第122号 PARTNERコラム
世界へ一歩踏み出す若者を応援する〜ワン・ワールド・フェスティバル for Youth〜（前編）

特定非営利活動法人関西NGO協議会の栗田佳典です。これからの将来、より充実した国際協力活動を行うためには、若い世代の皆さんの理解と参加が必要不可欠です。また、国際協力に関わる各セクターの連携や協働もますます重要な課題となっています。
私は、「ワン・ワールド・フェスティバル for Youth」というイベントに2016年より担当理事として、2022年より事務局長として関わっています。
このイベントを通じて、高校生・大学生の皆さんに世界的な視野で社会課題を分析する力を持ってもらい、国際協力を理解し、積極的に参加してほしいと考えています。
また、イベントでは、若い世代の皆さんを中心に意見交換や情報交換、発表の機会を設け、国際協力やSDGsの推進に関わる様々なつながりの場を設けています。それらを通して、社会全体のエンパワーメントにつなげたいという思いで毎年開催しています。

2014年、関西NGO協議会が中心となり、日本初の高校生向け国際協力普及啓発事業「ワン・ワールド・フェスティバル for Youth」を開催しました。
それ以来、10年間で延べ34,340人のユース世代がイベントに参加しています。
イベントでは、NGOなどのブース出展や、注目されているテーマを基にしたプログラムを通じて、「国際協力/SDGs/多文化共生」という世界や地域の課題、そしてその課題に取り組む人々に出会うきっかけをユースの皆さんに提供しています。
イベントを通して、「自分も社会の一員であること」や「自分自身の行動が世界とつながっていること」を感じてもらうことを目標としています。

2015年のイベントでは、高校生実行委員会が結成され、これまでに194名の高校生が企画や運営、提言に深く携わってきました。
さらに、卒業生の多くがイベントをきっかけにグローバルな課題に関心を持ち、国際貢献や市民活動に参加したり、大学で関連分野を専攻したり、留学して学びを深めています。
このような報告が耳に入るととても嬉しい気持ちになり、このイベントが学びの幅を広げる良い機会になっていると感じます。

270名の来場者を迎えた2023年度の開催では参加者から以下の感想をいただきました。

このような感想をいただくと、「自分も社会の一員であること」や「自分自身の行動が世界とつながっていること」を感じてもらえているのだと実感し、とても勇気が沸きます。

この年には、コロナ以降4年ぶりにブース出展を再開しました。参加者だけではなく、高校生実行委員（ボランティア）も多くのことを経験しています。
彼らは、どのような思いでイベントを運営したのか、そもそもボランティアになぜ参加しようと思ったのか…など、実施レポートにはイベントの裏側についても纏めていますので、ぜひご覧になってみてください。

▼ワン・ワールド・フェスティバル for Youth　2023の報告
https://owf-youth.com/past/2023.html

2024年度のイベントでは、環境や人権、開発に取り組むNGOが各教室でワークショップや活動報告を行います。
また、高校生が教室内で探究活動を発表し、参加者の皆さんからフィードバックを受けるブースや、世界銀行などの国際機関、大学、企業のブースや資料展示など、国際協力へのさまざまな関わり方やキャリアを学べる内容となっています。
参加者の皆さんは、各教室を回りながら学びを深めたり、世界の課題について考えたりすることができます。

さらに、今年度から高校生だけでなく、大学生の皆さんも参加できるようになりました。参加者間の縦のつながりから生まれるイベントの広がりも期待しています。
ぜひ皆さんもイベントに足を運んでいただき、世界の課題を一緒に考えたり、学んだりしてみませんか。
一人でも多くの方にお会いできるのを楽しみにしています。