっかけでした。異国の地で根を張っていった彼らの親世代のこれまでに想いを馳せると共に、メディアでも頻繁に目にする世界中の難民たちが、経済的にも自立し、自身、または自分の子供に十分な教育を受けさせられるような世界にしていきたい、と考えたことが、私にとっての国際協力の入り口でした。
これを契機に、移民学を学ぶことの出来る大学院に進学し、その後、JICAに入構しました。
大学卒業から大学院入学までの間、私は1年半のギャップイヤー(という名の「無職時代」)を設けたのですが、広いコミュニティ・業界に顔を出してインターンやアルバイトをしてみた結果、いわゆる“国際協力業界”の方々だけでなく、民間企業など、色々な立場から「世界のためにできること」の実現を模索している方々が、社会にはたくさんいることを知りました。
世界中のユースの発信とネットワーキングを目的とした国際会議では、大手グローバル企業の社員、起業家、アクティビストなど、地球規模の課題に対して多様な視点・立場から取り組んでいる人々と出会う機会もありました。多様なバックグラウンドを持つ彼らのアイデアは、既存の国際協力のイメージを超えた、突拍子もないけれども面白いものばかりでした。
大学生の頃の私は、国際協力は、“途上国に関する特別なスキル・経験”を持っていないと参加できないものなのだと思い込んでいました。
しかしながら、国際協力に直結しないと思われるような、さまざまなバックグラウンドやスキル・経験が、途上国が持つ課題へのソリューション提供に結び付くことが多々あります。
むしろ、そういった多様なバックグラウンドを持つ人々を結びつけてこそ、複雑化する世界の課題を解決する、革新的なアイデアを創出することが出来るのかもしれません。
本連載でご紹介しているJICA Innovation Questでは、多様なアクターと一緒になって、国際協力に取り組むことを目的としています。JICA Innovation Questを通じて、これまでの経験に関わらず、「世界のために何かしたい」というパッションを持つ多様な方々と出会う事が出来ればと思います。
JICA Innovation Quest チーム、産業開発・公共政策部ガバナンスグループ法・司法チーム
齋藤 友理香
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