第35号 PARTNERコラムラオスの未来を作る若者たちと働く

NPO職員としてこの4月で4年目を迎えました。
4年目とはいえ、まだまだ力不足を実感するばかりで悩みも尽きません。
それでも、この仕事を続けることができる何よりの醍醐味は、現地の人たちと一緒になって働き、そのキラキラした笑顔を見ることです。

去年の11月、担当する環境教育プロジェクトの視察でラオスに行った時のこと。すでに2年間、一緒にプロジェクトを行っている大学の学生たちと話をする機会がありました。

プロジェクトに参加している学生たちによる環境ゲーム作り。
プロジェクトに参加している学生たちによる環境ゲーム作り。

その中で特に印象的だったのが「将来は、あなたのようにプロジェクトを作る仕事がしたいと思っています。自分の村に帰った時に、最初は誰かに手伝ってもらうかもしれないけど、みんなで協力して村をより良くしていけるようなプロジェクトを作るため、卒業までの間にもっともっと勉強したい。」と言ってくれた学生がいたことです。

プロジェクトを始めた当初は、英語どころかラオス語で話しかけても、シャイで照れ笑いを浮かべるだけだった学生たち。途上国あるあるとしてよく言われるような「待ち合わせ時間に集まらない」、「課題をやってこない」という学生も多く、大学の先生に言われたから参加しているような雰囲気で、自分の行動が空回りしていると感じてしまうこともありました。

それでも諦めず、顔を合わせる度に話しかけることを続けていると、英語を勉強する学生も増え、徐々にチームとしてのまとまりが生まれてきました。

今では、一緒に視察に行く村や学校の抱える問題を率先して説明してくれたり、報告書を自分からまとめて送ってくれたり、学生たちのとても頼もしい成長を感じています。一緒に近隣の中学校で環境授業を実施した帰りには、自信をもったキラキラとした笑顔を見せてくれるようになりました。

先生たちとの打ち合わせ中に、子どもたちを誘って自発的にゴミ拾いをする学生たち。
先生たちとの打ち合わせ中に、子どもたちを誘って自発的にゴミ拾いをする学生たち。

私の所属団体がプロジェクトを行う際に一番大切にしているのは、「現地の人たちが主体である」ということです。いつまでも、支援という形を続けるわけにはいかないので、現地の人たちが、自分たちで問題を解決していく力を身につけられるようなプロジェクト作り、運営を心がけています。

そうした中で、自分たちで村を良くするためのプロジェクトを作りたいという言葉が学生から出てきたことは、単に「プロジェクトに参加してよかった」や「支援してくれてありがとう」と言われるよりも、何倍も嬉しい言葉でした。

それと同時に、ラオスの農村で、今後のまちづくりを担っていく学生たちにとって、こうした体験の一つ一つが将来を考えるきっかけにつながるということを改めて実感しました。

私も気を抜くことなく、さらに良いプロジェクトをラオスの人々とできるよう、スキルアップをしていかなければならないと強く感じています。今後もラオスの学生たちと共に笑い合えるような、そして、学生たちを通してさらに笑顔が繋がっていくようなプロジェクトを行っていきたいです。

認定NPO法人日本ハビタット協会
プロジェクト担当
太田祥歌

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