第131号 PARTNERコラム
草の根国際協力(後編)~ごみはポップな宝物!女性支援とアップサイクルの活動とは?

前編に続き、LOOBの活動についてお伝えしたいと思います。

私がフィリピン・イロイロ市でNGO LOOB(ロオブ)で2006年に始めたプロジェクトがもう1つあります。
それは、地域の環境課題に取り組みながら、女性のエンパワーメントを促進する「ごみはポップな宝物」というアップサイクル活動です。
フィリピンでは、急速な都市化と人口増加に伴い、ごみ問題が深刻化しています。特に貧困地域では、適切な廃棄物管理が行われておらず、不法投棄が環境汚染の一因となっています。
こうした状況の中、LOOBはごみを価値ある資源として活用し、経済的に困難な状況にある女性たちの収入向上につなげる取り組みを始めました。

女性たちが主役!アップサイクルで生計向上

LOOBでは、貧困地域の女性たちを対象に、古紙や飲み終わった後のジュースパックを再利用して新しい商品を生み出すアップサイクル・ワークショップを開催しています。
参加者は、基本的な裁縫技術やデザインスキルを学び、バッグやアクセサリーなどを制作します。
私の仕事は、自治体と資源管理に向けた連携協定を締結することや、日本とフィリピンの販売促進が進むようにフェアトレード関係者と協議を行うことです。

この活動は単なるものづくりではありません。
女性たちが自らの手で商品を生み出し、それを市場で販売することで、経済的自立への第一歩を踏み出します。
2024年にはイロイロ市の隣町と2つ目の生産者団体を立ち上げ、女性たちはアップサイクル製品の販売によって一家を支える収入源を得るようになりました。


アップサイクルに向けて自治体と連携協定した際の写真

アップサイクルに向けて自治体と連携協定した際の写真

コミュニティを巻き込んだ環境教育

LOOBのアップサイクル活動は、環境意識の向上も大きな目標の一つです。
日本とフィリピンの両方で、学校や企業と連携し、子どもや若者を対象にした環境ワークショップを開催しました。
市民にリサイクルや分別の大切さを学びながら、身近なごみを活用して新しい価値を生み出す楽しさを体験してもらっています。

アップサイクルがもたらす未来

この活動を通じて、多くの女性たちが手に職をつけ、自信を持って社会に貢献できるようになっています。
「ごみはただの廃棄物ではなく、新しい価値を生み出す素材である」——この考え方を広めることで、環境問題の解決と女性のエンパワーメントの両方を実現できるのではないでしょうか。

あなたもこの取り組みに参加しませんか?

LOOBでは、フェアトレード・パートナーとしてこの活動を支援して頂ける学校や企業を募集しています。
学園祭やワークショップの企画など、さまざまな形で関わることができます。
「ごみをポップな宝物に変える」この取り組みを、一緒に広めていきましょう!


LOOBに参加する若者リーダーと子どもたちの様子

フェアトレードパートナーの案内

NGO LOOB代表
小林 幸恵

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